2012年11月28日 15:11
くり食文化発祥の地、岐阜県の「中津川くりきんとんめぐり」で食べ歩き
秋になると和菓子店の店頭を飾る「くりきんとん」。
くりを裏ごしして砂糖と合わせ、茶巾でくりの形に整えた和菓子だ。
素材といい製法といい形といいシンプルで、 かつくりのうまみをストレートに味わえる「キング・オブ・くり菓子」といえる。
手軽なひと口サイズだが、ぱくっと頬張るのはいかにももったいない。
和菓子としてきちんと食べたい一品である。
栗きんとんは、岐阜県と長野県の県境に位置する岐阜県中津川市で生まれたと言われている。
ここはかつて中山道が通り、木曽路の入り口として栄えた宿場街だ。
京都と江戸の文化が交わり、独自の商業文化が形成されていった。
中津川のある恵那(えな)地方は水が豊かで日当たりが良好と、くりの生育に適した気候条件が整っている。
当時は天然の山くりしか入手できなかったというが、大粒で甘さののったくりが名物だった。
宿場で提供されるくり料理が旅人に評判になり、全国に知れ渡ったという。
また、江戸時代の後期には商人たちの間で茶の湯が盛んになり、それにつれて和菓子も発展していったそうだ。
そんなバックグラウンドを聞けば、くりきんとんが中津川で誕生したということにもうなずける。