夜ドラ「ユーミンストーリーズ」に出演する新たなキャストが発表された。本作は、松任谷由実の名曲からインスピレーションを得て描かれた、3人の小説家が生み出した3つの物語を原作としたオムニバスドラマ。夏帆主演の第1週「青春のリグレット」(原作:綿矢りさ)には、菓子(夏帆さん)の元彼・陸役で金子大地、菓子が旅行した先で立ち寄る店「しらかばヒュッテ」の店員役で片桐はいり、夫・浩介役で中島歩が出演。金子さんは「誰しも経験があるのではないかな」と本作について述べ、片桐さんは「どんなすてきなドラマになるのか楽しみです」と完成に期待。中島さんは「真っ当に生きることに疑問を感じている方には特にご覧いただきたいです。もちろん真っ当に生きることを諦めている方にもご覧いただきたいです」とメッセージ。<「青春のリグレット」あらすじ>夫に浮気され、夫婦関係が破綻しかけている菓子。まだやり直せる。そう考えた菓子は夫の浩介を旅行に誘うが、その旅先で、昔ある人に言われた言葉が実は重要な意味を持っていたことに気づき…。麻生久美子主演の第2週「冬の終り」(原作:柚木麻子)には、フードコートでパート勤務をする仙川真帆役・篠原ゆき子、鮮魚売り場を担当するパート・みつき役で伊東蒼、生鮮売り場担当の正社員・前田役でクリスタル ケイ、ベテランパートの定岡正子役・浅田美代子が参加。篠原さんは「あぁ、私この話すごく好きだ」と台本を読んだときの感想を明かし、伊東さんは「今まであまり聴いたことのなかった方達が、松任谷由実さんの温かくそっと寄り添ってくれる楽曲に触れる機会になってくれれば」とコメント。クリスタル ケイさんは「皆さんに是非楽しく見ていただきたいです」と呼びかけ、浅田さんは「この話の中で私の役は楽しく遊ぶことが出来ました」とふり返る。<「冬の終り」あらすじ>スーパーでパートとして働く藤田朋己(麻生久美子)は、新しく入ったパートの仙川真帆と全く会話が続かず気まずい思いを募らせる。しかし有線である曲が流れた時、初めて変化が訪れた。もう一度、少しだけ日常に変化を。一人の思いをくみ取ったパート仲間によって、ちょっとした大ごとに発展してしまう友情の物語。宮崎あおい主演の第3週「春よ、来い」(原作:川上弘美)では、“あれ”の力を持つ衣笠雄大役で池松壮亮、両親を事故で亡くし叔母と祖父と暮らす上原多英役で白鳥玉季、多英の叔母・谷川なりみ役で小野花梨、保険会社社員の千崎倫也役・岡山天音、雄大の父・衣笠充流役で田中哲司が出演する。池松さんは「この世界の結びつきと、人を想うこと、誰かの幸せを願うこと、そして愛の発見を導いてくれるような作品です」と説明し、白鳥さんは「心がいっぱいになる作品だと思います。楽しみにしていてください!」とメッセージ。小野さんは「この曲の持つ淡い優しさと切なさがぎゅっと詰まった脚本」と言い、岡山さんは「カナコと、お互いの人生を徐々に交差させていくキャラクター」と自身の役柄を説明。田中さんは見どころについて「池松君との少し微妙な親子関係です」と明かしている。<「春よ、来い」あらすじ>一族が持つ“あれ”の力を授かったカナコ(宮崎あおい)。誰のために使ったら良いのか。亡くなった母は誰のために使ったのか。疑問の答えを求めてたどり着いた先に、同じ“あれ”の力を授かった雄大、生きることをつらく感じる中学生の多英が見えない糸で導かれ――。なお、物語を彩る劇伴音楽には、コンサートで「卒業写真」をカバー演奏しているアーティスト・青葉市子が決定した。夜ドラ「ユーミンストーリーズ」第1週「青春のリグレット」は3月4日(月)~7日(木)22時45分~(全4回)、第2週「冬の終り」は3月11日(月)~14日(木)22時45分~(全4回)、第3週「春よ、来い」は3月18日(月)~21日(木)22時45分~(全4回)NHK総合にて放送。※BSP4Kでは前編・後編に分けて放送(前編:「青春のリグレット」+「冬の終り(前半)」3月8日(金)21時~/後編:「冬の終り(後半)」+「春よ、来い」3月15日(金)21時~)(シネマカフェ編集部)
2024年01月25日松任谷由実の名曲からインスピレーションを得て描かれた3人の小説家が生み出した3つの物語を原作とした、オムニバスドラマ「ユーミンストーリーズ」の制作が開始された。岨手由貴子、奥山大史ら気鋭のクリエイターらが参加している。第1週「青春のリグレット」(原作:綿矢りさ)は、脚本を『あのこは貴族』などの岨手由貴子が担当。演出は『ハローグッバイ』『望郷』の菊地健雄が務める。<あらすじ>結婚して4年で夫に浮気され、夫婦関係が破綻しかけている菓子(夏帆)。まだやり直せる。そう考えた菓子は夫を旅行に誘うが、その旅先で、昔ある人に言われた言葉が実は重要な意味を持っていたことに気づく。青春時代の記憶が後悔となって呼び起こされる、ほろ苦い恋の物語。夏帆コメントユーミンさん(と呼ばせてください)、菊地監督、岨手さん、綿矢さん、、と好きがこんなにも詰まった作品に参加させていただけるなんて、、胸が高鳴ります。人生のたった一場面かもしれないけど、忘れることのできないその一瞬を、丁寧に演じてゆけたらと思っています。よろしくお願いします。第2週「冬の終り」(原作:柚木麻子)では、脚本を映画とドラマ、2つのフィールドで活躍するねじめ彩木、演出を『ブルーアワーにぶっ飛ばす』の箱田優子が務める。<あらすじ>スーパーでパートとして働く藤田朋己(麻生久美子)は、新しく入ったパートの仙川真帆と全く会話が続かず気まずい思いを募らせる。しかし有線である曲が流れた時、初めて変化が訪れた。もう一度、少しだけ日常に変化を。一人の思いをくみ取ったパート仲間によって、ちょっとした大ごとに発展してしまう友情の物語。麻生久美子コメント最初にお話をいただいたときに、監督が箱田優子さんということに魅力を感じました。箱田さんとは以前CMの撮影でご一緒させていただいていたのですが、演出がとにかく面白くて、いつかまたお仕事したいとずっと思っていました。今回、念願叶ってやっとご一緒できると思うと本当に嬉しくて、今から撮影が待ち遠しいです。フードコートのパート仲間たちで繰り広げられる人間模様を、ユーミンさんの「冬の終り」の楽曲のお力をお借りしながら、面白い作品にできればと思っています。第3週「春よ、来い」(原作:川上弘美)は、脚本は、今泉力哉監督と共同脚本を担当した『愛がなんだ』などの澤井香織、演出を『僕はイエス様が嫌い』で国内外で高く評価された奥山大史が務める。<あらすじ>一族が持つ“あれ”の力を授かったカナコ(宮崎あおい)。誰のために使ったら良いのか。亡くなった母は誰のために使ったのか。疑問の答えを求めてたどり着いた先に、同じ“あれ”の力を授かった雄大、生きることをつらく感じる中学生の多英が見えない糸で導かれ…。誰かを思う気持ちが春を連れてくるあたたかな物語。宮崎あおいコメント「春よ、来い」は交わることのない3人が、何かに導かれるように同じ場所、同じ時を過ごします。松任谷由実さんの名曲から川上さんが生み出した物語を、スタッフ、キャストの皆さんと共に丁寧に紡いでいけたらと思っています。2024年の春に素敵な作品をお届けできるよう頑張りますので、ぜひ楽しみにしていて下さい。「ユーミンストーリーズ」は2024年3月、NHK総合にて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年10月05日ユーミン、デビュー50周年!【東京SUGOI花火】はユーミンデビュー50周年を記念して、ユーミン楽曲を用いた一夜限りの花火イベント 東京SUGOI花火2023「Yuming 50th Anniversary 〜真夏の夜の夢〜」の開催を決定!ユーミンの作る音楽はいつも聴く人にビジュアルを想起させてくれ、毎年のように開催されてきたライブは大規模な演出で楽曲のイメージを具現化してくれました。そしてこの度【東京SUGOI花火】は、日本最高峰の花火を駆使して、ユーミン楽曲の世界観を表現します。開催日はユーミンのデビュー日である7月5日(水)。会場は「右に見える競馬場左はビール工場〜」(楽曲「中央フリーウェイ」)というファンにはお馴染みのロケーション、府中市の東京競馬場。50周年のファイナルを飾るイベントであり、そしてこれからも前を向いて走り続けるユーミンの51年目のスタートを1万4千発の花火で盛大に祝福しましょう!開催に先駆け、松任谷由実さん、そして【東京SUGOI花火】花火総合演出の平山英雄氏からコメントが到着!さらに、【東京SUGOI花火】と府中市のコラボレーションも決定。(詳細は追って発表)これからの“ユーミン花火”の続報に乞うご期待!■松任谷由実コメント花火と聞いて思い出すのは、子供の頃に行った熱海の花火大会。とても楽しかった。日本人のDNAには不思議と花火に興奮する感性が組み込まれているのかもしれない。ずっと続けていた逗子のライブでは、”埠頭を渡る風”の後に花火が上がるのが定番になっていました。アンコールの出番を待ちながら、我を忘れてその花火に魅入っていたのを思い出します。私のナンバーで構成される花火大会ってどうなるんだろう。この花火大会をいちばん楽しみにしているのはきっと私だと思います。松任谷由実■平山英雄(花火総合演出)コメント日本を代表するアーティスト「松任谷由実」さんの、記念すべきデビュー50周年を祝う花火の総合演出ができる事を大変光栄に思います。そんな誰もが知る「ユーミン」楽曲の世界を花火で表現するために、最新のデジタル点火テクノロジーを駆使し、花火を打ち上げるタイミングだけでなくカラーリングやシェイプなど花火の持つ様々な要素にも緻密かつ繊細にシンクロさせた演出を行います。東京競馬場でしか体験することができない、日本最大のスケールを誇る競馬場コース全体を使用したダイナミックな花火演出にもご期待ください。平山英雄タイトル東京SUGOI花火2023「Yuming 50th Anniversary 〜真夏の夜の夢〜」開催日時 2023年7月5日(水)17:00開場19:30開演20:40終了(予定)開催場所 東京競馬場 (東京都府中市日吉町1-1)チケット※全席指定椅子席/未就学児無料(お座席が必要な場合はチケットが必要です)※1申し込みにつき4枚まで※雨天決行(荒天時中止)※途中中止の場合は、払戻はいたしません。▪S席:7,700円▪A席:6,600円▪芝生席:30,000円(1枠4名まで)▪車いす席ペアチケット:15,400円※車いす1名様と付添い1名様のペアチケットです。付添いの方も必ずチケットが必要になります。※会場近くの特別駐車券付きとなります。▪カメラエリアチケット:9,700円※背の高い三脚を使用して撮影可能エリア。お座席はございません。▪府中市民割引席:4,500円(A席エリア)※4月下旬より、府中市内で限定販売を行います。数量限定。オフィシャル1次先行(先着)2023年4月12日(水)10:00〜4月27日(木)23:59まで(チケットぴあ)URL: 一般発売5月27日(土)10:00 〜[チケットに関するお問い合わせ]キョードー東京0570-550-799(平日11:00〜18:00・土日祝 10:00〜18:00)東京SUGOI花火2023「Yuming 50th Anniversary 〜真夏の夜の夢〜」公式HP 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月12日松任谷由実デビュー50周年を記念して、ユーミン楽曲を用いた一夜限りの花火イベント『東京SUGOI花火2023「Yuming 50th Anniversary 〜真夏の夜の夢〜」』が開催されることが決定した。毎年のように開催されてきたライブでは、大規模な演出で楽曲のイメージを具現化してくれたユーミン。本イベントでは、日本最高峰の花火を駆使してユーミン楽曲の世界観を表現する。開催日はユーミンのデビュー日である7月5日(水)。会場は「右に見える競馬場左はビール工場〜」(楽曲「中央フリーウェイ」)というファンにはお馴染みのロケーションである府中市の東京競馬場となっている。併せて、松任谷由実、そして『東京SUGOI花火』花火総合演出の平山英雄からコメントが到着。さらに、府中市とのコラボレーションも決定しており、詳細は後日発表される。■松任谷由実 コメント花火と聞いて思い出すのは、子供の頃に行った熱海の花火大会。とても楽しかった。日本人のDNAには不思議と花火に興奮する感性が組み込まれているのかもしれない。ずっと続けていた逗子のライブでは、“埠頭を渡る風”の後に花火が上がるのが定番になっていました。アンコールの出番を待ちながら、我を忘れてその花火に魅入っていたのを思い出します。私のナンバーで構成される花火大会ってどうなるんだろう。この花火大会をいちばん楽しみにしているのはきっと私だと思います。■平山英雄(花火総合演出)コメント日本を代表するアーティスト「松任谷由実」さんの、記念すべきデビュー50周年を祝う花火の総合演出ができる事を大変光栄に思います。そんな誰もが知る「ユーミン」楽曲の世界を花火で表現するために、最新のデジタル点火テクノロジーを駆使し、花火を打ち上げるタイミングだけでなくカラーリングやシェイプなど花火の持つ様々な要素にも緻密かつ繊細にシンクロさせた演出を行います。東京競馬場でしか体験することができない、日本最大のスケールを誇る競馬場コース全体を使用したダイナミックな花火演出にもご期待ください。<イベント情報>『東京SUGOI花火2023「Yuming 50th Anniversary 〜真夏の夜の夢〜」』7月5日(水) 東京競馬場17:00 開場 / 19:30開演 / 20:40終了(予定)【チケット料金】S席:7,700円A席:6,600円芝生席:30,000円(1枠4名まで)車いす席ペアチケット:15,400円カメラエリアチケット:9,700円※車いす席ペアチケットは、車いす1名様と付添い1名様のペアチケットです。付添いの方も必ずチケットが必要になります。※会場近くの特別駐車券付きとなります。※カメラエリアチケットは、背の高い三脚を使用しての撮影が可能なエリアです。お座席はございません。※全席指定椅子席/未就学児無料(お座席が必要な場合はチケットが必要です)※1申し込みにつき4枚まで※雨天決行(荒天時中止)※途中中止の場合は、払戻はいたしません。■オフィシャル1次先行(先着)4月12日(水) 10:00〜27日(木) 23:59まで受付はこちら:■一般発売5月27日(土) 10:00〜【チケットに関するお問い合わせ】キョードー東京:0570-550-799(平日11:00〜18:00・土日祝 10:00〜18:00)※開催に際しては、万全なコロナ対策を実施したうえで、全席を有料・指定とすることにより入退場時の混乱を最小限に抑え、安心安全な運営を行います。※天候や地震の発生によってやむを得ずイベントを中止・中断する場合があります。所轄の警察・消防の指導と判断をあおぎ、お客様の安全を第一に考えます。イベント公式HP:
2023年04月12日CMソングやジブリ映画、人気ドラマの主題歌など数多くの名曲を生み出してきたユーミンこと松任谷由実さん。シンガーソングライターとして活躍し続けているユーミンの魅力をたっぷり味わえる展覧会、『YUMING MUSEUM』が六本木の東京シティービューで開かれています。世代を超えて愛されるJ-POPの女王はいかにして生まれたのか、その軌跡をたどれる展覧会です。ユーミンの世界へ!【女子的アートナビ】vol. 277『YUMING MUSEUM』では、音楽シーンのトップランナーとして走り続けているユーミンの直筆歌詞や楽譜、ステージ衣装、映像などを展示。これまで、ほとんど公開されることのなかったユーミン自身のコレクションなども見ることができます。会場は、六本木ヒルズ52階にある東京シティービュー。まず、エントランスの吹き抜けギャラリーに入ると、ユーミンの楽曲づくりを象徴するグランドピアノとたくさんの歌詞や譜面の複製が美しく散りばめられています。ユーミンが青春時代に刺激を受けた東京の街を一望できる最高のロケーションで、日本を代表する歌姫の世界観に触れられます。なぜかウィッグが…!今から50年前の1972年、18歳のユーミンは『返事はいらない/空と海の輝きに向けて』でデビュー。当時は、旧姓の「荒井由実」さんでした。実家は、東京・八王子の「荒井呉服店」。大正元年に創業した老舗の呉服店で多感な幼少期を過ごしたユーミンは、立教女学院中学・高校を経て多摩美術大学に進学します。会場では、荒井由実時代から作曲に使っていたグランドピアノや美大時代の絵画、当時読んでいた書籍など、ユーミンをつくった大切なものたちが展示されています。なかでも目を引くのが、ボブスタイルのウィッグ。青春時代、ユーミンは夜に実家を抜け出し、都心の繁華街に遊びに来ていました。そのとき、自室のベッドに仕込んでおいたのが、このウィッグ。親が部屋に来ても、寝ているように偽装していたそうです。呉服屋のお嬢さまだったユーミンが、親の目を盗んで夜遊びしていたというエピソード、ほほえましいですよね。ちなみに、青春時代のユーミンについては、山内マリコさんの著書『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』でも詳しく紹介されています。小説では、このウィッグの話も登場。読んでから行くと、展示をさらに楽しめます。圧巻のコンサート衣裳も!また、コンサートの衣装を展示したコーナーも見どころのひとつ。ユーミンのステージは、まるでオペラの舞台のような豪華セットや衣装、華やかな演出、そして圧巻のパフォーマンスで知られています。伝説となっているのは、1979年の全国ツアー。本物の小象に乗ったユーミンが、ステージに登場しました。会場では、当時の象に乗ったユーミンをイメージした展示もあり、迫力満点。また、ライブの映像も流れているので、さまざまなステージの興奮を体感できます。ユーミンの音声ガイドも!本展では、無料の音声ガイドも楽しめます。こちら、なんとユーミン自身が展示をナビゲートしてくれるのです!ユーミンといえば、ラジオの名パーソナリティとしてもおなじみですよね。話す言葉のひとつひとつが大切なメッセージに感じられ、ラジオを聴いてファンになった人も多いと思います。さらに、羽生結弦さんやビートたけしさんなど、各界の著名人15人以上の方が音声ガイドに登場。好きなユーミンソングの思い出などを語っています。なお、音声ガイドを利用したい人は、ぜひスマホとイヤホンをご持参ください。ユーミンの魅力を100%体感できる本展は、2月26日(日)まで開催。ぜひ、足を運んでみてくださいね!Information会期:~2月26日(日)会期中無休会場:東京シティービュー開館時間:10:00〜22:00(入館は21:00まで)観覧料:一般¥2,500、大学・高校生¥1,700、4歳~中学生¥1,200、シニア(65歳以上)¥2,200
2023年01月15日『女性自身』読者世代の“青春のバイブル”だったユーミン。そんな彼女のデビュー50周年を記念した「YUMING MUSEUM」が東京シティビューにて開催中(2023年2月26日まで)。会場には、初公開のレアな写真や資料がズラリ。数々の名曲たちの手書きの楽譜や、デビュー当時のオフショットが見られたり、実家・八王子のユーミンの部屋を再現した空間なども!■“あのころ”のユーミンがデビュー当時、八王子の自宅の部屋にいるユーミンの写真や、成人式や結婚式の晴れ着姿、荒井由実時代のレアショットも! 夜な夜な西麻布に通っていたとき、カムフラージュに使ったウイッグも展示されている。■名曲の“できるまで”を種明かし『中央フリーウェイ』や『ひこうき雲』をはじめとする名曲たちの楽譜や手書きの歌詞メモも。作った当時の気持ちが書かれていたり、歌詞を書き直していたり制作過程がうかがえる。■華やか衣装も当時のまま本物の生きた象をステージに登場させるなど、毎回赤字覚悟で魅せてくれるステージパフォーマンスもユーミンならでは。その豪華な衣装たちがところ狭しと並ぶエリアは絶景。展示品を見て回っている間、頭の中で青春メロディが鳴りっぱなし♪懐かしいあのころがよみがえります!
2023年01月02日デビュー50周年を迎えた松任谷由実の魅力を体感できる展覧会『YUMING MUSEUM(ユーミン・ミュージアム)』が、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)にて開催中。同展では、ユーミン自身のコレクションや、貴重な資料や映像、ステージ衣装、直筆のメモなど、“ミュージアム”と呼ぶにふさわしく過去最大規模で展示物を公開。譜面やメモなどの複製100点以上をちりばめたエントランスから始まり、コンサートで着用した衣装29点や、コンサートツアーで実際に使われたセット、荒井由実時代から現在に至るまでの作詞・作曲に関わる膨大な直筆資料など、貴重な資料が並ぶ。八王子で生まれ育ったユーミンの10代から荒井由実時代までの原点となる部屋も再現され、夜抜けするときに実際に使っていたというウィッグも展示されている。また、同展では、松任谷由実が自ら音声ガイドを担当しており、各展示物のエピソードを交えたユーミンの案内で会場を巡ることができる。さらに、1972年のデビューシングルに収録されている「空と海の輝きに向けて」を10代の頃のユーミンが歌った特別なデモ音源も試聴可能だ。シンガーソングライター、そしてひとりの人間としてのユーミンの魅力があふれた特別な展覧会『YUMING MUSEUM(ユーミン・ミュージアム)』は、2月26日(日) まで。■松任谷由実 コメント展覧会は今までにやったことの無い、新たなメディア。この展覧会を一番楽しみにしていたのは、他ならぬ私自身です。みなさまがどう思ってくれるのか楽しみです。東京を抱きしめられるこの場所で、活動と半生を味わっていただけます。一人の女の子がユーミンになって、そしてあり続けるというドキュメントを熱く感じてください。<開催情報>『YUMING MUSEUM』(ユーミン・ミュージアム)会期:2022年12月8日(木)~2023年2月26日(日) ※会期中無休会場:東京シティビュー時間:10:00~22:00(最終入館21:00)通常券一般2,500円、高校・大学生1,700円、4歳~中学生1,200円、 シニア(65歳以上)2,200円●ユーミンが初めて作詞作曲した「そのまま」の書き下ろしの歌詞と譜面(複製/非売品)をセットにしたプレミアムチケット限定発売中(なくなり次第終了)料金:通常券3,700円展覧会公式サイト:
2023年01月01日デビュー50周年を迎えた、J‐POPのトップスター、ユーミンこと松任谷由実さん。彼女の半生を描いた小説が、ananでもおなじみの作家・山内マリコさんの手によって誕生した。八王子の呉服店に生まれ、10代でシンガーソングライターとしてデビューを飾った半生。『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』誕生秘話とは?ユーミンと呼んでいいですか、そこから取材が始まった。山内マリコ:初対面の日、伝説の大スターにお会いすると構えていったところ、いい意味で人を威圧せず、最初からふつうに話してくださって。過去のインタビューで「(ユーミンに)さん付けされるのって変じゃない?」と話していたのを思い出し、「ユーミンと呼んでいいですか?」と聞きました。ユーミン:いいわよって(笑)。山内:やさしいな~って感激しながら、ユーミンへのインタビューが始まりましたね。ユーミン:この小説、面白かったー。山内さんは私の曲とか聴いたことあったんだっけ?山内:小学3年生の時、初めて友達だけで映画館に行ったのが『魔女の宅急便』だったんです。そこで「やさしさに包まれたなら」を聴き、子供心に“なんだろうこのものすごく美しいメロディは”と感動して。小説にも書きましたが、ユーミンがバッハを聴いた時のような感動を、私はユーミンの歌で得ていたんです。その後「守ってあげたい」を知り、もっとユーミンの曲を聴きたいと思っていたら、おもちゃ屋さんでそれらしいCDを見つけて。親に買ってもらったら、なんとユーミンの曲をオルゴールの音色にしたBGMみたいなアルバムで、大失敗。ユーミン:(笑)山内:高学年になって商店街のレコード屋さんに行くようになり、最初に買ったアルバムは1991年の『DAWN PURPLE』。翌年、『その時、ハートは盗まれた』というテレビドラマに夢中になり、その主題歌「冬の終り」が収録されている1992年の『TEARS AND REASONS』もよく聴きましたね。ユーミン:今回書いていただいたのは、まだ私が子供の由実ちゃんだった時代から、荒井由実としてデビューするまでの頃なんですよね。山内:はい。マガジンハウスから「ユーミンの本を書いてみませんか」とオファーが来た時は驚きました。けど、もともとキャンティ(この対談のロケ地であり、ユーミンが友人らと集った伝説のレストラン)の本を読んでいたり、細野晴臣さん周辺の音楽人脈に興味を持っていたり、素地はあるぞと。おこがましいですが「これは引き受けるべき、私が適任者!」と思いました。ユーミン:なるほどね~。山内:それと以前、岡崎武志さんの『ここが私の東京』という本を読んでいて、自分とユーミンには、共通点があるなと思っていたんです。ユーミン:え、どこどこ?山内:みんなユーミンを都会の象徴のように思っているけれど、その本にはちょっと違う角度から、“上京者としてのユーミン”が書かれていました。ユーミンの地元・八王子は、多摩川の向こう側で、都心からは距離がある。その距離がとても大事で、少し離れているからこそ都会のキラキラを描けたんだと書いてあって。これは地方出身である私自身が書いてきた感覚でもあり、少女ユーミンを掴む上で大きなポイントになりました。自分の作家性とうまくシンクロさせられるぞと。大きな挑戦でしたが、とてもやりがいのある楽しい仕事でした。ユーミン:それはよかったです。山内:ユーミンはこの本の中でどのあたりが面白かったですか?ユーミン:うちは呉服店という商売を営む家だったから、いろいろな人に会える環境でした。会社員の家庭だと、家で会える人は学校の友人と家族ぐらいじゃないかな。それが日本中から面白い人が集まる環境で、改めて文章で読むと、本当になかなかない環境だったなと、他人事のように感心しました。山内:本当に稀有な環境ですよね。去年の6~7月にかけてユーミンから取材のお時間をいただき、毎回4時間弱ぐらいじっくりお話を聞き、最後の回は、一緒に荒井呉服店に伺いました。ユーミン:浴衣を買ってくださって。山内:ユーミンに見立てていただいて、なんて贅沢な体験!ユーミン:その後、実家にもご案内して、「夜中にこの螺旋階段から家を抜け出して六本木に遊びに行ったのよ~」って話したり。山内:掘り炬燵式のリビングルームで、ここにお父さんが座って、ここにお母さんが座って、ここにお世話係の秀(ひで)ちゃんが座っていた、と説明していただきました。ほかに姪御さんや甥御さんにもお会いして、どんどんユーミンの幼少期が私の中で映像になっていきました。ユーミン:ものすごい取材力でした。山内:確か1回目のインタビューでお父様の思い出を伺ったら、あまり思い出せなかったんですよね。ユーミン:そうそう。山内:2回目のインタビュー時に、ユーミンが宿題みたいにたくさんお父様のエピソードを思い出してきてくださって。記憶をオープンにしようという強い気持ちを感じ、真摯な姿勢にすごく感激しました。大スターなのに!なんて協力的なんだろうと。インタビューされ、記憶の引き出しが開いていった。ユーミン:当たり前のことですよ(笑)。私自身、忘れていたことが多かったのに、山内さんからインタビューされて、次から次へと引き出しが開くような感覚でした。母が存命なので、母のことで思い出すことは多いんだけど、父に関しては……。父親という存在自体、母親に比べると遠くて、こういう機会がないと忘れていましたね。男親ってある意味かわいそう(笑)。人によってはお父様とすごく親密な方もいるけれど、うちは商売をしていたこともあるし、家族全員でごはんを食べたりすることがほとんどなかったから。でも母とは小さい頃からとても親密でしたね。山内さんの本を読んで、改めてそれも感じたんです。山内:ユーミンの行動力やセンスはお母様譲り。インタビューしながら確信しました。ユーミン:大正時代の真のMOGA(モダンガール)でしたからね。山内:お母様の芳枝さん、“赤い自転車のよっちゃん”として地元でも有名だったそうで。大正モダンの時代の最高にヒップな女の子のDNAを、ユーミンが受け継がれている。ユーミン:母は私よりもっといい時代を知っているからね。山内:戦前のターキー(男装の麗人・水の江瀧子さん)の追っかけだったという。推し活の元祖!ユーミン:心の栄養というか、エンタメが好きで、文学も好きで。そういううるおいを戦時中もずっといつの日かと求めていて、小学生の私に「ニヒル」とか「シュール」という表現をよく聞かせていました。山内:まだ小学生のユーミンを、大人が観るような映画や松竹歌劇団、歌舞伎など、ステージにどんどん連れていき、それが素晴らしい教育になったんですね。ユーミン:そうね。“ユーミン”という英才教育だったんでしょう(笑)。この話は山内さんに初めてするけれど、母は太平洋戦争が始まった頃、「これは負けるわ」って思っていたんですって。だから父を絶対に前線に行かせたくないと思い、美人の従姉妹を伴って、父を横須賀の基地の経理とか、事務方で働けるよう根回しした過去があるって聞きました。そういうネゴシエーション能力も、私は受け継いだかも(笑)。山内:すごい、すごい(笑)。ユーミン:山内さんの取材がきっかけで、荒井呉服店で昔の両親の写真を見たんですよ。山内:それまでご覧になってはいなかったんですか?ユーミン:ないない。山内さんと一緒にアルバムを開いたのが初めて。そしたら父が、あの時代の人にしては背も高く、ハンサムでした(笑)。山内:デビュー当時のユーミンを知る人は、みなさんユーミンのすらっとした、日本人離れしたスタイルの良さに驚いていて。そこはお父様譲りなのかなと思います。ユーミン:そうかもしれないですね。でも母も美脚だったんですって。実は今日たまたま違う取材で「なぜ楽曲提供の際の名前が呉田軽穂なんですか?」と聞かれ、本当は母が好きなマレーネ・ディートリッヒにしたかったんだけど、当て字が見つからなくて、同じ時代のグレタ・ガルボにしたんです、と明かしました。ディートリッヒも美脚で有名だったんですよ。山内:100万ドルの脚線美ですね。ユーミン:そうそう。山内:ディテールひとつとっても興味をそそられるので、調べ物も執筆も、とても楽しかったです。ユーミン:それは何よりです。私も曲を作っていて、楽しい時と、そうじゃない時、苦しい時がある。でもいいパフォーマンスは、やっぱり楽しい時に生まれますね。『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』日本最大のポップスター、ユーミンはいかにして生まれたのか。八王子の呉服店に生まれ育った少女・由実ちゃんが、荒井由実としてデビューするまでの半生を描いた小説(著・山内マリコ)。10月27日発売。1980円(小社刊)まつとうや・ゆみ(写真右)シンガーソングライター。ベストアルバム『ユーミン万歳!』が好評発売中。2023年5月13日から全国アリーナツアー「50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー The Journey」を開催する。セットアップドレス¥385,000バグッタバックチャーム¥115,500シューズ¥176,000(以上FENDI/フェンディ ジャパン TEL:03・3514・6187)ピアス¥49,500ネックレス¥40,000(共にTOMWOOD PROJECT)やまうち・まりこ(写真左)小説家。富山県生まれ。2012年『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)でデビュー。近著に、映画化もされた『あのこは貴族』(集英社)、『一心同体だった』(光文社)など。※『anan』2022年11月2日号より。写真・Takanori Okuwaki(UM)スタイリスト・亘つぐみ(TW/松任谷さん)ヘア&メイク・遠山直樹(Iris/松任谷さん)取材、文・今井 恵(by anan編集部)
2022年11月01日JUJUが、カバーアルバム『ユーミンをめぐる物語』Produced by 松任谷正隆・松任谷由実を携えて、松任谷正隆演出のもと行われた全44公演にわたる全国ツアー『JUJU HALL TOUR 2022 不思議の国のジュジュ苑 –ユーミンをめぐる物語-』の追加公演を、10月10日(=JUJUの日)に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナで開催した。小さな頃からユーミンを聴いては都会の大人の男女を思い浮かべ、憧れを抱いていたというJUJU。本公演は、『不思議の国のジュジュ苑 -ユーミンをめぐる物語- ジュジュの日スペシャル 演出:松任谷正隆』と題して、まさにスペシャルな構成で行われた。JUJUのデビューシングル「光の中へ」で幕を開けると、カバーアルバムには収録されていない楽曲も披露しながらユーミン×ワンダーランドへと誘っていく。さらに本編では本ツアーでは初めてとなる「ひこうき雲」が披露され、ファンの盛大な拍手で会場は包まれた。「今日はこの不思議の国のジュジュ苑ツアーの締めくくり。決死の覚悟でお願いに上がってこの種を撒いて、『ユーミンをめぐる物語』というアルバムで芽が出て。そしてこのツアー、このショーという大きな花を咲かせました。皆さんの未来にも、毎年素敵な花が咲くように。」そう語ると、11月23日に発売となる最新シングル「花」を心を込めて歌い上げた。だが「スペシャル」はこれにとどまらず、アンコールでは何とシークレットゲストとして松任谷由実がステージに登場。驚きと歓喜のこもった拍手が響き渡る中、「Hello,myfriend」「やさしさに包まれたなら」の2曲をコラボ歌唱。MCではお互いの周年を祝い合う展開となり、ユーミンが「JUJUは来年20周年に入るのよね?」と呼びかけると、JUJUは頷きながら「そしてユーミンは50周年!」と興奮気味に返した。「50周年にちなんで50カ所でのツアーをアリーナでやられるんですよね?」、さらにJUJUがお祝いの言葉を続けると、ユーミンから嬉しい返答が。「色々なところでお祝いしてもらうけれど、このショーがJUJUからの最高のプレゼント!ありがとう!」そう返すと、JUJUは思わず涙を堪えた。割れんばかりの拍手が鳴りやむのを待ちJUJUが続ける。「実は私も、来年のツアーが決まっております!とはいえスナックJUJUがまた開店するので、ツアーをやるのは私っていうより『スナックJUJU』のママっていう人らしいんですけど。」と20周年イヤーの新企画を発表すると会場からは笑いがこぼれた。最後にはふたりで「少し早いけれど来年もいい年になりますように」とMCを締めくくり、アンコール最後の楽曲「A HAPPY NEW YEAR」を披露。ファンにとっても、そしてJUJUにとっても、忘れられない“夢の一夜”となった。<公演情報>JUJU『不思議の国のジュジュ苑 -ユーミンをめぐる物語- ジュジュの日スペシャル 演出:松任谷正隆』10月10日(月・祝) 東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナセットリスト01. 光の中へ02. September Blue Moon03. 影になって04. 街角のペシミスト05. ダイアモンドの街角06. Midnight Train07. Valentine’s RADIO08. TUXEDO RAIN09. 一緒に暮らそう10. ジェラシーと云う名の悪夢11. 鍵穴12. TYPHOON13. 12階のこいびと14. 真珠のピアス15. リフレインが叫んでる16. DESTINY17. 花紀行18. かんらん車19. ひこうき雲20. ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ21. 守ってあげたい22. メトロポリスの片隅で23. 卒業写真24. 奇跡を望むなら...En1. 花En2. Hello, my friendEn3. やさしさに包まれたならEn4. A HAPPY NEW YEAR<リリース情報>JUJU ニューシングル『花』11月23日(水・祝) リリース●通常盤(CD):1,480円(税込)※初回仕様:ピクチャーレーベル【収録内容】1. 花2. タイトル未定(大沢伸一プロデュース曲)3. ダンシング・オールナイト4. 花 -Instrumental-予約リンク: ARENA TOUR 2021『YOUR STORY』11月23日(水・祝) リリース●DVD:7,320円(税込)●Blu-ray:7,320円(税込)【収録内容】01. PRESENT02. ただいま03. やさしさで溢れるように04. くちづけ05. ラストシーン06. いいわけ07. 君がついた嘘なら08. メトロ09. READY FOR LOVE10. believe believe11. PLAYBACK & Stop Motion12. 東京13. ANTIQUE14. あざみ15. 奇跡を望むなら...16. Voice17. こたえあわせ18. STAYIN’ ALIVEDVD予約リンク:予約リンク: カバーアルバム『ユーミンをめぐる物語』Produced by 松任谷正隆・松任谷由実Now On Sale●初回生産限定盤(CD+DVD):4,950円(税込)※スペシャルパッケージ仕様(デジパック)●通常盤(CD):3,520円(税込)【CD収録内容】1. A HAPPY NEW YEAR2. 守ってあげたい3. ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ4. 卒業写真5. 真珠のピアス6. 影になって7. 街角のペシミスト8. 鍵穴9. TYPHOON10. リフレインが叫んでる11. DESTINY12. 雨の街を13. ひこうき雲※初回限定盤のみ:A HAPPY NEW YEAR(Intimate ver.)追加収録【DVD収録内容】※初回生産限定盤のみ■Documentary of 「ユーミンをめぐる物語」■ジュジュ苑ライブ映像全5曲・ANNIVERSARY(JUJU SUPER LIVE 2014 –ジュジュ苑10th Anniversary Special-at SAITAMA SUPER ARENA)・DOWNTOWN BOY(JUJU ARENA TOUR 2015 -ジュジュ苑10th Anniversary Special-at 国立代々木競技場第一体育館)・まちぶせ(-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU at 国立代々木競技場第一体育館)・あの日にかえりたい(-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU at 国立代々木競技場第一体育館)・真夏の夜の夢(-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU アリーナツアー2017 特別アンコール出店at 横浜アリーナ)CD購入リンク:配信リンク:関連リンクオフィシャルサイト::::
2022年10月11日過去、幾度も読者のお悩み相談を受けてきてくれたユーミンこと松任谷由実さんが、女性たちの“コロナ禍を経た中での不安”にお答えします!時にズバッと否定し、時に優しく手を差し伸べるユーミン。自然と背中を押す言葉が、あなたの心に届きますように。お悩み「会社の人間関係」コロナ禍で社会人になり、最初からほぼリモートで、会社の先輩や上司、仕事関係の人とうまくコミュニケーションがとれていない気がします。顔も覚えてもらえてないと思い、社会人人生辛いスタートです。関係性を強めたいけれど、やり方がわかりません。ユーミン「人を笑顔にする、明るい目立ち方を考えてみては?」自宅勤務で会議はzoom。たまに出社してもマスク越しの会話。なかなか顔や名前を覚えてもらえないと、コミュニケーションに不安を感じるでしょうね。でもそれは誰もが同じこと。実はコミュニケーションツールって探せばいろいろあるんです。女の子ならファッションがそう。会社に行く時、必ずどこかにピンクのアイテムを入れ「阿佐ヶ谷姉妹みたいだね」って覚えてもらうとか、人を笑顔にする方法で目立ってみてください。明るいキャラクターでいれば他人も話しかけやすくなり、そこからきっと会話が生まれるはず。お悩み「友人との距離感」友人関係に悩んでいます。コロナへの考え方は人それぞれのため、緩和された今もどこまで誘っていいかわからず、積極的に声をかけていません。この数年で集まらなくなったコミュニティもあり、会わない間に関係が崩れていないか、心配です。ユーミン「ネガティブにならず、広く浅く声をかけ、オープンマインドで」人に声をかけることを重たく一点集中的に考えず、広く浅く声をかけてみては?ごはんに誘うのを躊躇するのなら「元気?しばらく会ってないね」と連絡すれば、相手が「ごはんに行こうよ」と誘ってくるかも。そもそも会わない間に関係が崩れるかもと考えること自体、ネガティブ思考。規則正しい生活で体調を整え、自分自身がオープンマインドでいると、自然と気持ちも前向きに。私も仕事に穴をあけないよう、自己管理を頑張っています。子供の頃夏休みに作った生活円グラフを作り、まずは心と体の健康を保ちましょう。お悩み「出会いがない」いわゆる結婚適齢期の年齢を過ぎそうなのですが、以前より出かける機会が減り、出会いが全くありません。元々人見知りなので、マッチングアプリなども躊躇してしまい…この先家族が持てるのか、不安で仕方ありません。ユーミン「同調圧力に負けず、心の手順を踏んでの出会いを待つべき」そもそも結婚適齢期という考え方が、ちょっとクラシックではないかしら。会社や家族の同調圧力に負けず、周りにいる自分を楽しんでいる女友達や職場の仲間との輪を大切にし、そういう人たちの姿こそを“ふつう”だと思ってはいかがでしょう。聞いたところによると、50代の男性の60%はひとり暮らしらしいですよ。つまり可能性はこの先もずっとある、ということ。マッチングアプリであっても普通の出会いであっても、やはり心の手順を踏んでから恋愛して、結婚しないと、幸せにはなれない気がします。お悩み「海外生活の不安」夫の転勤でアメリカで暮らす可能性があります。アジアンヘイトの関係で日本に帰国した友人家族の話を聞いて、とても恐ろしくなりました。夫と別々に暮らすのはイヤですが、恐怖と隣り合わせの生活はもっとイヤです。ユーミン「厳しい生活であるけれど、新しい世界も広がるはず」グローバル化が進む社会の中、悲しい風潮が生まれてしまいましたね。海外在住の友人も、長い髪をひとつに結んでいると狙われやすいと、髪を短くして大きなメガネをかけるようになったそう。でも人生のひとつの局面。環境が変わるせっかくのチャンスだけに、行ってみるという手もある気がします。言葉の問題で孤独になるかもしれない。アジアンヘイトも怖い。だけどその半面、ご自身に新しい世界が開ける可能性もあります。多少緊張する生活の中で、夫婦関係がよりタイトになる可能性も。ご夫婦でぜひ話し合ってみて。お悩み「無気力になってしまう」会社の経営が傾き、職を失ってしまいました。会社に残れた同僚もいますが、先に肩たたきをされてしまった身として、「私には価値がない」と思ってしまい、再就職に意欲が持てません。ユーミン「小さなご褒美を見つけ、外に出てみましょう」こんな時代とはいえ、落ち度なく職を失うのは辛いことですね。でも気力は持ち続けて!千里の道も一歩から。自分に負荷をかけないと、人間はずぶずぶ沈んでしまうから、まずは一歩を踏み出しましょう。私も時折、朝起きるのさえイヤ!と思う日があります。でもそういう時は、角のケーキ屋さんに行こうとか、コンビニで大好きなアイスを買うぞとか、小さな喜びを作って動く。外に出ることで季節の移り変わりを感じ、小さなことに気づくと、自分を俯瞰できるようになり、前に進もうとする気力が出ると思います。お悩み「恋人との関係性」結婚を前提に同棲している彼がいます。お互いリモートワークには慣れましたが、家事の分担などで喧嘩が増えました。一緒にいる時間が長いことでときめきも減り、別々に暮らしていればよかったかな、と考える日々。このまま結婚できるのか、モヤモヤしています。ユーミン「ズバリ、言います。結婚はできないと思う」残念だけど、その彼とは結婚できないと思います。我慢して一緒にいることで違う局面が出てくる人もいますが、その前に別れてしまう人もいる。私は男性ではありませんが、女性も男性も、やはり結婚は新鮮な気持ちでしたいと思うんです。お互いのせいとはいえ、ときめきが消えた相手とは結婚できないのでは?いま一度、なぜ自分が結婚したいのかを考えて。結婚するのは簡単だけど、離婚するのはその50倍ぐらい大変だから。まだ結婚していないんだから、他の人という選択肢もあってもいいのではないかと思います。お悩み「自信が持てない」周りと比べては、どこか自分が頑張れていないのでは?という気持ちが湧くことがあります。学歴や資格がないからなのかもしれません。仕事、家事、趣味や友人との時間も確保、と一日を何かで埋めているものの、「あの子のほうが輝いている」と、自分には何か足りない気持ちになります。理想が高すぎるのか、うまく処理できません。ユーミン「好きなことに集中し、見える世界を変えてみる」“空白恐怖症”という言葉があるようです。スケジュールの余白があると不安になり、果ては人と比べ、自分はダメな人間だと思うようになってしまうとか。まずは読書をお勧めします。私は何かに集中する時間が人を育てると信じていて。もちろん集中する何かは読書に限らず、好きなものでいい。学生時代、どの科目が面白かったのか思い出してみて。そういうところから忘れていた“没頭できること”が見つかるかも。何かを見たい、調べたいと思うと、体もそこに運べる。まずは目に見える世界を変えてみることではないかな。まつとうや・ゆみ東京都出身。1972年、荒井由実としてシングル『返事はいらない』でデビュー。以来39枚のオリジナルアルバムをリリース。今年でデビュー50周年を迎えた。ドレス¥217,800ピアス¥53,900(共にパトゥ/イザ TEL:0120・135・015)ファンと共にデビュー50周年を祝うベストアルバムが10月4日に発売!『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』EMI Records/UNIVERSAL MUSIC時にさまざまな伝説を残し、さまざまな社会現象を巻き起こしながら、50年もステージに立って歌い、創作活動を続ける我らがユーミン。今作は3枚組で「中央フリーウェイ」「ルージュの伝言」「恋人がサンタクロース」「春よ、来い」など収録。51曲全てにおいて音源のアップデートが行われ、繰り返し聴いていた曲たちが一聴してフレッシュに響いて何とも嬉しい気持ちに。こうしてまたユーミンの名曲たちは時代を超えて愛され続け、これからの未来に寄り添ってくれるだろう。※『anan』2022年10月5日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・木津明子ヘア&メイク・遠山直樹(Iris)インタビュー、文・今井 恵(by anan編集部)
2022年10月03日これまでアニメ映画『魔女の宅急便』のオープニングテーマ「ルージュの伝言」(1975年)や、同タイトルのNHK連続テレビ小説の主題歌「春よ、来い」(1994年)、JR東日本のCMソング「BLIZZARD」(1984年)など数々のタイアップ曲を手がけ、日本のカルチャーにおいても社会現象を巻き起こしてきた、ユーミンこと松任谷由実さん。ここでは“ユーミンと、カルチャー”をテーマに語ってもらいます。――その時代を彩る音楽を、さまざまなカルチャーと融合しながら発信してこられたと思います。「これはトレンドを先読みしたな」と思う出来事というのは一番に何が思い浮かびますか。やった本人はその時はわかってないんですよ。後になって“あの時は早かったんだな”と思うことは度々ありました。よく言われるのが、スキーに行くのを流行らせたとか、恋人同士でクリスマスを過ごすスタイルを流行らせたとかね。まるで私が戦犯のように言われたものですよ(笑)。――すごい影響力だったと思います。その時どきで、面白い人物に会えていたことは大きいかもしれないです。映画『ねらわれた学園』や『Wの悲劇』などで主題歌を書かせてもらった角川プロデューサーの角川春樹さんとかね。それは私の好奇心なのか、引き寄せる力があるのか。’80年に苗場スキー場でライブを始めたのをきっかけに、西武鉄道グループの堤義明さんと知り合って、40年以上、恒例ライブ「SURF&SNOW in Naeba」をさせてもらっているのもそう。そこで音楽は商業的に成功するという実績を残せたからこそ、それが後の「FUJI ROCK FESTIVAL」の開催にも繋がったんだと思います。そういう無形のレガシーを色んなところで残せてきたんじゃないかな。――特に’80年代後半は寝る時間もないくらいの忙しさだったそうですが。そうね、毎日3時間くらいしか寝れなかった。でもその時は既に3回目のブームだったの。荒井由実の時代に1回、そして「守ってあげたい」(1981年)の再ブレイクからずっと続いているように思われていたけど、忙しくても初めてじゃなかったから乗り越えられたのかも。’90年代にアルバムの売り上げが200万枚を超えることもあったりで、そうした数字的な重圧もあったんだけど。でも私自身はブームは必ず終わるとわかっていたから、どこか冷静なところもあって。だからクラッシュしなかったんだと思います。今も新しいことにチャレンジしたい。――では現代のネットカルチャーやサブスクなどの配信サービス、音楽制作の進化に関してはどう感じてらっしゃいますか。時代の変化に即した音楽制作も若干は取り入れていると思います。もちろん新しいことを取り入れなくても良いものは作れるんだけど、新しいことにチャレンジしたいし、チャレンジしたからにはモノにしたいっていう気持ちがあるんです。自分は実際に今も音楽リスナーでもあるので、邦楽も含めて色んな音楽を聴いてますから、後輩にもたくさん影響を受けたいですね。サカナクションを初めて街で聴いた時は衝撃を受けたし。最近は今一番会いたかったVaundyくんにラジオに来てもらって話したりもしたしね。ただ、時代や手法が変わっても、結局“切なポイント”みたいなものは変わらないと思うんですよ。音楽の中にそういうものがちゃんとある人がブレイクしていると思う。――なるほど。ご自身はデビュー前、歌に苦手意識があり作曲家志望だったそうですが。今だったら自分で歌わずにボカロPになってたかもしれないと思うと、ユーミンの歌が聴けてよかったなと思います。いいこと言うわね(笑)。私は本当に不器用だし、怪我の功名でユニークな曲を作ってきたんですね。何でもできちゃったら、あえて苦労はなかったかもしれない。歌も乗り越えたというより、周りに乗り越えさせられた感じだったけど(笑)。それでここまで50年、やってきたんです。――ちなみに音楽以外のエンタメで最近気になっていることは?お笑いもよく見るんですけど、最近はZAZYが売れたことが嬉しかったですね。6~7年くらい前から私のツボで、神保町よしもと漫才劇場まで観に行ったりしてました。好奇心が強くて、自分が“いいな”と思ったものは世の中もそういう流れになるっていう感覚はあります。過去の自分が今の自分を支えてくれる。――ベスト盤の特典映像では、AIによるデビュー当時の荒井由実さんと今の松任谷由実さんの対談も収録されているそうで。それも新しいことへの挑戦ですね。はい。これも、日本では初めての試みだと思いますし、世界的にもやっているアーティストは少ないと思いますが、これから増えていくんじゃないでしょうか。私自身、映像を見てとても不思議な気分でしたね。若い頃の自分を思い出すというより、あらためて考えさせられたことが多かった。だって「50年後に生きてるなんて考えられないよ」って荒井由実が言うと、「私だって思ってなかったよ」って今の私が返すんです。自分でも思ってもみなかったところに今いるんだなと、感慨深かったです。――ラジオで「でも50年前の私に、続けていたらこんなことがあるんだよって教えたくは、ないかな。だって荒井由実には無限の選択肢があったから」とおっしゃっていたのが印象深かったです。こんなにもひとつの道で成功されている方が、選ばなかった別の人生を想うこともあるのかなと。そうですね。それを考えたくないし、50年前に戻りたくないけど、それはそれできっと面白いかなと思うんですよね。人に名前を知られずに生きていこうとも。自分の子供を良い学校に入れて喜んでいる瞬間もあったかもしれないし、運動会でビデオを回して幸せを感じていたかもしれない。人と比べられないのと同じように、過去の自分とも比べられない。でも今になってみると、本当に過去の自分が今の自分を支えてくれるんですね。だから今の私が、この先、何年生きるかわからないけど、未来の自分を支えるんだと思う。――それは喜びも苦しみも全部含めてってことですか。そうです。大人になってから、高校生の頃に読んだ本や観た絵を振り返ってみたことがあったんですけど。すごく新鮮に感じたんです。その時に、過去は止まっているものじゃなくて、引き出しの中で育ってるものだったりするんだと思った。それさえ開けられれば、新しい自分を知ることもできるんです。過ごしてきた日々は、もう終わったことじゃない。だから私の音楽をこれまでに聴いてくださった方たちも、また新しい引き出しを開けるような気持ちで、ベスト盤を聴いてくれたら嬉しいなと思います。まつとうや・ゆみ東京都出身。1972年、荒井由実としてシングル『返事はいらない』でデビュー。以来39枚のオリジナルアルバムをリリース。今年でデビュー50周年を迎えた。ジャケット¥847,000スカート¥396,000※参考価格イヤリング¥121,000※参考価格左手につけたブレスレット、手首側から¥225,500¥209,000※共に参考価格¥264,000右手につけたブレスレット、手首側から¥247,500¥247,500¥176,000※以上参考価格サンダル¥187,000(すべてサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン クライアントサービス TEL:0120・95・2746)インナーはスタイリスト私物ファンと共にデビュー50周年を祝うベストアルバムが10月4日に発売!『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』EMI Records/UNIVERSAL MUSIC時にさまざまな伝説を残し、さまざまな社会現象を巻き起こしながら、50年もステージに立って歌い、創作活動を続ける我らがユーミン。今作は3枚組で「中央フリーウェイ」「ルージュの伝言」「恋人がサンタクロース」「春よ、来い」など収録。51曲全てにおいて音源のアップデートが行われ、繰り返し聴いていた曲たちが一聴してフレッシュに響いて何とも嬉しい気持ちに。こうしてまたユーミンの名曲たちは時代を超えて愛され続け、これからの未来に寄り添ってくれるだろう。※『anan』2022年10月5日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・木津明子ヘア&メイク・遠山直樹(Iris)インタビュー、文・上野三樹(by anan編集部)
2022年10月03日「春よ、来い」や「真夏の夜の夢」「恋人がサンタクロース」など、四季折々の情景描写や、美しく独特な比喩表現を用いた歌詞が特徴的なユーミンこと松任谷由実さんの楽曲たち。その研ぎ澄まされた言葉のセンスはどこから生まれているのか。ここでは“ユーミンと、言葉”をテーマに語っていただきます。――例えば今のJ‐POPの歌詞には“あなたの優しさに包まれて”なんて表現を用いている楽曲が多々ありますが。これは、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」(1974年)以降に広まっていった歌詞表現だと思います。そういう発明をたくさんされてきましたよね。それを言ったらね、発明だらけですよ(笑)。確かに私自身も他の方が作った色んな曲を聴いていて、思うことです。歌詞のレトリックも、コード進行も、新しいワードを日本のポップスに持ち込んでいくようなこともたくさんしてきましたから。――「やさしさに包まれたなら」の歌詞を書いた時のことは覚えてらっしゃいますか。その曲は当時、不二家の「ソフトエクレア」という商品のCMソングとして制作を依頼されたものでした。クリームが中に入っていて、キャラメルに包まれていたんです。それを食べたりしながら曲を作っていたら「やさしさに包まれたなら」ができたんです。ただ、その時は発明だなんて思ってないですよ、どの曲もね。「海を見ていた午後」を出したら〈『ソーダ水の中を貨物船が通る』なんて表現をした人は初めてですね〉、とか「中央フリーウェイ」を出したら〈高速道路が滑走路に見えるんですね〉とか言ってもらいましたけど。「ANNIVERSARY~無限にCALLING YOU~」(1989年)を出した当時だって、アニバーサリーが記念日って意味だってことを知っている日本人も少なかったですし。『PEARL PIERCE』(1982年)というアルバムを出した頃は、まだみんなピアスなんて開けてなくて〈ピアスって何ですか〉ってすごく聞かれました。――歌詞に取り入れたことがトレンドになっていくということも含め、その影響力は大きかったですよね。私がデビューした頃は、作曲家が歌手に曲を書いて歌うことが主流だったから、シンガーソングライターになるということ自体もそうです。私自身はあまり気が進まないまま自分で歌うようになったけど、それで成功することで、多くの女の子たちが“私もシンガーソングライターになれるかも”と思うようになったと感じました。ラジオ番組によってキャラも言葉も違う。――歌詞以外に、ラジオでお話しされる時の言葉選びのこだわりや気をつけてらっしゃることはありますか。今は3つのラジオ番組を持っているんですけど。AM(『松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD』)とFM(『松任谷由実のYuming Chord』)と、“うそラジオ”と呼んでいるPodcastね。意識しているわけじゃないんですけど、自然とキャラクターがそれぞれに違います。TOKYO FMの『Yuming Chord』はお昼の時間帯ということもあって、20代の女性が多く聴いてくださっているみたいで、新しいカルチャーを届けられたらと思ってやっています。オールナイトニッポンは月に1回、ゲストも毎回呼んで、リスナーともコミュニケーションをとりながら賑やかにやっています。“うそラジオ”は『松任谷由実 はじめました』という番組なんだけど、ここではマニアックな私を届けられていると思います。人が興味を持たないようなことに食い下がる私とか(笑)、くだらないことに狂喜乱舞する私とか、美容院でシャンプーをしてもらいながら喋ったりも、しているんですよ。ツアー先の移動中とかね。だから、素に一番近いかな。人って色んな面があると思うけど、私もラジオ番組によってキャラが違っていて、それぞれに言葉のチョイスも違うんです。FMではちょっと、気取ってるかもしれない(笑)。――オールナイトニッポンでは自転車に乗ってスーパーに行かれる話をされたりもする。でも、その親しみやすさや日常感が、ユーミンの歌詞の世界観には一切入ってこないところにプロフェッショナルを感じます。私も霞を食べて生きているわけじゃないですからね(笑)。自分と夫の健康のために、自分で料理をすることも大事ですし、生活の中で人任せにできないことがやっぱりあります。そういうひとりの生活者としての目線の中に、たまたま歌詞のアイデアが浮かぶ場合もあるけれど。でも歌詞を書くために象耳になってファミレスに何時間もいたりはしませんよ(笑)、そんな美味しい話は転がってませんから。だけど、日常で何か他のことをしている時に脳の固まっていたところが急にほぐれるのか、ふと言葉が浮かんでくる時ってあるんです。例えば祖師ヶ谷大蔵の商店街を彷徨っていた時に「宇宙図書館」の歌詞が浮かんだり。近所の神社に何となく立ち寄った時に石段の途中の木漏れ日がプリズムのように見えて、〈今朝の光は無限に届く気がする〉という「ANNIVERSARY」のフレーズが浮かんだり。そういうことがよくあります。余白が生み出せるのが日本語の良さなんです。――日常の中で歌詞が生まれても独自の言葉のチョイスで世界観が完成されていくものなんですね。私はずっと洋楽を聴いて育ってきたものだから、リズムのない言語である日本語とずっと格闘してきています。でも、リズムに乗っかるように色んな工夫をしてきました。例えば、〈まるで僕らはエイリアンズ〉ってキリンジの曲ですけど、あの曲は〈まるで〉という日本語の3文字がすごく効いているんですね。そこが英語だったら、全然あの世界が出ないわけ。俳句のように余白を生み出せるところも日本語の良さなんですね。日本語って歌にするには大変だし、他の言語のほうが楽だろうなって思うこともあるんですけど。日本語じゃないと表現できないこともあって、本当に素晴らしいなと感じます。コロナ禍で時間がある時は方丈記などの古典も読みました。――言葉への興味が尽きないんですね。英語を取り入れたり、外来語も取り入れたりしながら、やっぱり日本人の感性ですべて日本語で作りたいなと思ったタイミングもありました。それが1976年の結婚を経て出したアルバム『紅雀』で。まあ、ちょっと渋い実験だったので、商業的な結果は出せなかったんですけど。でも、好きだと言ってくれる人は多い作品です。――では、これまでの人生で周囲の方に言われた思い出深い言葉というのは何かありますか。1999年に「YUMING SPECTACLE SHANGRILA 1999」というコンサートツアーをやった時に、母親が観に来てくれて。ロシアのサーカス団とコラボレーションしたステージだったんですけど、それが美しかったと感動してくれました。「お前は、平仮名の“いろけ”があるね」って言ってくれたんです。それはポップな褒め言葉だなと思って、覚えています。――お母様も独自の言葉の感性をお持ちなんでしょうね。その影響はあると思います。母はもともと、私がステージで歌うなんて反対していた人なんですけど。でもデビューしてからは家が呉服屋なものですから、京都公演の度に仕入れがてら、よくコンサートを観に来てくれていました。結婚前に夫と一緒にツアーをまわっていた時にも、京都公演に両親が来てくれたことがありました。なので、東京よりも京都での思い出と、その時に褒めてくれた言葉が印象に残っていますね。まつとうや・ゆみ東京都出身。1972年、荒井由実としてシングル『返事はいらない』でデビュー。以来39枚のオリジナルアルバムをリリース。今年でデビュー50周年を迎えた。ジャケット¥489,500スカート¥181,500中に着たニット 参考商品ピアス¥66,000シューズ¥143,000(以上フェンディ/フェンディ ジャパン TEL:03・3514・6187)ファンと共にデビュー50周年を祝うベストアルバムが10月4日に発売!『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』EMI Records/UNIVERSAL MUSIC時にさまざまな伝説を残し、さまざまな社会現象を巻き起こしながら、50年もステージに立って歌い、創作活動を続ける我らがユーミン。今作は3枚組で「中央フリーウェイ」「ルージュの伝言」「恋人がサンタクロース」「春よ、来い」など収録。51曲全てにおいて音源のアップデートが行われ、繰り返し聴いていた曲たちが一聴してフレッシュに響いて何とも嬉しい気持ちに。こうしてまたユーミンの名曲たちは時代を超えて愛され続け、これからの未来に寄り添ってくれるだろう。※『anan』2022年10月5日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・木津明子ヘア&メイク・遠山直樹(Iris)インタビュー、文・上野三樹(by anan編集部)
2022年10月02日1972年のデビューから現在まで、日本の音楽シーンを牽引しながら数々のヒット曲を生み出してきた、ユーミンこと松任谷由実さん。記録的なヒットや、世界でも類を見ない豪華な演出のコンサートなど、エンタメ界に伝説を残してきました。その歩みを振り返ってもらいながら、ここでは“ユーミンと、音楽”をテーマにお話を伺います。――デビュー50周年を迎えられた今、この道のりをどのように振り返られますか。そうですね、色んなことがありすぎて、50周年を迎えた今になって振り返ってみると、そのデコボコも平らに見える気がします(笑)。精神的にも肉体的にも、それは色んな時期がありましたから。――今回リリースされるベストアルバム『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』は全国のラジオ局と共に作られたということですが、どんな制作でしたか。このベストアルバムは、民放ラジオ99局で今年5月下旬の2週間を「ユーミンリクエストWEEK」として、リスナーからリクエストと、その曲にまつわるエピソードを募集した中から厳選して作ったんです。これまで生み出してきた曲たちが、リスナーの方たちの人生にリアルに寄り添ってくれていたんだなと、しみじみ思いました。――曲にまつわるファンの方のエピソードもたくさん読まれたと思いますが、いかがでしたか。エピソードを書いて送ってくださるって、すごくエネルギーがいることだと思うんです。そこには、私の曲を聴きながら過ごしてきた、楽しかったことも辛かったことも書かれていたんですが、どれも素晴らしい思い出になっているんだなと感じて。私自身は曲を作る時に、聴いてくださる方にどう届くかなんて考えず、無心で一曲一曲を作ってきたんですけど。それでも、そこに込めたスピリットみたいなものは、ちゃんと届いてた。音楽をやってきて本当に良かったなと思いましたし、私にとっても最高の形でお祝いしてもらったなと思える、そんなベストアルバムになりました。荒井由実と松任谷由実でデュエットしました。――ベスト盤に収録されている新曲「Call me back」は1980年に制作されたオリジナルトラックを元に完成されたということですが、どのような経緯だったんですか。スタッフが未発表トラックをたまたま見つけて、新たに歌詞をつけました。厳密に言うと、このトラックは当時、録音より少し後に呉田軽穂の名義で白石まるみさんに「恋人がいても」というタイトルと別アレンジで楽曲提供したものだったんですけど。オリジナルアレンジのトラックが手付かずのまま出てきたので、今回、新曲として完成させました。――ちなみに、過去に制作された未発表トラックというのは、まだ他にもあるんでしょうか。もうこれだけです(笑)。――貴重なものですね。音質はもちろんアップデートしていますし、少し音を加えたりはしていますが、基本は’80年代サウンドそのままです。そして「Call me back」は、AIによって再現された(さらに遡った)’70年代の荒井由実と今の私がボーカルでデュエットしているんです。50年の時を超えるというテーマで作った一曲になっています。――すごいことですよね。当時は歌詞がついていなかったということは当然、ボーカルは録音していなかったわけですよね。そうなんです、でもラララで声だけは入ってたので、それを元に。アルバム『SURF&SNOW』の制作の時期に録っていたものだと思うんですが、おそらく、もう他の10曲で世界観が出来上がっていたからか、結局入れなかったのかもしれませんね。荒井由実と松任谷由実のデュエットなんて、結婚してアーティスト名を変えてなかったらできなかった企画だし、さまざまな運命を感じます。整理整頓しないと次に進めないから。――リクエストで選ばれた50曲が収録されたベスト盤、完成してどんな想いがありますか。1曲目がいきなり「真夏の夜の夢」っていうのもいいですよね(笑)。今回のリクエストではシングル『潮風にちぎれて』のB面に収録されていた「消灯飛行」が入っていたり、「5cmの向う岸」が入ったのが意外でしたね。特に「消灯飛行」は今回、CD初収録になるのでレアなんじゃないかな。私たちの世代のミュージシャンだと、ベストアルバムを作ることを良しとしない風潮もあるんだけど、やって良かったなと思いますよ。ある時から、アーカイブが増えると整理整頓しないと次に進めないと思ったから。特に音質もアップデートしていかないと、古く聞こえてしまいますしね。私はそこに、すごくエネルギーを注いできたんです。「ユーミンの曲って色褪せないよね」って言っていただくことも多いですけど、やっぱり努力があってこそだと思います。――夫であり、プロデューサーでもある松任谷正隆さんとの二人三脚での50周年でもあるといえると思いますが、そういう意味では、振り返っていかがですか。それもね、冒頭にも話したんですが、やはり色んなことがありすぎて、この地平から振り返ると平らです(笑)。二人とも、東京の生まれで同じような環境の中にいましたし、叩き上げの人生じゃないから、そこがユニークだと思います。身を粉にしてここまでやってきた、そういう人同士だったら一緒にやってないと思うんですよ。だけどやっぱり、ひとりのミュージシャンとして時にお互いに刺激をし合いながら音楽を作ってきました。――表舞台に立つユーミンと、プロデュースする正隆さん。その役割分担もうまくいっているように見えます。結果的にうまくいかせていたんだけど、そこがお互いに大変だったんですよ。でも長い年月をかけて、そのシステムが整ったようなところはあると思いますね。まつとうや・ゆみ東京都出身。1972年、荒井由実としてシングル『返事はいらない』でデビュー。以来39枚のオリジナルアルバムをリリース。今年でデビュー50周年を迎えた。ドレス¥511,500タイツ¥22,000(共にヴァレンティノ)イヤリング¥295,900グローブ¥91,300パンプス¥159,500(以上ヴァレンティノ ガラヴァーニ) すべてヴァレンティノ インフォメーションデスクTEL:03・6384・3512ファンと共にデビュー50周年を祝うベストアルバムが10月4日に発売!『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』EMI Records/UNIVERSAL MUSIC時にさまざまな伝説を残し、さまざまな社会現象を巻き起こしながら、50年もステージに立って歌い、創作活動を続ける我らがユーミン。今作は3枚組で「中央フリーウェイ」「ルージュの伝言」「恋人がサンタクロース」「春よ、来い」など収録。51曲全てにおいて音源のアップデートが行われ、繰り返し聴いていた曲たちが一聴してフレッシュに響いて何とも嬉しい気持ちに。こうしてまたユーミンの名曲たちは時代を超えて愛され続け、これからの未来に寄り添ってくれるだろう。※『anan』2022年10月5日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・木津明子ヘア&メイク・遠山直樹(Iris)インタビュー、文・上野三樹(by anan編集部)
2022年10月02日JUJUが3月16日にリリースするカバーアルバム『ユーミンをめぐる物語』のジャケット写真及び全収録曲順が発表された。今作は、「ユーミンは“人生の教科書”」と語るJUJUが最も影響を受けた松任谷由実の楽曲をカバーした作品。ユーミンがJUJUをイメージして書き下ろした新曲「鍵穴」など全13曲を収録し、松任谷正隆・由実がWプロデュースする。2月16日には「卒業写真」の先行配信が決定している。またJUJUは、松任谷正隆が演出を手がける全国ホールツアー『JUJU HALL TOUR 2022 不思議の国のジュジュ苑 -ユーミンをめぐる物語-』を5月より開催する。<リリース情報>JUJU Cover Album『ユーミンをめぐる物語』2022年3月16日(水) リリースProduced by 松任谷正隆・松任谷由実予約購入リンク:●初回生産限定盤【CD+DVD】4,950円(税込)※スペシャルパッケージ仕様(デジパック)+特典DVD付※封入特典:ホールツアーチケット先行抽選申込チラシ●通常盤【CD Only】3,520円(税込)※封入特典:ホールツアーチケット先行抽選申込チラシ(初回仕様)『ユーミンをめぐる物語』ジャケット ※画像は初回生産限定盤【CD収録内容 / 曲順】01. A HAPPY NEW YEAR02. 守ってあげたい03. ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ04. 卒業写真05. 真珠のピアス06. 影になって07. 街角のペシミスト08. 鍵穴09. TYPHOON10. リフレインが叫んでる11. DESTINY12. 雨の街を13. ひこうき雲※初回限定盤のみ:A HAPPY NEW YEAR(Intimate ver.)追加収録【DVD収録】※初回生産限定盤のみ■Documentary of『ユーミンをめぐる物語』■ジュジュ苑ライブ映像全5曲・ANNIVERSARY(JUJU SUPER LIVE 2014 –ジュジュ苑10th Anniversary Special-at SAITAMA SUPER ARENA)・DOWNTOWNBOY(JUJU ARENA TOUR 2015 -ジュジュ苑10th Anniversary Special-at 国立代々木競技場第一体育館)・まちぶせ(-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU at 国立代々木競技場第一体育館)・あの日にかえりたい(-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU at 国立代々木競技場第一体育館)・真夏の夜の夢(-ジュジュ苑スペシャル-スナックJUJU アリーナツアー2017 特別アンコール出店at 横浜アリーナ)<ライブ情報>『JUJU HALL TOUR 2022 不思議の国のジュジュ苑 -ユーミンをめぐる物語-』演出:松任谷正隆【日程】5月19日(木) 千葉県 松戸森のホール215月24日(火) 神奈川県 神奈川県民ホール5月27日(金) 大阪府 フェスティバルホール5月28日(土) 大阪府 フェスティバルホール6月1日(水) 福岡県 福岡サンパレス6月2日(水) 福岡県 福岡サンパレス6月7日(火) 栃木県 宇都宮市文化会館6月10日(金) 埼玉県 サンシティ越谷市民ホール6月14日(火) 東京都 中野サンプラザホール6月15日(水) 東京都 中野サンプラザホール6月18日(土) 新潟県 新潟県民会館6月23日(木) 広島県 広島文化学園HBGホール6月24日(金) 岡山県 倉敷市民会館7月3日(日) 群馬県 高崎芸術劇場 大劇場7月8日(金) 東京都 東京国際フォーラム ホールA7月9日(土) 東京都 東京国際フォーラム ホールA7月17日(日) 北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru7月18日(祝・月) 北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru7月23日(土) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール7月24日(日) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール7月29日(金) 熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)7月31日(日) 長崎県 長崎ブリックホール8月5日(金) 静岡県 静岡市民文化会館 大ホール8月7日(日) 山梨県 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)8月11日(祝・木) 神奈川県 よこすか芸術劇場8月13日(土) 石川県 本多の森ホール8月14日(日) 富山県 富山オーバードホール8月18日(木) 岩手県 岩手県民会館 大ホール8月20日(土) 宮城県 仙台サンプラザホール8月21日(日) 宮城県 仙台サンプラザホール8月25日(木) 兵庫県 神戸国際会館こくさいホール8月27日(土) 大阪府 フェスティバルホール8月28日(日) 大阪府 フェスティバルホール9月1日(木) 京都府 ロームシアター京都 メインホール9月2日(金) 兵庫県 アクリエひめじ9月4日(日) 長野県 ホクト文化ホール9月9日(金) 大分県 大分iichikoグランシアタ9月10日(土) 鹿児島県 川商ホール(鹿児島市民文化ホール)9月15日(木) 香川県 レクザムホール・大ホール(香川県県民ホール)9月17日(土) 愛媛県 松山市民会館9月20日(火) 山形県やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)9月21日(水) けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)大ホール9月27日(火) 秋田県 あきた芸術劇場ミルハス関連リンクJUJU オフィシャルサイト: Twitter: Facebook: Instagram:
2022年02月02日土岐麻子さんのカバーアルバム『HOME TOWN ~Cover Songs~』が素晴らしい。時代も性別もジャンルも超えた全11曲(ボーナストラック含む)を、歌声とアレンジが彩り、目の前に鮮やかな風景を広げてくれるのだ。「今回、もっといろんなジャンルの楽曲を、私の声と出合わせてみたいと(スタッフから)言われたんです。それで、みんなで選曲しました。そんな中で、私なりに“ホームタウン”というテーマが見えてきたんですね。これまでは街のことを歌ってきたんですが、2020年は家にずっといて、自分の近くにあるものや内面に意識が向かうようになったので、そこに寄り添ってくれるような、温かい楽曲を選びたいと思ったんです」シティポップ=街のイメージがある土岐さんにとっては、奇しくもターニングポイントとなった2020年。とはいえ、このテーマと歌声は、驚くほどにマッチしている。「年々静かな声になっているんですよね。だから内向きな声だと思うんです。今回のテーマでも、大きなキーワードになっていると思います」歌声によって楽曲の印象が変わる、ということを、今作の中で特に象徴しているのが、荒井由実さんが原曲の「CHINESE SOUP」。「この曲、いろんな方が歌っていて。スープを作りながら物語が進んでいく曲ですけど、同じスープでも味が違うように聞こえますよね。吉田美奈子さんが歌うとスパイシーで、ユーミンが歌うとごま油の香りがして卵でとじてあるような感じ。渡辺真知子さんのバージョンは薬膳みたいな、出汁が効いている感じがする」今作には「Rendez-vous in ’58」のセルフカバーも収録されている。デュエットとして生まれ変わっており、お相手はなんとバカリズムさん!その背景には、様々な想いが重なり合っている。「2013年に作ったんですが、雨が降って休みの計画は崩れたけれど、家でも音楽と会話でいろんな時代と場所に旅ができるっていう、ささやかで大きな幸せを歌っていて。これは今こそ大切な歌だと思って、仲のいい二人の歌だから、セルフカバーでデュエットしようと。相手はバカリズムさんしか浮かばなかったんです。これはEPOさんの作曲なんですが、私は小学校1年生の時、『オレたちひょうきん族』を見て、コントでハチャメチャになっても、EPOさんのエンディングテーマ『DOWN TOWN』でおしゃれに締め括られる感じが新鮮で。そして、同学年の升野さん(バカリズム)も同番組の影響を受け、音楽とお笑いを切り離して考えられないって言っていて。あの頃のような音楽のときめきを共有できる升野さんと歌えてよかったです」まさに日々にときめきを与えてくれる、音楽の栄養が詰まった一枚だ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」をはじめ、くるりの「Jubilee」、桑田佳祐の「白い恋人達」など、ボーナストラックを含む全11曲収録。『HOME TOWN ~Cover Songs~』¥3,000(A.S.A.B)とき・あさこCymbalsの元リードボーカル。シンガーとしてはもちろん、CMソングやラジオパーソナリティを務めるなど声のスペシャリスト。3月6日(土)には日本橋三井ホールにてワンマンライブを開催。※『anan』2021年3月3日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2021年03月02日「百恵さん本人は口数が少なくて、僕ら自身もとても緊張してたといました。これまでいろんなインタビューで聞かれたのですが、実は百恵さんとどんな話したかなとかという記憶もあまりないくらいなんです」当日の様子をこう振り返るのは演出家の宮下康仁さん。宮下さんは山口百恵が80年10月5日に行った引退コンサートで、構成を担当していた人物だ。引退コンサートの様子をおさめた『伝説のコンサート“山口百恵1980・10・5 日本武道館”』(NHK総合)が1月31日に再放送され、8.6%という異例の高視聴率を記録。引退から41年経てもなお、色あせる様子はない。伝説的なエピソードばかりが取り上げられがちな百恵だが、一人の歌手としてもその実力は規格外だったと宮下さんはいう。「百恵さんはやっぱり歌が何よりすばらしい。今、いろんなアーティストさんが『秋桜』や『いい日旅立ち』をカバーしているけど、敵う人はいないと思ってしまいます。そういうことを考えると、本当にすごかったんだなと」引退コンサートでは曲目選びから舞台の構成まで企画段階から関わったという百恵。“演出家”としても百恵の才能は図抜けていたようだ。「衣装に関しては百恵さんが全部自分で決めてきて、僕らスタッフは一切タッチしなかったんです。当時のアイドルは演出家にすべて委ねるのが普通だったのですが、百恵さんは“最後は自分で”ということでいろいろ決めたのでしょう。引退コンサートには百恵さんがすべてのメッセージを込めて作ったのだと思います」やはり引退コンサートで特に印象的なのが、ラストとなった『さよならの向う側』を涙ながらに歌い終えた後、百恵がステージ中央にマイクを置いて去っていったことだろう。一部では、振付師が考案したともいわれている伝説の“マイクパフォーマンス”だが、宮下さんは“演出じゃない”と語る。「僕らがこうしろみたいに言った覚えがないんです。だから、僕らスタッフも“まさかステージ上に置いていくとは”という感じで、驚いた記憶があるんですね。よく“演出がそうさせたんですか?”と聞かれるのですが、『そうじゃない』と常に答えています。あれは“百恵さん自身の最後の気持ちだ”と、僕は今も思っていますね」最後に宮下さんは、今も消えることのない百恵への思いをこう口にする。「約50年、この世界にいますが、やっぱり本当に出会えてよかったと思います。百恵さんは年下ですが、本当に尊敬してます。僕が“今までに誰が一番印象に残ったんですか?”と聞かれたときに必ず、『百恵さんとユーミンです』と答えています。僕は2人がいちばん大好きです。本当に一緒に仕事ができて、40年経っても輝いてる百恵さんは自分の誇りです」
2021年02月20日【音楽通信】第68回目に登場するのは、デビュー17年目を超えて、シンガーソングライターとしての活動のほか、小説の執筆や絵本作家、楽曲提供などクリエイターとしてマルチな才能を発揮し続けている、大塚 愛さん!【音楽通信】vol.68ドラマ主題歌をよく聴いていたことが出発点2003年にシングル「桃ノ花ビラ」でメジャーデビューし、同年リリースの2nd シングル「さくらんぼ」が大ヒットを記録した、大塚 愛さん。2019 年には、デビュー15 周年記念のオールタイムベストアルバム『愛 am BEST, too』をリリースしました。2020 年には初めて短編小説を発表するなど、シンガーソングライターとしての活動のほか、イラストレーター、絵本作家、楽曲提供など、クリエイターとしてマルチな才能を発揮しています。そんな大塚さんが、2021年2月3日にリメイクアルバム『犬塚 愛 One on One Collaboration』、アニバーサリーライブ「LOVE IS BORN ~17th Anniversary 2020~」のライブDVD/Blu-rayとライブCDを同日発売されるということで、お話をうかがいました。ーーまず、大塚さんの音楽的なルーツやデビュー前によく聴いていた曲からお聞かせください。私は基本的にドラマっ子なんです。そこが出発点なので、ドラマの主題歌になった音楽が常に身近にありましたね。初めて観たドラマは、確か『東京ラブストーリー』(フジテレビ系 1991年放送)なので、小田和正さんが歌う主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」が特に印象的です。同じように、山下達郎さん、ユーミンさんなど、ドラマ主題歌になった曲をよく聴いていましたね。ーー幼少時からピアノを習い、15歳からはご自身で作詞作曲を始めていますが、その後、アーティストになろうと決めたきっかけはなんですか。就職活動がきっかけです。ずっと音楽制作は続けていたので、高校を卒業するときに音楽の学校に通うことも考えましたが、音楽だけを学んで将来の可能性を狭めてしまうのもイヤだなと。それよりも子どもと接したり、子どもの興味のあるものを学んだりしたほうがよっぽど世界が広がるのではと思ったことと、さらに音楽や表現についても学べる学校に行くことにして、進学した短大で幼稚園教諭などの資格も取りました。そして就職活動をするときに、やっぱり音楽の道へ進みたいと思ったんです。実際にデビューできたのは、運がよかったとしか思えないですね(笑)。ーー2020年を振り返ると世界的にコロナ禍となり、2021年の現在も日常生活に大きな変化が起こりました。音楽業界では、リリースやライブの延期といった状況もありましたが、大塚さんにとっても、音楽家としての想いの変化はありましたか。コロナ禍になる少し前から、なぜかあまり暗い曲を聴きたい気分じゃなくなっていて、明るく楽しい曲を体が勝手に求めていたんです。その後、コロナ禍になってずっと家にいるという状態になったときに、家の中で楽しく過ごすには、アッパーな楽しい曲たちが気分を変えてくれることに気づきました。たとえば、ちょっとした毎日の同じ動作をひとつするにしても、明るい曲を聴きながらだと、つい踊りながら作業をしてしまう。コロナ禍だからこそ、音楽に触れることによって得られる楽しさの重要性があるということをすごく感じましたね。ーーコロナ禍になる少し前から明るい曲を求めるようになっていたのは、自然と何か察知するものがあったのでしょうか。なんでしょうね? 自分のなかで自然に感じたモードだと思うんです。なぜか「アッパーでいきたい」という、そのときの自分をバックアップしてくれるものが欲しかったんでしょうね。リメイクアルバムとライブ映像作品を同日リリースーー2021年2月3日に、多彩なジャンルの音楽プロデューサーやトラックメーカーの方がアレンジを手がけたリメイクアルバム『犬塚 愛One on One Collaboration』をリリースされます。「金魚花火」や「さくらんぼ」ほか、新たな息吹が吹き込まれたリミックスサウンドとなっていますが、ご自身で聴かれてみていかがでしたか。雰囲気がまったく変わったものから、もともと持っていた曲のテイストを残しつつ、また新たな可能性としてバージョンアップしたものまでありました。聴いていて、とても面白かったですね。ーーバージョンアップして、とくに気になった曲は。「黒毛和牛上塩タン焼680円」ですね。もともとセクシーな曲ですが、オリジナルは音が強い感じだったところ、今回はもうちょっと柔らかいエロスを表現して、実現させてくれたなと。(Rin音、空音などを手がける音楽プロデューサー)maeshima soshiさんが手がけていますが、オリジナルが持つ曲の方向性は変えず、バージョンアップした感じがありました。ーージャケット写真のワンちゃんは大塚さんの愛犬だそうですが、タイトルの意味も教えてください。今回のアルバムは、大塚 愛の楽曲がリメイクされた作品です。すでにある曲に“ひとつ何かが加わったことでの大塚 愛”を表現するために、新しい一手を加えてくださったプロデューサーの方をひとつとして考えて、「大塚 愛」の「大」にひとつ点をうつと「犬」なので「犬塚 愛」に。そして一対一という意味の「One on One」で、『犬塚 愛One on One Collaboration』というタイトルになりました。ーー先にいくつか配信されていた曲もありますが、ファンの方の反応はいかがでしたか。こんなふうに曲が変わるという「ビックリした」という言葉もありましたし、「黒毛(黒毛和牛上塩タン焼680円)」みたいに、曲の雰囲気は変えずにバージョンアップしたものは「なじみやすかった」という反応も。それぞれの曲のリメイク加減に、幅の広さがあったんだと思います。ーーリメイクアルバムのリリースと同じ2月3日に、2020年9月に開催された初オンラインライブ「LOVE IS BORN 〜17th Anniversary 2020〜」をパッケージ化したライブDVDとBlu-ray、ライブCDも発売されますね。初の無観客オンラインライブを行った心境からお聞かせください。無観客ライブは、レコーディングの延長線上のような印象が強かったですね。レコーディングスタジオからの配信でしたし、エンジニアさん含めカメラマンさんも、いつものチームの人間しかいないという環境だったので、緊張せずにリラックスしてライブができました。ーーオンラインライブだと、室内にたくさん置かれたどのカメラを見れば伝わるかといった、戸惑いはありませんでしたか。それがありがたいことに、17年やらせていただいているなかで、多くのテレビ出演の経験をさせていただいています。カメラ慣れではないですが、複数のカメラがあるなかでどのカメラとアイコンタクトをするのか、どう見せていくとよいのか、カメラマンの人たちとのやりとりも経験上にあったので、やりにくさというのはまったく感じませんでした。ーー有観客ライブと違って、無観客ライブで感じたことや、いつも目の前にいらっしゃったファンの方の存在について、あらためて感じたことはありますか。初めてのオンラインライブでは、目の前にお客さんがいないので、いつもいただいていた歓声や掛け声はいかに大事だったかということに、気づかされましたね。昨年末には、最終的には中止となってしまったのですが、出演するはずだった有観客のライブイベントも予定していました。もし実施していたとしても、客席では大きい声は出しちゃいけないというルールもありましたから、「アッパーな曲はどうやってやるんだ?」と、初めて悩むところもありましたし、いつもライブができていた状況がいかにありがたかったか再認識しましたね。ーー状況によっては、またオンラインライブを行う機会も増えるかもしれませんが、今後、配信ライブでやってみたいと思う企画はありますか。CGとの融合でしょうか。もともと映像が見える曲作りや映像も重視しているので、映像と一緒に曲を伝えることが、自分のなかではベストなんです。これまで開催してきたようなステージで見せるライブでは実際にはなかなか作り込めないところもありますが、オンラインではガッツリと映像も作り込めるんじゃないかなと思うので、やってみたいですね。ーー今回のリメイクアルバムや映像作品はどんなふうに観て、聴いてほしいですか。基本的に音楽は、料理するのは聴く人だと思っているので、こちらが言葉で渡すものじゃないのかなと。それぞれの方が聴いて、感じて、心でどう捉えるかだと思うんですよ。こちらがたとえば「楽しい曲です」と言っても、聴く側が「すごく悲しい曲だな」と思ったら、それは悲しい曲になる。だから、みなさんの人生のなかで、ある一部分にすごくフィットして、その人の人生をより立体的にしてくれるのが、音楽の役目だと思っています。みなさんの生活に合わせて、楽しんでいただければいいなと思いますね。ーー2021年2月14日からは、ピアノ弾き語りライブ「AIO PIANO vol.8」を全国3箇所のビルボードで開催されます。有観客ですし、いつもとは違った心境で臨むのではないでしょうか。そうですね。状況を見つつ、一番ベストな判断をするという現状はつらいところではありますが、もし開催できたら、みんな苦しい中での久しぶりの息抜きとして来てくれるんじゃないかなと思っています。王道な曲から、ファンの人たちがマニアックに聴いてくれている曲まで、今回はコンセプチュアルにセットリストを組んでいます。みなさんの現実にある葛藤や窮屈なところから、一気にロマンチックな世界へと精神を解放してあげたいという気持ちで、テーマを考えました。ロマンチックな世界へと、みなさんがつながればいいなと思っています。幸せなものだけ取り入れて楽しく過ごしたいーー音楽活動以外のこともおたずねします。普段、日課としていることや趣味などはありますか。以前から、英会話を習っています。ただ、先生が高齢なもので、コロナ禍になってからは危険だということで、レッスンがなくなってしまったんですよね。とはいえ、週に1度のレッスンだったので、やっぱり毎日英語を話さないと、実はあまり身にならないと感じていて。するとコロナ禍になったので、英会話もオンラインで前進できないかなと思っていたら、DMMさんで毎日レッスンができると聞いたんです。実際に毎日通うとなると大変じゃないですか、子育てもありますし。それがオンライン授業だと、毎日自宅でレッスンを受けることができるというのはすごく大きいということで、DMMさんのところで毎日英会話を習っています。ーーそれはまた海外で活動される準備や曲作りのためでしょうか。けっこう前から、台湾や中国にも行かせていただくことが増えてきてはいたので、そうなったときにもちろんその国の言葉で話せるのがベストではあるのですが、パリにも行ってライブをやったりもしていて、さすがに何か国語も並行して覚えるのは難しいと(笑)。でもせめてMCのときに、もうちょっと会話ができたり、スタッフの方と会話ができたりすることの重要性を感じていました。これからも、もしかしてもっと海外のいろいろな国に行かせていただくことがあるかもしれませんし、そのときのためにも英語ができたほうがいいと思って、レッスンしていますね。ーー大塚さんは女の子を子育て中のママでもありますが、ファンの方やananwebの読者の方のなかには、同じように育児に奮闘する女性もいます。そこで、大塚さんの育児のコツや、家事育児とお仕事の両立で心がけていらっしゃることがあれば、お聞かせください。正直なところ、どんなことでも両立するというのは、難しいことなんだと思っています。できているつもりでもどこかに負担がかかることもありますし、何かしらの助けがないと、ひとりで背負うのは難しいときもあるのかなと。そうなったときに、甘えられずに自分で自分の首を締めると、結果それがまた誰かに迷惑をかけることになるかもしれないので、私は基本、まわりに甘えていますね(笑)。なんだったら、子どもにも甘えています(笑)。もちろん、育児は何が正解かわからないところもあるので、いちいち「これは合っているのか」「正しいのか」と考えているとやっていけないじゃないですか。何を選んだとしても、どちらにしても答えはわからないので、私の場合は「いま彼女を見てどんなふうに思ったか」で毎回、判断しています。彼女と話をしながら、お互いに、思っていることを言っていますね。謝ることは謝って、お願いしたいところはお願いして、認めるところは認め合って、学べるところはお互いに学んでというふうに、けっして「私だけが子育てをしているんです!」という感覚ではないんです。娘と一緒に生きて、手を組んでやっている「チームプレイ」という感じ。だから、ひとりで背負いこむ子育てをするという感じは、まったくないですね。ーーお子さんとも同じ目線に立って、対等に接している感じがしました。そうですね、私が親だからといって偉いことはなくて、彼女のほうが物事をしっかり捉えていて、それでこちらが改めて気づかされることもたくさんあります。お互いに別の人間だからこそ、身体的にできるできないはあっても、「子ども」だとか「大人」だとかで、分けて考えることはないですね。基本的な人生のなかでの考えのものさしは、彼女は彼女で、自由に作っていってほしいなと思います。ーー自立している賢いお子さんのようですね。いえいえ、でもまだ甘えん坊なんですよ(笑)。普段、私はあまり話すほうではないのですが、彼女はずっとしゃべっているので、いつもそれを聞いているような親子です。ーーママになってもずっとチャーミングな大塚さんですが、普段、美容などで気をつけていることはありますか。いや、年々、老けていますよ(笑)。ただ、若いときは外面ばかり気にしていましたが、年齢を重ねるごとに、内面にも意識が向いています。内面から発するもので外側が作られていると思うので、幸せホルモンともいわれることのある「オキシトシン」をとにかく増やしたいなと(笑)。肌がきれいだった日に何があったかをいろいろと分析していった結果、オキシトシンが出ていたんじゃないかなと発見したんです(笑)。だから、内面からの輝きを大事にしたいですね。ーー確かに心身の充実は大事ですね。では最後になりますが、今後の抱負を教えてください。新曲を出していきたいと思っています。時期については……(スタッフさんに向かって)誰かタイアップを取ってきてくれ(笑)! もしくは『anan』の表紙がとれたらリリースするかもしれません(笑)!ーーなるほど(笑)!さらに『anan』でオキシトシンの特集があったらバッチリです(笑)。あとは健康でいることですね。とにかくストレスほど必要ないものはないので、心のなかに暗いものを溜めないこと。それが一番の健康だと思うんです。なので、とにかくストレスを溜めない、排出すること。肌もそうですし、すべてのことにおいて排出していくことの必要性があるので、「なんか溜まってるな」と感じたら、出す。たとえば、いかに泣けるかということに特化して涙で出してしまうとか、カラオケでとにかく声を出して発散する、汚いものや必要のないものは出しちゃう。そして幸せなもの、オキシトシンだけ取り入れて(笑)、楽しく過ごしたいと思っています。取材後記デビューの頃から、ママになった今もなお可憐な印象のままの大塚 愛さん。さまざまな分野で才能を発揮されていますが、シンガーソングライターとしても変わらず、わたしたちにすてきな歌を届けてくれています。そんな大塚さんのリメイクアルバムと初オンラインライブの映像作品、ライブCDをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり大塚 愛PROFILE1982年9月9日、大阪府出身。15 歳から作詞作曲を始め、2003年9月10日にシングル「桃ノ花ビラ」でメジャーデビュー。同年12 月17 日にリリースした2nd シングル「さくらんぼ」が大ヒット。2019 年1 月にデビュー15 周年記念オールタイムベストアルバム『愛 am BEST, too』をリリース。2020 年3月、ライブでのピアノ弾き語り音源を集めたアルバム『Aio Piano Arioso』をリリース。シンガーソングライターとしての活動のほか、初めての短編小説『開けちゃいけないんだよ』を『小説現代』2020年9月号(講談社)に寄稿するなど、イラストレーター、絵本作家、楽曲提供など、クリエイターとしてマルチな才能を発揮し活動中。9 月、デビュー17 周年記念となる自身初のオンラインスタジオライブを行う。2021年2月3日、リメイクアルバム『犬塚 愛 One on One Collaboration』、アニバーサリーライブ「LOVE IS BORN ~17th Anniversary 2020~」のライブDVD/Blu-ray及びライブCDを同日発売。「AIO PIANO vol.8」と題したピアノ弾き語りツアーを2月14日 Billboard Live YOKOHAMA、2月20日 Billboard Live OSAKA、2月27日Billboard Live TOKYOにて開催する(詳細は公式HPまで)。InformationNew Release『犬塚 愛 One on One Collaboration』(収録曲)01.黒毛和牛上塩タン焼680円 (maeshima soshi Remix)02.妄想チョップ (ケンモチヒデフミ Remix)03.さくらんぼ (Kan Sano Remix)04.金魚花火 (ANIMAL HACK Remix)05.桃ノ花ビラ (mabanua Remix)06.PEACH (Tomggg Remix)07.SMILY (Lucky Kilimanjaro Remix)08.君フェチ (春野 Remix)09.Chime (AmPm Remix)10.ユメクイ (SASUKE Remix)2021年2月3日発売AVCD-96640(CD)¥2,000(税別)*スマプラ対応。*初回盤(紙ジャケ仕様)もあり。New Release「LOVE IS BORN ~17th Anniversary 2020~」(収録曲)01. LOVE FANTASTIC02.shooting star03.One × Time04.HEART05.チケット06.扇子07.向日葵08.ふたつ星記念日09.雨色パラソル10.あっかん べ11.TOKYO散歩12.XOX13.ロケットスニーカー14.フレンジャー15.さくらんぼ16.Birthday Song*DVD、Blu-ray、CDすべてスマプラ対応。*DVD,Blu-ray のみ【特典】大塚 愛によるオーディオコメンタリー(副音声)あり。2021年2月3日発売[DVD]AVBD-92981¥5,000(税別)[Blu-ray]AVXD-92982¥5,000(税別)[CD]AVCD-96645¥2,500(税別)
2021年02月03日1972年のデビュー以来、常に新しい音楽世界を切り拓いてきた松任谷由実さん。誰もが知っているヒット曲の数々のみならず、コンサートの演出でも常に最先端。そんなユーミンに、新作『深海の街』について語ってもらった。去年作った曲も、どこかコロナ禍を予言していた。ユーミンの最新作『深海の街』を聴けば、ドラマ主題歌やTVCMなどで、既に耳にしている曲が見つかる人も多いはず。シチューのCMソング「雪の道しるべ」、ドラマ『恋する母たち』の主題歌「知らないどうし」、ゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』新主題歌「あなたと 私と」など、ジャンルも視聴する年齢層も様々なタイアップ曲が収録されているから。それぞれの役割が求められる楽曲制作にも、ポリシーがある。「ミーティングをして制作スタッフの意見を汲み取って曲を書くほうが、野放しで好きな曲を書けって言われるよりも得意かも。かといってドラマやアニメの内容に寄り添いすぎるのも面白くないので、ちょっとしたギャップがあるくらいがいい。締め切りを守るというのも私の中では絶対。OKが出なかった場合も、意見を尊重して書き直します。そこでユーミンの大御所感は出さないですよ(笑)」朝の情報番組『グッド!モーニング』のテーマ曲「Good! Morning」に関してはコロナ禍を経て、歌詞を書き直した。「最初は、朝にみんなが気持ちよく出社できたらいいなと思って書いたライトな曲だったんです。でもコロナ禍の今、そんな軽い気持ちでは電車に乗れないし。明けない夜はないってよくいうフレーズがあるけど、それはわかってるけど、どうしたらいいの?って。自分も経験した、そんな想いを『Good! Morning』の歌詞に託しました」時代の空気を読む鋭さと、制作におけるフットワークの軽さが、令和の時代にもユーミンのポップ・ソングが求められる秘訣かも。音楽的成長を求める私の本気を感じて。2020年のユーミンだからこそ生まれた珠玉の名曲たちが、アルバム『深海の街』に並んでいる。オープニングを飾る「1920」は、100年前の景色を描きながら、街から人が消えた現代の空気感を見事に表現している。「今年の春に、母が100歳を迎えまして。母が生まれた1920年頃のことをいろいろと調べていたんです。そしたら、その前後にはスペイン風邪の流行や、アントワープオリンピックがあり、2020年との共通項がいくつか見つかった。それを心の手帳にメモしつつ、この曲の作詞をしていたら、打ち込みのサウンドの中から柱時計の音が聞こえてきたりして、頭の中で100年前にタイムスリップしていきました。『散りてなお』など去年作った曲も、どこかコロナ禍を予言していたように感じたりして、自分の中でどんどん辻褄が合っていくような制作だったんです。様変わりしてしまった世界を見ながら、私自身すごく苦しかった時もありました。でも私の場合は音楽を作ることがセラピーであり、一筋の光だったんです」ユーミンは若い世代のアーティストとの交流も日頃から行っているけれど、多くのファンはもちろん、そんな後輩たちにもアルバム『深海の街』を聴いてもらいたいという。「若い世代のアーティストとの交流を通じて、私の方が教わることが多いと感じています。特に仲良しなのはGLIM SPANKY。親御さんたちがロック漬けの世代だからか、日本語のロックもここまで進化したんだと驚かされます。SuchmosもフュージョンやAORにヒップホップもハイブリッドされていて衝撃を受けました。どんなアーティストもその人にしか書けない音楽がそれぞれにあるから、私が音楽と向き合う姿勢を見て何か感じてもらえたら嬉しいんですけど。でも今回のアルバムは、この期に及んでまだ音楽的成長を求める私の本気をぜひ感じてほしいです(笑)」ちなみにアルバム『深海の街』の初回限定盤とクリスマススペシャルBOXには「Documentary of 深海の街」が特典映像として収録されている。ユーミンが楽曲を生み出す自宅での制作風景、ジャケット撮影、インタビューなどをドキュメンタリーとして記録した作品ということで、そちらも楽しみだ。「今作は全編自宅録音。ですが、マンションの一室での打ち込みでしょ、と思うと大間違い(笑)。本格的なスタジオもありますし、プロデューサーとアーティストが同じ屋根の下で暮らしているのは強みですから」家でオリジナルの体操をしたり、朝晩お風呂に入ったりと、健康のために続けていることがあるというアグレッシブなユーミン。いつもアイデアに満ちたその音楽で、エンターテインメントで、松任谷由実が体現してきた数々の奇跡は、唯一無二の輝きを放っている。そして、これからも更新し続ける。まつとうや・ゆみ1972年、荒井由実としてシングル『返事はいらない』でデビュー。以来、「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」「真夏の夜の夢」など数々の名曲を生み出しJ‐POPシーンを牽引し続けている。刺繍ケープ¥140,000刺繍ドレス¥552,000コート¥253,000(以上パコ ラバンヌ/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901)パンプス¥89,000(クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン TEL:03・6804・2855)イヤリングはスタイリスト私物39thアルバム『深海の街』【通常盤(CD)】¥3,200【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,500【豪華完全限定盤クリスマススペシャルBOX(CD+BD+2LP+Art Book)】¥12,000(ユニバーサルミュージック)※『anan』2020年12月23日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・服部昌孝ヘア&メイク・遠山直樹取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2020年12月17日毎年この季節になると聞こえてくる冬の定番ソングといえば、ユーミンこと松任谷由実さんの「恋人がサンタクロース」。1980年にリリースされたこの曲は、クリスマスは恋人と過ごす日、という新たな価値観を日本人に染み込ませたともいわれている。「常に、今ないものをやりたい、今ないものでヒットを生みたいと思ってきたんです」――エッジの利いた衣装に身を包み、麗しい表情を見せてくれたフォトセッションの後、柔らかな口調でそう語ってくれたユーミン。でも、「今ないもの」を生み出し続けるなんて簡単なことではない。’72年のデビュー当時は、アイドルたちが昭和歌謡を歌い、学生運動の傍らフォークソングを歌う若者がいる時代。そこに登場したユーミン(当時は荒井由実名義)の音楽は「ニューミュージック」と呼ばれた。「当時は自分が作る音楽が、今までにない新しいものだともわからなくて。テレビ番組のオーディションに譜面を持っていくと、2小節ごとに転調する私の曲を局付きの楽団のおじさんたちが演奏できなかったのは覚えています(笑)」「ベルベット・イースター」「やさしさに包まれたなら」「ルージュの伝言」といった初期の名曲たち。洗練された言葉と美しいメロディで、ユーミンの音楽世界はデビュー当時から既に完成されていた。10代でフランス文化に憧れ、米軍基地の近くで暮らしていたことで様々な海外のカルチャーに触れて育ったことも影響している。「10代の頃は、頭の中にエッフェル塔が立ってる感じ(笑)。オタクなんて言葉はまだなかったけど、オタクだったの。米軍基地の売店でロックのレコードを探して、ライナーノーツを自分で必死に訳したりしてたな」14歳で作曲を始め、17歳でレコード会社と契約。その頃、後にYMOで活動する高橋幸宏や細野晴臣らと出会い、ファースト・アルバム『ひこうき雲』を発売。インターネットのない時代に「じわじわと口コミで」売れていった。「でもレコード会社は『次はもうちょっと売れてもらわないと』みたいな雰囲気で。セカンド・アルバム『MISSLIM』の『海を見ていた午後』にある〈ソーダ水の中を貨物船がとおる〉というフレーズも、『どういう意味?』と難色を示された。だけど2枚目が最初から好調で(笑)。自分らしさを守る戦い、みたいなものをしなくても売れたんですよね」一度は専業主婦に。でも音楽をやめられなかった。’76年にミュージシャンの松任谷正隆と結婚後、一度は専業主婦になろうと考えたが、松任谷由実名義で音楽シーンにカムバックした。’81年に「守ってあげたい」で再ブレイクできたことは、長いキャリアの中でも彼女にとって特に大きな出来事だったという。「結婚して家庭に入ったらユーミンのブームが終わっちゃった。でも1年半くらい経った頃『やっぱり音楽はやめられないな』と。もう一度やるなら売れないとまずいと思い、地道にライブを続けていたら『守ってあげたい』がヒットして。今考えても再ブレイクってすごいエネルギーが必要でした」そこから’90年代にかけてのユーミンの快進撃は、まさに奇跡の連続。「リフレインが叫んでる」「真夏の夜の夢」「Hello, my friend」「春よ、来い」など時代を彩るヒット曲を生み出し、日本のエンタメ界の最先端をゆくライブ・パフォーマンスでも話題を集めた。これまでアルバムの総売り上げは、ソロ歌手史上初の3000万枚を突破。今年の12月に届けられた新作『深海の街』は通算39枚目のオリジナルアルバムとなる。これだけのキャリアがあれば何もコロナ禍の2020年に新作を出さなくてもいいのかもしれない。でもユーミンはそう考えなかった。「去年の時点では次のアルバムは『SURF&SNOW vol.2』みたいなコンセプトで考えていました。でもコロナ禍にリリースするものとしてそれはないな、今年はアルバムは出せないだろうなと。でもこういう時だからこそ大変な思いをしている人に響く音楽があるんじゃないかと。6月末から本気で制作をスタートさせました」まつとうや・ゆみ1972年、荒井由実としてシングル『返事はいらない』でデビュー。以来、「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」「真夏の夜の夢」など数々の名曲を生み出しJ‐POPシーンを牽引し続けている。刺繍ケープ¥140,000刺繍ドレス¥552,000コート¥253,000(以上パコ ラバンヌ/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901)パンプス¥89,000(クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン TEL:03・6804・2855)イヤリングはスタイリスト私物39thアルバム『深海の街』【通常盤(CD)】¥3,200【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,500【豪華完全限定盤クリスマススペシャルBOX(CD+BD+2LP+Art Book)】¥12,000(ユニバーサルミュージック)※『anan』2020年12月23日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・服部昌孝ヘア&メイク・遠山直樹取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2020年12月16日「スタッフやアーティストの“3密”を避けるため、パフォーマンス会場をNHKホール、局内の大スタジオなど全部で3カ所に分散するそうです。審査員もホールには集めず、出演者による差し入れも原則的には禁止されることになります」(音楽関係者)放送まで約3週間となった大みそかの風物詩『第71回NHK紅白歌合戦』。コロナ禍により無観客での開催となり、いつもとは違う環境を強いられるなか、“心強い援軍”の出演が決定したようだ。「特別企画枠として松任谷由実さん(66)の出演が決定したそうです。今年は例年以上に若者向けの出演者が多い状況ですから、幅広い世代に支持される松任谷さんの出演は紅白にとっても渡りに船でしょう」(前出・音楽関係者)ユーミンの登場で勢いに乗りたいところだが、スタッフを悩ませる問題が生じているという。NHK関係者は言う。「各組で誰が“トリ”を務めるかです。白組は大みそかで活動休止する嵐が最有力とされていましたが、同時間に別場所で配信ライブを行うため恐らくないでしょう。現状、2度目の出場となるMr.Childrenか、ゆずの2組が有力視されています。それよりも紅組がかなり紛糾しているそうなんです……」紅組の調整を困難にしているのが、ほかならぬユーミンだというのだ。「当初はMISIAさん(42)かデビュー40周年の松田聖子さん(58)が有力でしたが、松任谷さんがNHKサイドに『トリで出たい!』と強く要望しているそうです。特別企画枠の出演者がトリを務めることはめったにないため、スタッフも出場には感謝しつつも困惑しているといいます」(前出・NHK関係者)今年で5度目の出場となるユーミン。NHKに“特別待遇”を求めたのは今回が初めてではない。「松任谷さんは歌う前の準備を大切にする人。昨年はテレビ初披露の名曲『ノーサイド』を披露することもあり、各出演者サイドに『楽屋挨拶を控えてください』というお触れがNHKから出されていました」(レコード会社関係者)ユーミンがトリを熱望する裏には“渾身の新作”への強い思いがあるようだ。「松任谷さんは12月1日に新アルバム『深海の街』を発売。1カ月で10本近くテレビ出演するなど、かつてないほど宣伝に力を入れています。インタビューで『最後のアルバムになっても胸が張れる』と語るほどの自信作だけに、最も注目の集まる紅白のトリで披露したい思いがあるそうです。また、今年で100歳を迎えた松任谷さんのお母さんにトリという“最高の晴れ舞台”で歌う姿を見せたいという思いもあるのでしょう」(前出・音楽関係者)激動の1年を締めくくるのはユーミンか、それとも――。「女性自身」2020年12月22日号 掲載
2020年12月07日ここは、みなさんの頭の中にあるタロット美術館。重厚な扉を開け、長い回廊を進むと…、数々のタロットが時空を超えて目の前に現れます。占星術・タロットの日本における第一人者である鏡リュウジ先生と元美大生でご自身でもタロットカードリーディングをされる女優の鈴木砂羽さん。おふたりが、さまざまなタロットカードを挟んで、10回にわたりその絵柄の中に眠る物語を紐解いていきます!-------------------------◎出演者紹介■鈴木砂羽女優として数多くの作品に出演。その傍ら「さわにゃんこ」名義でタロットリーディングを楽しむ日々。■鏡リュウジ幅広いメディアで活躍し、絶大な人気を誇る心理占星術研究の第一人者。タロットカードの監修や関連書籍の翻訳・執筆も数多く手掛ける。-------------------------【第4回】カウンターカルチャーとしてのタロット前回は、19世紀の話。タロットと占いが結び付くきっかけとなった魔術結社やオカルト主義についてお話ししました。今回は、1970年代まで時代が進みます!さて、この時代、タロットはどんな変化を遂げるのでしょう?今回、鏡先生と砂羽さんの手元にあるのは、1970年に発刊された「アクエリアンタロット」。■ビートルズも?アーティストに好かれたタロット鏡先生:ところで砂羽さんは、タロットではなくオラクルカードには興味を持たなかったんですか? 女優さんとかモデルさんって、タロットよりオラクルカードを好む人も多いですよね?砂羽さん:オラクルカードは直感的にカードを引いて読みやすいですからね。でも、やっぱり私はタロットが好きです。スプレッドで読み解くことに惹かれるんですよね。鏡先生:それは、すばらしい。砂羽さん:それから、今回、先生のお話を聞いていて、やはり深い歴史を感じるから好きなんだなって気づかされました。タロットが物語っている歴史を、現代に合わせて読むにはどうしたらいいのかな…って考えたりしちゃいました。鏡先生:最初、女優である砂羽さんが、タロットに興味を持つのをちょっと不思議だなって思ったりもしたんです。でも、少し前の時代にさかのぼれば、1970年代あたりは、アーティストたちがタロットを広めるけん引役になっていたってことを思い出しました。砂羽さん:そうなんですね。鏡先生:たとえば、ビートルズはタロットが大好きでしたし、それから、レッド・ツェッペリンの『天国への階段』のアルバムを開けたら、タロットの“隠者”の絵が描かれていたり…とか。ロックな人たちこそ、実はタロットに親しんでいたんですね。砂羽さん:タロットって、啓示的な雰囲気があるから、憧れるのかもしれませんね。鏡先生:そうですね。あとは、1970年代には、タロットはカウンターカルチャー的だったんですよ。それまで主流とされてきた考え方に対して、新しい価値観を吹き込むためのシンボルのひとつに、占いがありました。その流れは当時、演劇やミュージカル界の人たちにも広がって、寺山修司さんなんかもタロットを作っていましたね。砂羽さん:それ、私、見たことあります!鏡先生:そういう感性の高い人たちが、タロットに惹かれていったんですね。1980年代に入ると、パルコでタロット展が開かれたりして、消費文化とも結び付き、一般的にも広まっていきました。■“水瓶座の時代”にまつわるタロット!?ビートルズや寺山修司もタロットの影響を受けていた1970年代のカードのひとつとして、鏡先生が紹介してくださったのが、アクエリアンタロット。鏡先生:『アクエリアンタロット』は、デビット・パラディーニという、当時ものすごく人気のあったイラストレーターが作ったタロットです。砂羽さん:アクエリアンってことはつまり、「水瓶座」と関係があるとか?鏡先生:そうです。アクエリアスという言葉は、当時、新しい文化を担う若者の旗印だったんですね。たとえば、全編ロックなミュージカル『ヘアー』の中に「輝く星座」という曲があったりしました。「水瓶座の時代がやってくる」という内容の歌詞でしたね。砂羽さん:80年代に入ってからですけど、「アクエリアス」っていうスポーツドリンクも出ましたよね。あれは、衝撃的でした。鏡先生:あはは、あれはあんまり関係ないと思うけど、ユーミンも、「78」という曲を作っていて、それはタロットカードの枚数なんですよ。***「アクエリアンタロット」のアクエリアンとは、「水瓶座の時代(Age of Aquarius)」をもとにしていると言われています。水瓶座は、革命や進歩の象徴でもありますから、まさに、「新しい価値観として生まれたタロット」なんですね。■ポップでかっこいい絵柄!砂羽さん:それにしても、この「アクエリアンタロット」、かっこいいですね。私、これ欲しいなぁ。鏡先生:そうでしょ?砂羽さん:絵の描き方がかっこいいですし、色使いもポップで大好きです。でも、タロット本来の意味はしっかりと残しながら描かれていて、本当に素敵ですね。鏡先生:うんうん。砂羽さん:作家さんの感性で、タロット本来の意味とは全然関係ない絵柄が描かれているタロットもたくさんあるじゃないですか?そうなると、占いをするときに読みづらいなって思います。鏡先生:確かに。このアクエリアンタロットは、タロットの基本である「ウエイト=スミス版」にのっとって作られているから、読みやすいのかもしれませんね。◎小アルカナ剣の3を比べてみると…第4回でもご紹介した「小アルカナ 剣の3」のカード。ウエイト=スミス版タロットと並べてみると、デザインの共通点がよくわかります。小アルカナ 剣の3左:アクエリアンタロット右:ウエイト=スミス版タロット***タロットに描かれる絵の雰囲気も、時代の流れの中で大きく変化していますね。次回、1970年代以降に生まれたタロットを、まだまだご紹介します!-------------------------<タロットカード提供>株式会社ヴィジョナリー・カンパニー今回、鈴木砂羽さんと鏡リュウジ先生のおふたりにお話を伺ったのは、タロットやオラクルカードの出版・輸入販売を行う会社、ヴィジョナリー・カンパニーの事務所の一室です。様々なカードが壁一面に並ぶステキな空間からおふたりのトークを届けします。この記事を読んで自分だけのタロットを探したくなった方は、こちらから↓※次回もお楽しみに(日曜更新)====================================プロフィール鈴木砂羽女優。1994年映画『愛の新世界』で主演デビュー。同年、ブルーリボン新人賞やキネマ旬報新人賞など受賞。以後も、ドラマ、映画、舞台以外にもバラエティー、マンガの執筆など意外と幅広いジャンルで活躍中。さらに、プライベートでタロットリーディングをするなど占い好きな一面も。鏡リュウジ雑誌、テレビ、ラジオなど幅広いメディアで活躍し、絶大な人気を誇る心理占星術研究の第一人者。占星術、占いに対しての心理学的アプローチを日本に紹介し、従来の「占い」のイメージを一新した。英国占星術協会会員、日本トランスパーソナル学会理事、平安女学院大学客員教授、京都文教大学客員教授など多方面で活動中。-------------------ライタープロフィールはづきパワースポット大国のニュージーランドを活動の拠点として占い師・占い関連のライターとして活躍中。 「言葉が優しく情緒的で力強い」と定評があり、チャット占いChapli(チャプリ)では恋愛にまつわる相談を中心に全国の相談者から支持されている。
2020年12月06日2020年11月27日に放送された、バラエティ番組『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)に、シンガーソングライターの松任谷由実さんが出演。番組では、視聴者から寄せられたさまざまな質問に対し、松任谷さんが答える形でトークが展開されました。収入に対する質問をされた、松任谷由実が…?10~20代の視聴者から「どのくらい稼いでいるの?」という質問が寄せられた時のこと。楽曲の提供を含めて、600曲に及ぶ歌を世に送り出してきた松任谷さんの収入がかなりのものであることは、想像に難くありません。共演者たちが色めき立つ中、松任谷さんは「困りましたね」とつぶやき、こう答えました。ポール・マッカートニーの100分の1くらいだろう…と思っています。中居正広の金曜日のスマイルたちへーより引用なんと、松任谷さんはポール・マッカートニーを例に挙げて回答!ポール・マッカートニーといえば、ロックバンド『ビートルズ』のメンバーとして、世界的に有名なミュージシャンですよね。松任谷さんの言葉に対し、MCの中居正広さんは「出てくるのがポール・マッカートニーなんですよ」と感嘆の声を上げました。【ネットの声】・例えがユーミンっぽいなぁ。かっこいい。・教養を感じさせる、松任谷さんの上品な受け答えが素敵だった。・異次元すぎる。やっぱり松任谷さんはすごい女性だと思う。松任谷さんの粋な例えによる回答は、多くの人をうならせたようです。圧倒的な歌唱力を持ち、心に刺さるヒットソングを次々と生みだしてきた松任谷さん。曲の素晴らしさはもちろん、本人が持つ明るさやサービス精神旺盛なところも、多くの人に愛される理由かもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年12月02日この数年、日曜の夜は『関ジャム完全燃SHOW』が楽しみだ。ミュージシャンがプロならではの視点で読み解いてくれる名曲の名曲たるゆえんは、音楽用語がわからなくても面白い。勉強になるのはもちろんだけど、一流のプロたちの推し曲への愛やリスペクト、ときには羨望までもが伝わってくるから。『音響ハウス Melody-Go-Round』は、そうした楽曲解説とはまた違うベクトルで、プロたちの音楽への愛が伝わってくるドキュメンタリー。音響ハウスは、1974年に銀座に設立されたレコーディングスタジオ。坂本龍一や松任谷由実、矢野顕子、佐野元春など、日本を代表するアーティストたちに愛され、かずかずの名盤を送り出してきた場所なのだそう。創設期からのスタッフである超ベテランのメンテナンスエンジニアが、毎日、和光や歌舞伎座の前を通ってスタジオへと向かう規則正しい出勤風景を映し出す凛とした空気には、たちまち引きつけられてしまう。そう、音響ハウスの魅力に触れさせてくれるのは、ミュージシャンのみならず、エンジニアやプロデューサーら、さまざまな人たちの言葉や仕事ぶり。それが、ギタリストの佐橋佳幸とレコーディングエンジニアの飯尾芳史が発起人となった本作の主題歌「Melody-Go-Round」のレコーディング過程とともに綴られていく。13歳のシンガーHANAがみずみずしい歌声を聴かせるその楽曲に参加するのは、作詞を手掛けた大貫妙子ら、もちろん音響ハウスにゆかりの深いミュージシャンたち。いかにこのスタジオにオーラがあるか。そのオーラは何から生まれるのか。坂本龍一や、松任谷正隆とユーミン夫妻をはじめとして、関係者が語るエピソードのかずかずは、坂本と忌野清志郎のメイクとコラボが衝撃だった「い・け・な・いルージュマジック」など、ここで生まれた楽曲が彩った時代をも映し出していく。音響ハウスのまさしく音響や、スタッフの技術、そして、このスタジオならではの空気を愛する彼らのエピソードにもまた、アーティストそれぞれの個性が出ているというのだろうか。矢野顕子はおっとりとレコーディング中の食事へのこだわりを語り、坂本のオスカー受賞者らしいスケールの大きなスタジオスケジュールの押さえ方には、ほかのミュージシャンたちが驚愕する。その坂本を藝大時代から追いかけつづけている葉加瀬太郎は、坂本の名盤のかずかずが生まれたスタジオへの思いと、バイオリニストとしてそのスタジオを楽器としていかに使いこなすかを達者なトークで楽しませてくれる。なにより、レコーディングしている誰もがすごく楽しそうなのだ。それもこの作品の大きな魅力。打ち込みで音楽が作られる時代になっても、みんな、一緒に演奏することが嬉しくて仕方がないのが伝わってくる。そうだよね、そもそもライブも大勢が一堂に会して演奏するんだもんねと、大いに納得。一人で仕事していると自分の中だけで完結してしまいがちだけど、特別な場所に人が集まるからこそ生まれるものもある。それって音楽だけの話じゃない。この映画の幸せは、そこに気づかせてくれることにもあるのかもしれない。『Melody-Go-Round』監督/相原裕美出演/佐橋佳幸、飯尾芳史、高橋幸宏、井上鑑、坂本龍一、矢野顕子、沖祐市、川上つよし、佐野元春、葉加瀬太郎、大貫妙子、HANAほか〈登場順〉11月14日より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開。©2019 株式会社 音響ハウス※『anan』2020年11月18日号より。文・杉谷伸子(by anan編集部)
2020年11月16日持病の潰瘍性大腸炎が再発したことを理由に、8月28日に辞意を表明した安倍晋三首相(65)。同日に開かれた会見では、「国民の負託に自信をもって応えられる状態でなくなった」と健康状態を説明した。安倍首相の予期せぬ辞任は、世間を大きく揺るがした。いっぽうで、思わぬところで余波を生んでいる。ユーミンこと松任谷由実(66)は、同日放送の『松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送)で会見の感想をこう述べた。「テレビでちょうど見ていて泣いちゃった。切なくて。私の中ではプライベートでは同じ価値観を共有できる。同い年だし、ロマンの在り方が同じ。辞任されたから言えるけど、ご夫妻は仲良しです。もっと自由にご飯に行ったりできるかな」松任谷といえば、安倍首相や妻の昭恵夫人(58)と親交が深いことでも知られている。17年12月と19年3月には、夫妻が松任谷の舞台を鑑賞する姿も報じられていた。そんななか、京都精華大学の専任講師・白井聡氏は松任谷を痛烈に罵倒。白井氏は、Facebookでこのように投稿した。「荒井由実(松任谷の旧芸名)のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思いますよ。ご本人の名誉のために」この投稿はスクリーンショットなどで瞬く間に拡散され、批判が殺到している。《自分と政治的思想が相容れないからって死んだほうがいいと言えてしまうなんて…怖い》《白井聡氏の松任谷由実さんに対する「死んだ方がいい」は、流石に人間を辞めているレベルのヘイトだと思いますが、いかがでしょうか?》《安倍首相が好きな人もいるし嫌いな人もいる。辞任会見に対する思いも人それぞれ。他人の感想が自分と違うからと言って、早く死んだ方がいいは無い》橋下徹氏(51)も9月1日、《京都精華大学は、さすがにこんな教授を雇い続けるのはまずいだろ》とTwitterで苦言を呈した。「安倍首相が辞意を表明してから、各メディアは約8年にわたる長期政権の総括記事を出しました。新型コロナウイルス対策や経済回復といった課題が山積するなか、政治空白が生まれる懸念が指摘されています。他にも“森友・加計問題”といった不祥事に対して、説明責任を問う記事も出されました。白井氏も8月30日に、『安倍政権の7年半余りとは、日本史上の汚点である』と題した記事を朝日新聞に掲載。ですが嫌悪感や私的感情がむき出しにつづられた内容に、『偏向だ』といった指摘もされています」(社会部記者)9月1日、批判を受けて白井氏はFacebookに「声明」を発表。上記の投稿を削除したことを報告した。そして、「ユーミン、特に荒井由実時代の音楽はかなり好きです(あるいは、でした)。それだけに、要するにがっかりしたのですよ」と説明。続けて、「偉大なアーティストは同時に偉大な知性であって欲しかった。そういうわけで、つい乱暴なことを口走ってしまいました。反省いたします」と謝罪した。同大学の「教育の基本方針に関する覚書」には、「礼と言葉の紊れ(みだれ)が、新しい時代にむかって正され、品位のない態度と言葉とは、学園から除かれなければならない」と記載されているがーー。同大学のTwitter公式アカウントにも、《大学の名誉にも関わる問題なのでは?》《大学はどのような見解でしょうか》といった抗議の声が寄せられている。
2020年09月01日刀剣ブームを巻きおこしたゲームアプリ『刀剣乱舞-ONLINE-』の新主題歌、松任谷由実による書き下ろし楽曲『あなたと 私と』のコンセプトCDアルバム『刀剣乱舞-ONLINE- 歌曲集と物語「あなたと 私と」』が、10月7日(水)に発売することが決定した。本アルバムは、表題曲『あなたと 私と』(松任谷由実)のフルバージョンをはじめ、"始まりの五振り"である刀剣男士(加州清光/CV:増田俊樹・歌仙兼定/CV:石川界人・陸奥守吉行/CV:濱健人・山姥切国広/CV:前野智昭・蜂須賀虎徹/CV:興津和幸)による同曲の歌唱バージョンを独唱と合唱で収録。さらには、ファン待望の始まりの五振りによるショートドラマトラック(約6分)を収録した全8曲も収録する。5周年を迎えたアニバーサリーイヤーにリリースされる本作は、ともに歩んできた審神者と刀剣男士との「始まり」に焦点を当て、これまでを祝い、これからを願う想いを全編通して届ける内容となっている。ジャケットビジュアルはキャラクターデザインを担当したイラストレーターによる新規描き下ろし。初回限定盤はオリジナルスリーブケース仕様。描き下ろしジャケットビジュアルを使用したチェンジングジャケットが5種封入される。本日より、アルバム特設サイトをオープン。収録内容、予約特典等の詳細とあわせて、"始まりの五振り"のナレーションによる告知映像を公開している。刀剣乱舞-ONLINE- 歌曲集と物語「あなたと 私と」特設サイト『刀剣乱舞-ONLINE- 歌曲集と物語「あなたと 私と」』10月7日(水)発売
2020年08月19日「新型コロナウイルスの影響で、今回のツアーだけではなく、年末のディナーショーも、まだ白紙状態なんです……」8月9日、ファンクラブ限定で初めてのオンライントークショーを開催した松田聖子(58)。「私たちファンからの質問に答えてくれたり、最後には2曲披露してくれたり、あっという間の80分でした!」(視聴したファン)実は、今年は聖子のデビュー40周年の記念イヤー。恒例の夏のコンサートツアーも本来なら、さいたまスーパーアリーナを皮切りに、横浜アリーナや日本武道館、大阪城ホール、マリンメッセ福岡など、日本全国7カ所での公演が決まっていた。「50代以上のアーティストで、全国のアリーナツアーができるのは、聖子さん以外ではサザンと小田和正にドリカム、ユーミンくらいでしょう。まさにモンスター級です。しかしながら、新型コロナの感染拡大を理由に、全公演の延期が発表されました」(音楽関係者)聖子の悲劇は、これだけにとどまらない。聖子といえば、’88年2月、東京・自由が丘に「フローレスSEIKO」をオープン。当時、一世を風靡したタレントショップ経営の“元祖”としても有名だ。「’14年、所属事務所移籍にともない、店舗を彼女の新事務所名でもある『Felicia♪club by SEIKO MATSUDA』に改称。3年前に表参道に移転しましたが、コロナ禍により、緊急事態宣言時の一時休業を経て、7月中旬に再度“休業”となったのです」(前出・音楽関係者)現地を訪れると、店の扉には休業のお知らせが貼ってあった。《東京都の新型コロナウィルスに対しての警戒レベルが最も高いレベル4に引き上げられた事を受けご来店下さる皆様の安全を第一に考え、7月16日(木)より当面の間、休業とさせていただきます》デビュー40周年の節目に、自らのショップを閉めざるをえない心境はいかばかりか――。「聖子さんの今年の40周年のコンサートツアーは、10万人弱の動員を予定していました。このチケットの払い戻しで、2億円程度の損失です」(別の音楽関係者)押さえていたコンサート会場のキャンセル代も莫大だという。「行政が運営している会場なら半額や全額の減免もありますが、さいたまスーパーアリーナや日本武道館などでは、直前のキャンセルだとほぼ100%のキャンセル料がかかります。これがざっと1億円。さらに音響や照明、ヘアメーク、スタイリストなどへのスタッフの支払いもまったく払わないわけにはいかないので、半分程度は負担すると思います。スタッフへの経費もトータルで1億円くらいはかかってしまうでしょう」(前出・音楽関係者)聖子は冒頭のオンライントークショーの中で、夏のツアーで販売予定だった40周年記念Tシャツを着て登場していた。「コンサート会場では、いろいろな種類の40周年限定グッズの販売も予定していたと聞きます」(芸能リポーター・城下尊之さん)だが、全国ツアー中止で、記念グッズの売り上げにも大きな影響が出るという。「実は聖子さんは、8月11日に、オンラインショップを立ち上げたんです。1枚4千円の40周年記念Tシャツもそこで販売しています。ただ、一般的に、そうしたグッズはコンサート会場で販売したほうが桁違いに売り上げがいいんです。ファンの“熱気”が違いますから。さらに、聖子さん、明菜さんクラスのディナーショーの売り上げは1シーズンで3千万円といわれています。これらすべてを合わせると、コロナ禍により、聖子さんの40周年イベントの損失は少なく見積もっても5億円に達すると思います」(前出・音楽関係者)本当に年末のディナーショーは開催できないのか。昨年、開催したホテルに聞いてみた。「聖子様に限ったことではなく、ほかの皆様もあわせて、すべてのアーティストが開催未定です。このコロナの関係で、昨年同様の開催は難しい状況だと言わざるをえません。9月に入れば開催の有無はわかるかと存じますが…」(イベント担当者)巨大な打撃を受けた聖子だが、すでに頭を切り替えて前を向いていた。オンライントークショーでは自らのことを、「最新デバイスにうとい、時代遅れの女だわ」と苦笑いしながら自虐的に語っていたが――。「今回のオンライントークショーのチケット代は4千800円でした。1日3回公演で、のべ3千人以上の視聴があったので、売り上げは約1千500万円ほどです」(前出・音楽関係者)聖子は今回のトークショーで、9月末の40周年記念アルバムの発売にあわせ、第2弾のオンライントークショーと、年内には初のオンラインライブを開催する予定だと明かしている。「サザンオールスターズが6月25日に横浜アリーナで無観客で配信したライブは、約18万枚のチケットを売り上げました。1枚3千600円ですから、約6億5千万円の売り上げです。聖子さんも、彼らを意識したんでしょうか。結果的に、40周年の記念ライブが無観客配信でしか見られないとなったら、ファンは必ず見るでしょう。音楽業界では、こうした配信ライブはもはや常識になってきています」(前出・音楽関係者)とはいえ、聖子はファンと直接会える機会も持ちたいと、こんなサプライズ計画も考えているとか。「来年以降のことになりますが、密を避けるため、離島でのファンツアーも考えているようですよ」(前出・城下さん)節目の年の“誤算”にもめげず、次なる作戦を練る聖子。「時代遅れ」を脱却した“令和の歌姫”として、さらに進化を遂げそうだ――。「女性自身」2020年9月1日号 掲載
2020年08月17日「カメラ目線でいいですか?」マスク姿のカメラマンに問いかけながら、髪をかき上げたり、腕を組んだり、次々とポーズを繰り出していく小林麻美さん(66)。そのしぐさはごく自然で、30年というブランクを感じさせない。70年代に17歳でデビュー。モデルや歌手として、それまでのアイドルとは一線を画した“アンニュイで、いい女”のイメージで独自の存在感を示した小林さん。所属事務所社長との入籍を明かし、結婚・引退会見を行ったのは91年春のこと。以降、きっぱりと芸能界から身を引き、育児に専念していた。それから25年後の復帰も、また衝撃的だった。16年に雑誌『クウネル』の表紙に登場した際は、再び世間とファンを驚かせたものだ。「本当に25年間は、子育て一筋でしたから……。着ているのも、いつも家では汚れてもいいスエットだったり(笑)。今日は何でも聞いてください」初めて所属した芸能事務所でアイドルデビューしたものの、「なりきれなかった」と語る小林さんは、事務所を辞めた後、元ザ・スパイダースのメンバーで、芸能事務所を立ち上げていた田邊昭知さん(81)と出会う。彼は、初対面で小林さんのファッションの違和感について、率直に口にしたという。「背伸びしてたというか、その日はイヴ・サンローランのコートに、頭にはリボンという赤面するような格好で(笑)。それを指摘されて、すんなり聞いている自分がいて。あっ、この人についていこう、と思いました。振り返ると、運命的な出会いだったかもしれません」そのまま、田辺エージェンシーと契約。彼は、出会いの当初から、小林さんに真剣に言い続けた。「若さは、あっと言う間になくなってしまう。でも、人間としての魅力は60代、80代になってもなくならない。だから、どんどん自分を磨きなさい」その延長で、日本のモデル業界の草分けである岩崎アキ子さんのナウファッションエージェンシー(現N・F・B)で、モデルとして1年間の武者修行へ。ここで、コンプレックスだった背の高さが武器に変わる。日本は、バブル景気の真っただ中。ユーミンのプロデュースでアルバムも出したし、ファッション誌の企画で、パリではあの名店「ロブション」を貸し切ったりも。しかし、そんな華やかな活動の陰で、小林さんは、かつてないほどの孤独の中にいた。「主人との交際が始まったのが、出会って半年のころ。もちろん事務所社長との交際など芸能界のご法度ですから、誰にも言えません。私自身は、結婚したかったのですが、15歳年上の彼に自分から言い出すことは、どうしてもできませんでした。健気だったなぁと思います」行き詰まる彼との関係。寂しさを紛らわし、忘れさせるのは酒であり睡眠薬だった。そんな生活を十数年も送った末のことだった。「フッと力が抜けたというか。子供を持たない人生もあるな、と思ったんです。そしたら不思議なもので、半年後に妊娠がわかって」これがきっかけとなって、田邊さんも結婚を真剣に考えるようになり、91年春の夫婦そろっての「電撃会見」となる。《小林麻美17年間の秘愛実らせ極秘出産!正式入籍!》当時の本誌記事の見出しにあるとおり、会見では長男の泰三さん(29)の出産も明かされた。のちに“芸能界のドン”とも呼ばれる実力者と生活感を最も感じさせない女性タレントとの結婚は、文字どおり、世間の度肝を抜いた。「結婚を機に引退といっても、私は山口百恵さんのようなスーパースターじゃないですから、そんな大それたことじゃないんです。ただ、ご迷惑をかけた人も多かったのと、これからは一心に子供を育てていくという決意表明で、自分の中でのみそぎというか、落とし前でした」あれから25年。今後は、自分のキャリアを生かせる仕事を自然体でこなしていきたいと、抱負を語る。「いまは、3歩進んで2歩下がって、またちょっと横になって、1歩前へ、という感じかな。好奇心と向上心さえあれば、人間、60歳になっても80歳になっても、魅力的でいられるはずですから」最後に、20歳のときに夫から贈られ、ずっと大切にしてきたという言葉を、大きくうなずきながら口にした――。「女性自身」2020年7月7日号 掲載
2020年06月29日松本穂香が主演、奈緒、中村獅童ら豪華共演で贈る角川春樹監督作『みをつくし料理帖』から本ポスタービジュアルが解禁。さらに、本作の主題歌で松任谷由実と手嶌葵がコラボすることが分かった。完成したポスターのメインビジュアルには、本作の名シーンともなっている澪(松本穂香)と野江(奈緒)が起用。澪の指でかたどられているのは、2人にとって忘れられない思い出…。切ない表情の2人の視線の先には何が待ち受けているのか。本作の豪華なメインキャスト陣の劇中写真も加わり、ドラマティックなビジュアルが完成した。さらに、本作の主題歌が松任谷由実が書き下ろした「散りてなお」に決定。透明感溢れる歌声で知られる手嶌葵が、大切な人や故郷、心に刻まれるものが簡単に消えはしないというメッセージをのせて歌い上げる。また、主題歌の編曲並びに劇中の音楽は松任谷正隆が担当、豪華な夢のコラボレーションが実現し、音楽の力で本作に化学反応を巻き起こす。手嶌葵「歌わせて頂けて本当に幸せ」この映画で角川春樹監督の描いた世界は、優しい気持ちが自然に湧いてくるとても素敵なものでした。そして、そんな世界観に寄り添うようなユーミンさんが作って下さった主題歌。歌わせて頂けて本当に幸せでした。是非映画をご覧頂いて、優しくて、そして美しいこの歌を皆さんにも口ずさんで頂けると嬉しいなぁと思います。松任谷由実「心の奥の故郷や希望は決して消えない」この作品の主題歌を作ることが出来て、本当に良かった。愛すべき、破茶滅茶な角川春樹さん。常人には測り知れない長い苦悩が、人生の最終章で、こんなにも丁寧なやさしさに昇華されていることに、今は感動しています。私も手嶌葵さんの質感豊かな歌唱を得て、心の奥の故郷や希望は決して消えないと、映画と共に伝えられたらうれしいです。松任谷正隆「僕の音楽の集大成」僕は映画音楽が下手だ。たぶん音を資料として頭の中にストックしておけない体質だからだと思う。観たときの感情が勝ってしまって、結果暑苦しい音楽になる、というのが自己分析である。「こんな僕でいいのですか?」と聞いたら「お願いします」と角川さんに言われた。この映画が角川映画の集大成、というのならこれは僕の音楽の集大成だ、と言っておこうかな。『みをつくし料理帖』は10月16日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:みをつくし料理帖 2020年10月16日より全国にて公開Ⓒ 2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会
2020年05月11日女優の松本穂香が主演を務める、映画『みをつくし料理帖』(10月16日公開)の本ポスタービジュアル、及び主題歌が11日、明らかになった。同作は高田郁の同名時代小説の実写化作。大洪水で両親を亡くし、幼なじみの野江(奈緒)とも離れ離れになった澪(松本)は、江戸の神田にある蕎麦処「つる家」で女料理人として働き、店は江戸でも評判になっていく。ある日、吉原の扇屋で料理番をしている又次(中村獅童)という強面の男がやってきて、あさひ太夫のために澪の看板料理を作ってくれと頼んだことから、運命の歯車が動き出す。完成したポスターのメインビジュアルには、本作の名シーンの澪と野江が起用された。澪の指で、2人にとって忘れられない思い出がかたどられる。更に主題歌は、松任谷由実が書き下ろした「散りてなお」を、手嶌葵が歌いあげる。大切な人や故郷、心に刻まれるものが簡単に消えはしないというメッセージをのせた。主題歌の編曲並びに劇中の音楽は松任谷正隆が担当した。○手嶌葵 コメントこの映画で角川春樹監督の描いた世界は、優しい気持ちが自然に湧いてくるとても素敵なものでした。そして、そんな世界観に寄り添うようなユーミンさんが作って下さった主題歌。歌わせて頂けて本当に幸せでした。是非映画をご覧頂いて、優しくて、そして美しいこの歌を皆さんにも口ずさんで頂けると嬉しいなぁと思います。○松任谷由実 コメントこの作品の主題歌を作ることが出来て、本当に良かった。愛すべき、破茶滅茶な角川春樹さん。常人には測り知れない長い苦悩が、人生の最終章で、こんなにも丁寧なやさしさに昇華されていることに、今は感動しています。私も手嶌葵さんの質感豊かな歌唱を得て、心の奥の故郷や希望は決して消えないと、映画と共に伝えられたらうれしいです。○松任谷正隆 コメント僕は映画音楽が下手だ。たぶん音を資料として頭の中にストックしておけない体質だからだと思う。観たときの感情が勝ってしまって、結果暑苦しい音楽になる、というのが自己分析である。「こんな僕でいいのですか?」と聞いたら「お願いします」と角川さんに言われた。この映画が角川映画の集大成、というのならこれは僕の音楽の集大成だ、と言っておこうかな。
2020年05月11日松田聖子、斉藤由貴、近藤真彦、Kinki Kids……。時代を代表するアイドルたちの大ヒット曲をはじめ、数々の名曲を世に送り出した作詞家・松本隆(70)が今年、作詞家活動50周年を迎えた。その独特な世界を生み出す原動力は何か。“彼をよく知る人の証言”から迫ります。■太田裕美(65)「佇まいは、見るからに文学青年。情景。心理描写も秀逸です」「初対面のとき、開口一番『えっ、こんな若い人?』と口走ったくらい、当時の松本さんは見るからに文学青年という佇まいでした」松本隆との出会いをこう振り返るのは、多くの名曲を贈られている太田裕美。代表曲『木綿のハンカチーフ』も松本による作詞だ。「遠距離恋愛の経験はないけれど、歌詞の世界を素直に歌おうと思いました。松本さんが書いてくれた楽曲は、『エレガンス』というアルバムの収録曲である『ピッツァ・ハウス22時』や『煉瓦荘』など、とにかく情景と心理描写が秀逸です。『さらばシベリア鉄道』も作曲の大滝詠一さん(享年65)が『はじめて自分の名前がオリコンに載った』と喜んでくださったので、自分のことよりもうれしく思ったことを覚えています。私ほど松本さんから素晴らしい詞をいただいている歌手はいないのでは。これからも太田に書きたいと思っていただけるよう歌い続けていきたいです」■若松宗雄(音楽プロデューサー)「文学性の高い世界観に娯楽が加わった」「太田裕美さんに提供した詞を聴いたときから、彼のことはすごいなと思っていました。聖子にも書いてもらいたくて『アルバムでもいいので』とお願いしたのが始まりです」振り返るのはかつてCBS・ソニーレコードで松田聖子(57)を発掘した名プロデューサー・若松宗雄氏。松本隆とタッグを組み、数々の名曲を世に送り出した。「初めて出来上がった『白い貝のブローチ』を聖子が歌った瞬間、生理的な心地よさというか“快感”に近いものを感じ、やはり聖子の声質とぴたりと合う!と感嘆しました」松本の詞については、「伝説的なバンド『はっぴいえんど』で実績を重ね、松田聖子で結実・成功した」と若松氏は続ける。「松本さんは、音楽性・文学性の高いニューミュージック界の旗手。それがトップアイドルの詞を描くことで娯楽性も高まり、大きな成功を収めたのでしょう」若松氏はあのユーミン(松任谷由実・66)、でさえリテークをお願いしたこともあったが、松本には皆無だった。「方向性はすべて彼にまかせました。情景描写が秀逸で、彼の語彙力が詞の奥深さにつながっている。私は聖子には音楽性と文学性を持たせたいと思っていたのですが、それを以心伝心で感じ取ってくれました」作曲は大滝詠一、細野晴臣(72)、財津和夫(72)、松任谷由実といった才能豊かなアーティストが交代で担当。「誰も異論を唱えようのない才能あふれる仲間たちも巻き込んでくれた。大村雅朗くんというアレンジャーに恵まれたことも大きかった。今思えば、時代を代表する才能が集結していましたが、松本さんとしては、『後世に残そうと意図せずして、一時代を作った』というところではないでしょうか」「女性自身」2020年3月17日号 掲載
2020年03月19日