奥様はコマガール (47) 口が達者な夫はマイナスイメージのもと?
よろしく、勝負を避けたほうがいいという理屈だ。
しかし、これがそのまま僕ら夫婦にも当てはまるかといえば、そこは微妙である。
なぜなら僕と妻のチーの場合、それはもう圧倒的な差で僕のほうが口が達者だからだ。
思い起こせば、僕は子供のころから男のくせに口が達者で、両親や親戚連中からはやれ口から生まれただの、やれ頭ではなく口で物事を考えているだの、やれ口にスピーカーがついているだの、さんざんネタにされてきた。
おまけに、ただギャーギャーわめくだけではなく、生来の理屈っぽさを駆使して、立て板に水のごとく流暢に論説を垂れるガキだったため、周囲の大人はさぞかし手を焼いたことだろう。
小学生時代、同居していた祖母と何度も口喧嘩しては、そのたびに言い負かしていた。
おばあちゃん、ごめんよ。
そして大人になった今は、もちろん時と場合、さらに相手ぐらいは選ぶようになったものの、いざ本気になったときはますます饒舌になった。
本業の肩書きは(しがない)作家でありながら、テレビ・ラジオの各種番組やイベント等でMC及びコメンテーターの仕事を多くこなしているのは、そういった僕の特異性によるところだ。
したがって僕とチーの夫婦喧嘩は基本的に激しい舌戦であり、それがどれだけヒートアップしていこうが、最後は必ず僕が勝利をおさめることになっている。