【コブスくんのモテ男道!】金剛石、豆腐殻、流行廃止……難読あて字、読めますか?
黄蜀葵(とろろ)、鹿尾菜(ひじき)、年魚(あゆ)など、難読漢字はたくさんありますが、「これらの漢字は、明治時代の人々の間でさかんに使われていました」というのは、古書の落語本に詳しい、フリーライターの松井高志さん。
そこで、松井さんの著書である『ナンドク難読漢字自習帳』(バジリコ)から、明治時代の落語本や演芸本に見られる、トンチの効いたあて字の数々をうかがいました。
■あて字は明治時代の読者サービス!?
もともと、落語と演芸が三度の飯より好きだという松井さんは、寄席に通うだけではなく、明治時代に刊行された落語や演芸の本も集めて読むようになったとか。
「当時の本を読んで気が付いたのは、あて字が数多く使われていることです」と松井さん。
「これらの本は、ほとんどの漢字に読み仮名がふってあるのですが、ところどころにユニークなあて字という一種の遊びがあり、それがスパイスとなって読者を飽きさせないようにしています。
また、明治時代の速記本や実録小説本は、改行もなければ句読点もありません。「っ」、「ゃ」、「ゅ」などの小さい文字も使いませんでした。
そこで、同じ大きさのひらがなばかりが並んでいれば読みにくいので、なるべく漢字に置き換え、漢字がない文字に関しては『あて字』という修飾技巧を用いることが当時の速記者やジャーナリストの間で、はやりにもなっていたようです」