読む鉄道、観る鉄道 (7) 『アンストッパブル』 - 実話を元にした列車暴走アクション
このままでは10万人の都市に突っ込む。
積み荷は接着剤原料の溶融フェノール。
揮発性の猛毒だ。
街に突入すれば大惨事になってしまう。
自らの衝突の危機を信号場で回避したフランクは、通り過ぎた暴走列車を見て連結が可能と判断した。
上層部は途中の市街地郊外で脱線器具を使うという。
「重量のある機関車にそんなもの効くわけがない」。
フランクは新米相棒のウィルと組み、おんぼろ機関車で暴走列車を追いかける。
この映画のモデルになった事故は2001年5月15日に起きた。
オハイオ州トレドにあるCSXトランスポーテーション鉄道の貨物操車場で、入換え操作中のディーゼル機関車8888号が無人のまま暴走し、約100kmも走り続けた。
映画ではさすがに同じ場所ではなく、同じ鉄道会社の協力も得にくかったようで、ペンシルバニア州のフラー操車場からバージニア州スタントンまでの路線が舞台となっている。
鉄道会社名は「Allegheny & West Virginia Railroad(AWVR)」で、もちろん架空の会社。実際に事故を起こした機関車は8888号で、映画では777号(トリプルセブン)