読む鉄道、観る鉄道 (7) 『アンストッパブル』 - 実話を元にした列車暴走アクション
安全のためにわざと列車を脱線させる仕組みだ。
アメリカにも脱線ポイントが装備されていたら、8888号も777も、加速が最大になる前に脱線で止められたはず。
ただし、映画では損害を考えて、「脱線させるな」という重役決定が出されるなど、伏線はしっかり張ってある。
実際におきた事故にもとづく映画と言われると、映画のような事故が起きるのではないかと心配するかもしれないけれど、日本ではシステム的に起こりにくいから安心していい。
もっとも、どんなに安全なシステムも、誰かが気を抜けば崩れてしまうともいえる。
また、「テレビ局の撮影用ヘリコプターの音が鉄道員の無線のやりとりを難しくする」という場面がある。
これは御巣鷹山の日航機墜落事故で、「ヘリコプターの音が、助けられたはずの生存者の声をかき消したのではないか」という指摘に通じる。
本作品はずば抜けておもしろいアクション映画であると同時に、安全啓発映画ともいえそうだ。
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