マリアナ海溝のちょっと北のところです。ところで、うなぎの産卵するのは深海の底っていうイメージがないですか(笑)?
――なんとなく、そんな話を聞いたことがあるような……。
塚本教授うなぎはマリアナ海溝の深い海で……というイメージをみんな持っていたと思うんですが、そうじゃないんですね。産卵場の海底山脈がある海域も確かに水深3,000から4,000メートル位の深い海ですが、実際の産卵が起こるのはその深い海の、海面から200メートルぐらいの比較的表層の部分だと思われます。これは卵が採れた水深が150メートルだったことから推定されました。
――現在うなぎが獲れなくなっているということですが、これは産卵数自体も減っているんでしょうか。
塚本教授産卵数に関するデータはないのでわかりませんが、資源全体が大きく減っていることは事実です。
――減っている理由はわかっているのでしょうか。
塚本教授その主な原因は3つ考えられます。まずなんといっても乱獲です。私たちが獲りすぎたためにうなぎの資源が減ってしまいました。次にうなぎの住みやすい河川の環境が失われたためです。水質汚染や河川工事がうなぎの餌や住み家を奪い、うなぎの生存をおびやかしています。