くらし情報『岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (20) 日銀が金融緩和しても給料上がらず…”あり余る資金”どう民間に流すかが問題』

2012年9月27日 12:27

岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (20) 日銀が金融緩和しても給料上がらず…”あり余る資金”どう民間に流すかが問題

が頻発してきました。

例えば、今年の8月1日時点で日銀は国債買い入れの入札額を8000億円と提示しましたが、それに対して手持ちの国債を差し出して資金を借り入れるという応札に応じた金融機関が少なく、結局金額としては3083億円分にしかならなかったのです。

予定の金額を供給できないのが「札割れ」の状況です。

そして、こうした札割れは日常化しており、従来よりも1兆6000億円と倍増した8月31日からは、9月4、5、7、11、13日までの6回、連続して札割れとなったことが伝えられました。

「札割れが起こっているということは、金融機関に十分な資金が既に行き渡っているため、金融機関がオペレーションに全額は応じようとしなくなる」、それほど「日本銀行が豊富に資金供給を行っていることを意味します」、日銀のHPの札割れの説明でもそう指摘がされています。

つまり、金融機関も目ぼしい融資先も民間にもないので、いくら緩和を強化してくれても、もう資金は要らないというような状態になっているのです。

問題は日銀の緩和そのものではなく、既にあり余るほど供給された資金をどう民間へ、実体経済へと流していくか、という点です。

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