読む鉄道、観る鉄道 (10) 『狙った恋の落とし方。』 - 中国で”北海道ブーム”起こした婚活映画
チェンは見合いを続けながらも、少しずつシャオシャオに引かれていく。
シャオシャオはチェンの気持ちを知りつつ、いま抱えている「結ばれぬ恋」を捨て切れない。
しかしある事件をきっかけに、2人は条件付きで結婚を前提に付き合う。
「辛い恋を忘れたい、その恋が始まった北海道で終わりにするから」と、シャオシャオはチェンを旅に誘った……。
同作品は2008年末、正月映画として中国で公開された。
日本の公開は翌年2月。
2007年は四川省で大地震があり、資本主義を取り入れた中国にとって初の世界的不況となった。
そんな中でフォン・シャオガン監督は「恋愛コメディで人々に笑顔を取り戻そうと思った」という。
たしかに笑いの要素も多いけれど、全体としては上質な大人の恋の物語だ。
鉄道が登場する場面は少ないが、北浜駅は重要なポイントとなる。
上映開始から約70分後に登場し、網走方面から到着した列車にチェンとシャオシャオが乗っている。出迎えはチェンの友人で日本に住むウーさん(宇崎逸聡)。
2人の運命を変えるかもしれない旅が、この北浜駅から始まる。
もっとも、3人の旅はずっとクルマ。
スバル・レガシイに乗っている。