本来なら、大学の講義などでしか聞かないような専門用語が一般に使われていることがあります。とりわけ心理学用語は多いと思いませんか? 例えば「コンプレックス」。「劣等感」という意味で使われていますが本来はそうではありません。
よく聞く心理学用語のウソとホントを挙げてみました。■吊り橋効果
バラエティー番組などで散々紹介されたので、もう聞き飽きた感もある言葉ですね。カナダの心理学者、ダットン&アロンの1974年の研究『生理・認知説の吊り橋実験』が元になっています。18歳~35歳の独身男性を2つのチームに分けて、それぞれ「吊り橋」と「固定脚の橋」に行かせます。
それぞれの橋の中央に独身女性を配して、男性にアンケートに答えさせます。
アンケートが終わると「結果に興味があったら電話してください」と言って女性が電話番号を渡します。独身男女のカップルを行かせて……という風に実験の内容が変わっていることがありますが、それはウソです。
結果は、吊り橋の方のチームではほとんど人から電話があったのに、固定脚の橋のチームではそれが10%程度だったというのです。ここから、「人間は(吊り橋の揺れによる)生理的興奮でも恋愛感情と誤認するものだ」