2012年7月12日 08:34
岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (16) 増税の論拠は「税収減」ではなかったか? 2011年度税収は”前年度超え”の事実
会社には工場や土地といった資産もありますし、預金などもあるかもしれません。
大量に新装置が売れれば、収益も倍増するはずです。
むしろ成長産業としての期待を一身に背負うのではないでしょうか。
企業であればこうした負債の全額返済を求められますが、政府の場合は全額返済を求められることはありません。
政府の歳出・歳入のバランスが著しく欠いている状況が長く続くのはよいことではありませんが、今回のように税収が増加しているのであれば、ひとまず安心です。
国債の議論に関しては、スケールを分けて考える必要があると思っています。
非常に大きなスケールとして、そもそも債券を各国政府が無尽蔵に発行して、好きなだけ資金を調達してもいいのか、という命題があります。
無尽蔵という部分でOUTだと誰もが思われるはずです。
広義の意味で、「債券のそもそも論」は日本に限ったことではなく、世界中が現代経済の抱える問題として考える必要があると思います。
極論ではありますが、仮に債券というシステムが成立しなくなった場合、いち早く経済が立ち行かなくなるのは海外からの返済を求められる日本以外の各国でしょう。
日本などからの借金を踏み倒したとしても、それ以上借り入れ手段がないのですから、自国経済は回らず破綻です。