「夕焼けの翌日は晴れ」、「猫が顔を洗うと雨」など、昔から天気予報についてのことわざが言い伝えられています。
それらの実用性を気象予報士の笠原久司さんにうかがいました。
新たな環境で生活をスタートすることが多い4月、鉄板の天気ネタでコミュニケーションをとってみては?――まずは、雲や太陽、月などにまつわる「お天気ことわざ」について。
太陽や月の「色」が天気予報に関連するのでしょうか。
「西から天気が変化する日本では、これから頭上にやってくる西の空が晴れていることを根拠に『夕焼けの翌日は晴れ』ということわざが広く知られています。
確かにこういった傾向はあると思いますが、夕焼けの色が真っ赤に染まるときや、暗い赤色に見えるときには、西の空に波長の長い赤い光を散乱させる湿った空気があることも。
こういった場合には、むしろ夕焼けが雨の兆候と考えられます。
また、雨雲の先端が近付いているときにも、雲の影と相まってきれいな夕焼けが見える場合があります。
やはり、夕焼けだけで天気を予想することは困難でしょう。
似たことわざに『月が赤いと近いうちに雨が降る』というものがありますが、空気中に雨の原料である水蒸気が多いことの表れと考えれば、理にかなっているといえます。