岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (18) 国会で持論を訴えてきました(後編) - 「為替介入」に意義はあるのか?
、減価する資産を保有するだけならば、いったい何のためのドル買い介入であったのか、その効果に対する疑問が沸いてくるのでございます。
非常に大きな流れとして、米国は1980年代に経常赤字国となりました。
つまり、海外からの借金に依存しなければ、国の経済が回っていかないという状況です。
効果のない為替介入であれば、これまでのドル買い介入は単なる米国のファイナンス、つまり日本がドルを買い、米国債を購入することで、米国が抱える借金の穴埋めをしただけということに結果的になってしまいます。
余談ではありますが、海外では為替介入に対して政府は非常に慎重であると言われております。こうした為替差損は、国民の資産に損を発生させたということで、議会から厳しい追及を受けるためです。
さて、話は元に戻しまして、政府の借金という点についてですが、これまでの為替介入では財務省の公表データを見る限り米ドル買いが9割以上となっております。
政府は買った米ドルをそのまま外貨預金として金融機関に預けるか、米国債を購入するか、という選択肢があります。
つまり、外国為替資金証券の裏側にはドルという資産が存在していることになります。