愛知県名古屋の上を行く!? 福井県に根強く伝わるド派手結婚式とは?
これらの大荷物を運ぶのだから、とうぜん嫁入りトラックは必要になる。筆者自身は見たことはないが、名古屋と同じく、嫁入り道具の中身が見えるガラス張りの嫁入りトラックは、福井でもかつて存在していたらしい。
主役のお嫁さんは、この日ばかりは「モノ」扱いだ。早朝から着付けが始まり、整ったらご近所に花嫁姿がお披露目される。そして午前中に新郎宅に移動するのだが、ここでも大名行列のような様相を呈する。
新郎宅に着くと、玄関で深々と一礼したあと、ここで名古屋にもないある風習が行われる。それが「一生水」というものだ。一生水は、「一生この家の水を飲む」という意味があるらしい。
一升ますの中に杯が入っていて、新婦はこれでお酒を飲むのだ。その杯は側にいる仲人に渡し、杯をたたき割らないといけない。理由は不明だが、「もう帰るところはない」という決意表明といったところだろうか。
家に入ると、新郎宅の仏壇(つまりご先祖様)に一礼し、花嫁というニューファミリーを迎える。そしていよいよ、お待ちかねの「まんじゅう撒(ま)き」が始まる。まんじゅう撒きは、名古屋の嫁入りで行われる菓子撒きに当たるものだ。
まず、ビニール袋にたんまりと入った紅白まんじゅうが新郎宅前に段々に並べられる。