【雑学キング!】私たちはどこまで「おでん」のことを知っているのだろうか?
■知られざるおでん王国「静岡」
―─おでん調査の旅で、印象に残っている地方おでんはありますか?
「静岡おでんです。真っ黒い脂ぎっただし汁で煮たおでんに、だし粉や青のりをかける点が特徴で、だし汁は飲みません。
静岡おでんの中心地は、大井川と富士川の間の地域です。海沿いはみそだれと青のりを、東海道沿いはだし粉と青のりをかけることが多いですね。みそだれは全国で見られますが、だし粉は静岡独特のトッピングです。
静岡では駄菓子屋おでんが健在で、屋台風の飲み屋はいつも満席。静岡おでんの会の調査によると、中心繁華街800メートル四方の250軒におでんがあるとのこと。静岡は『おでん王国』なのです。
季節にかかわらず一年中、夏の間もおでんがよく食べられています」
―─夏におでんを食べるのですか?
「そうです、プールサイドで食べたり、高校野球を見ながら食べるとか。大正6年に創業した焼き芋屋『大やきいも』では、戦前ごろからおでんを売っていますが、今では夏のほうがよく売れるというほどの人気ぶりです。さらにおもしろいのは、かき氷とおでんを交互に食べるんですよ。
冷え過ぎたおなかがおでんの温かさで中和され、たしかにおなかに優しいのですが、最初は驚きました。