2012年12月14日 07:03
飛行中、全エンジン停止! 乗客248名の運命は? - 過去の航空事故を検証
するとエンジンが点滅するように白く光っていたのだ。
コクピットクルーは最初、何が起こっているのか分からなかった。
直後、第4エンジンの出力が低下したため、エンジン消火の手順により停止させた。
機長はすぐに残りのエンジンで、近くの空港に緊急着陸する決心をした。
しかし、続いて第2エンジン、第1エンジン、第3エンジンの順に全てが停止してしまった。
安全性を考慮して4つもエンジンを装備しているジャンボが、その全ての出力を失うという事例は、今までにほとんどない。
機長はエンジン再始動を何度も試みたが、出力を失ったBA9の高度は下がる一方だった。
洋上への不時着も、機長は覚悟していた。
全エンジン停止から12分経過、高度3,400mまで降下した時、第4エンジンが再始動したのである。
その後、エンジンは次々とよみがえった。
第2エンジンは相変わらず不調だったため3つのエンジンで高度と速度を保ち、機長はジャカルタ国際空港まで引き返し、22時25分、緊急着陸に成功した。エンジン停止の原因は、火山灰を吸い込んだことだった。
ジャカルタ南東160kmにあるカグングン山が噴火し、その噴煙がインド洋まで達していたのだ。