長野県佐久平を中心に振る舞われる鯉料理は、なぜ人を惹きつけるのか?
そして、プリプリの身をわさびじょうゆで食べる。
酢みそじゃないよ。
佐久の鯉は、昔からわさび醤油で食べるのがあたりまえ」と水間さん。
生まれも育ちも佐久の鯉ならば、臭みもなく身もしまっているから、わさびじょうゆが一番なのだという。
思わずゴクリと喉を鳴らしてしまうような話しぶりだ。
自分たちで鯉を育てて、昔からの味を楽しみたいという思いが、この活動を続けてきた一番の理由なのだと、水間さんは楽しそうに話してくれた。
水間さんに佐久鯉の魅力を聞いてみた。
すると、「まずは、他の魚にはない味ということ。
それから、これほど料理人によって味が変わる魚もいないんじゃないかな。
店によっては鯉を料理するために、みそでもしょうゆでも、なんでも自家製こだわっているというところもありますよ」とのお答え。鯉料理を代表するおもてなし料理「鯉こく」。
鯉の輪切りをしょうゆ、酒、砂糖でじっくりと煮込んだことで、トロリととろけるように身がほぐれる「うま煮」。
そして、薄くそぎ切りにし、人肌の湯にサッと通してすぐに冷水でしめて食べる「あらい」は特におすすめ。
また、歌人・若山牧水が「鯉こくに 洗いに飽きて 焼かせたる 鯉の塩焼き うまかりにけり」