です。村田紹鴎という方がそれを受け継いでさらに発展させました。そしてみなさん御存じの千利休さんの登場です。わび茶の流れが千利休によって茶道として確立されたわけです。
――なるほど。千利休がいきなり作ったわけではないんですね。利休の後はどうなったんでしょうか。
坂井準教授千利休の孫の宗旦(そうたん)という人がいまして。
この宗旦の3人の息子がそれぞれに派を作ります。これが三大千家と言われるもので、表千家、裏千家、武者小路家ですね。この三家が今も受け継がれています。
――坂井さんは裏千家の準教授をされているわけですが、それぞれの三家に家元が代々おられるのでしょうか。
坂井準教授そうです。ちなみに裏千家の場合には現在、第16代の家元になります。
――16代!長いですね。
坂井準教授初代の千利休が亡くなったのが1591年ですから。
421年も続いていることになりますね。
■茶道とは伝統芸能の総合芸術である
――長い伝統があって、それだけ奥深いと思うのですが、茶道の魅力って何でしょうか。
坂井準教授日本の伝統芸術の集大成の空間だということでしょうか。茶花はもちろん、お菓子やお道具で日本の美しい四季を表現する職人技が一堂に会している世界です。