2012年7月12日 08:34
岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (16) 増税の論拠は「税収減」ではなかったか? 2011年度税収は”前年度超え”の事実
政府の借金が1000兆円という数字に関しては政府の勘定の一部過ぎず、資産の話はされていない、というのは前回お話した通りです。
それでも、資産があっても心配だという人もいるでしょう。
過剰な債務は個人でも企業でもよくないことです。
その一方で適度な債務は、企業活動をする上では必要となってきます。
債務の金額についてはどこまでが許容範囲で、どこまでが過剰なのか、その線引きをするのが難しいのは事実です。
例えば、原発に代わる新しいクリーンエネルギーが開発され、それを広く国民に利用してもらうための装置が必要となったとしましょう。
その装置を大量に生産するために、クリーンエネルギーを開発した会社は工場の建設が急務となります。
借金はないに越したことはありませんが、元手がない場合は銀行や投資家からの借り入れに頼らざるをえません。
日本国中に行き渡るような装置であれば、大規模な工場建設が急務となりますので、負債も相当な金額となるはずです。
企業自体の規模に対して、あるいは年間の売上に対して何倍もの債務を背負ったこの企業は間もなく経営破たんをする会社だと、果たして言えるでしょうか。