2012年11月2日 17:35
資金調達の活発化に伴ない存在感の高まるアジア社債市場
中間所得層の増加や都市化・工業化の進展などを背景に著しい経済発展が継続するアジアでは、企業の生産活動が拡大するなか、生産効率化や競争力強化を目的とした設備投資のための資金需要が高まっています。
従来、アジアの企業による資金調達は銀行からの借入が主でしたが、最近では調達手段の拡大が見られており、社債発行による資金調達が活発化しています。
アジア社債の市場規模は順調に拡大していましたが、サブプライム問題の影響を受けて起債が減少し、2008年10月末にかけては一時的に縮小しました。
ただ、その後は、サブプライム問題の影響が欧米と比較して相対的に軽微なアジアでは、企業の資金需要が旺盛なことを反映し、社債発行企業が増加したことに加え、平均的な起債規模(1銘柄の発行金額)が従前の3~5億米ドルから、5~10億米ドルへと大型化したことなどもあり、アジア社債の市場規模は約2,100億米ドル(2012年9月末)にまで拡大しています。
特に、アジア企業の信用力向上などにより格付の高い銘柄が相対的に増加したことに加え、欧州危機が本格化した後に、リスク回避的な投資家が相対的に格付けの高い債券を選好したこともあり、BBB-格以上の市場規模は2008年10月末と比して約900億米ドル増加し、約1,500億米ドル(2012年9月末)