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【コブスくんのモテ男道!】漢方医が教える。便秘プラス「ほかの何か」を治す方法

マイナビニュース

仕事で緊張する場面が続く、旅行に出掛けるといつも便秘をする……。そんな悩みを持つ人に、漢方での改善法をご紹介します。

漢方医で西洋医学と漢方を融合した治療を行うセンプククリニック院長の千福貞博(せんぷく・さだひろ)先生に、「漢方薬の効能」などについて、お話をうかがいました。


■漢方は、便秘プラス「ほかの何か」をも治す

千福先生はまず、漢方薬の良い点についてこう話します。

「漢方薬のメリットは二つあります。一つは、その症状だけを治すのではなく、『ほかの何か』についてもいっしょに改善してくれる、おまけが付いてくるということです。

例えば便秘を解消したい場合、単に便を通すだけでなく、便秘と同時によく起こる『腰が痛い』とか『月経不順だ』というほかの症状も一つの薬で治してくれます」

体の不調は、頭痛の場合でも、肩こりがする、目が疲れているなど、複数の症状が同時に起こることがほとんどです。千福先生は、

「西洋医学の場合は、症状ごとに薬が処方されます。
頭痛のための鎮痛剤、肩こりを緩和させるための薬、眼精疲労用の薬と、それぞれ適応が異なるからですが、漢方は複数の生薬を混ぜてあるため、一つの薬で効果があるのです」と言います。

■一人ひとりの体質、原因を追及して処方する

漢方では、複数の痛み、症状に一つの薬で対応ができるということですが、その理由は診断の方法と直結しています。

「便秘を訴える人はたくさんいますが、その人たちの体質や生活環境は十人十色です。漢方では、便秘に限らずどんな症状に対しても、『なぜその人にその症状が起こっているのか』の原因を探ります。

探り方として、まずその人の体質、体力、抵抗力、症状の現れ方(『証(しょう)』と呼びます)を診断します。

証は、体力があるがっちりタイプの人(『実証(じっしょう)』)と、きゃしゃで体力がなさそうな人(『虚証(きょしょう)』)に大きく分かれます。

また、不調の原因を『気(き)・血(けつ)・水(すい)』」の3つで追及していきます。

およそ、気とは気力、血とは血液、水とは水分のことと考えられ、不調があればこのうちのどれかが、減少していたり滞っていたりしているといった具合に診ていきます。
ときには3者全部に問題があることもあり、先に述べた『実証・虚証』と合わせて診断します」と千福先生。一人ひとりの体質に適合する治療法を見つけてじっくり治していくのが漢方の方法だ、と言います。

■漢方薬は長期で飲んでも効果が落ちない

さらに千福先生は、漢方薬のもう一つのメリットについてこう語ります。

「便秘とともにおなかが痛む、あまり体力に自信がない、乾燥した便が出る、などという人に私がよく処方するのは、麻子仁丸(ましにんがん)という薬です。これは6種類の生薬で構成されていて、これだけで、それら複数の症状を改善することができます。

下剤の場合、西洋薬は即効性があって劇的に効くことが多いのですが、飲み続けると効果が落ちてきます。慢性的な便秘といった症状に対して、残念ながらずっと同じ薬が効き続けることはありません。一方、漢方の場合は、5種類以上の生薬が入った薬を選べば、いつまでも効き続けます」

さらに、体質別の便秘の漢方薬について、千福先生は次のように続けます。


「体力がありそうな女性で、おへその左下あたりを押さえて痛む人には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、右下が痛む人には大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんびとう)、左右両方の下腹が痛む人には通導散(つうどうさん)を処方します。(このような下腹部の圧痛を於血(おけつ)といいます)

これらの薬はどれも、ホルモンのバランスを整える作用があるため、便秘の解消と同時に、月経不順、月経困難、月経前症候群(PMS)などの婦人科系の症状も改善していきます。

また、この『於血(おけつ)』という血液の流れの悪い状態が同時に改善され、肩こり、腰痛、精神的不安などにも効果があります。便秘とともにこれらの症状を訴えられる患者さんはとても多いのですが、その場合は、西洋医学の下剤ではなくてこの漢方薬を処方しています」

■便秘にはおへそを意識したウォーキングを

千福先生は、便秘対策として自分でできるケアについて、次の方法をすすめます。

「まず、食物繊維が豊富な食材の料理を食べることです。肉ばかり食べていては、便秘の改善はありません。

また、日常的に軽い運動を取り入れることです。なんといっても、ウォーキングがおすすめです。
歩くときにおへそをひっこめるようにして、下腹部に力を入れるようにしてください。腸の運動が促進されて、便秘の改善にはとてもいい。

あと、知人の医師が推奨している方法ですが、『その場足踏み』を1回につき5分ほど実践してみてください。太ももを高く持ち上げて、行進スタイルのように腕を大きく振って、その場で足踏みをするだけです。足を上げるたびにおなかが刺激を受けているのを感じるでしょう。腸にも運動をさせるわけです」

■漢方薬はいつ飲んでもいい

最後に、漢方薬の飲み方と副作用についておたずねしました。

――「漢方薬は食間に飲む」と言いますが、そうなのでしょうか?

千福先生「漢方薬は生薬、つまり天然の物を使っているので、アレルギーや特別な体質でない限り、胃腸が荒れることはありません。よって、空腹時に飲むと効果は上がりますが、生薬だからこそ、いつ飲んでもいいのです。

食間だと飲み忘れたり、職場で飲みにくかったりすることもあるでしょうから、食後10分ほどしてから飲むなど、忘れないタイミングを見つけて飲むとよいでしょう」

――「漢方薬は副作用がない」と聞きますが、本当ですか?

千福先生「西洋医学の薬に比べるとそう言えますが、副作用がないわけではありません。自然の素材といえども、体質によって合わない食べ物があるように、自分にとって合わないと思えばすぐに医師に相談してください。特に、風邪の漢方薬に入っている生薬『麻黄(まおう)』は注意して服用してください。不眠、動悸、全身の脱力感、精神興奮などが現れることがあります」

漢方薬には、「長期で飲み続けられる」、「複数の症状を一つの薬で改善することができる」というメリットがあることを具体的に知ることができました。これをヒントに自分に合う漢方薬を見つけ、体質改善に挑みたいと思います。

監修:千福貞博氏。外科医。医学博士。
大阪市北区医師会理事。センプククリニック(大阪市北区Tel:06-6366-8778)院長ほか。西洋医学と漢方を融合させた診療を行っている。

(阪河朝美/ユンブル)

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