私はとにかくときめきの力を信じている。
下着は必ず試着して買うべきだとか、なるべく高価なものを買うべきだとか、そういうのはもはや定説になっていて、特に異論もないのだけれど、そんなことはすべて無視してギャルブランドの1990円の下着を衝動買いしたいときもある。しかもそれが案外似合ったりするのでおもしろい。きっとその瞬間のときめきと、買いたいという欲望が、それをいいものにするのだと思う。
あの深い赤の下着に出会ってからというもの、下着を買うときの私の基準はずっと、「心がときめくか」という一点のみだ。機能性だとか客観的な理由は二の次である。視界に入った途端にハッと目が奪われ、心を高鳴らせるものだけが買うべきものだ。だから私の場合は、同じシリーズの色で迷うということはあまりない。
色、フリルやレースなどの装飾の感じ、ストラップやホックの雰囲気を見て、「これだ」と確信するものだけを選ぶ。
ときめくものだけを買うことは、簡単なようでいて難しい。そのときの自分のコンディションがよくないと、素敵な下着があってもときめくことができない。だからやっぱり恋に似ていると思うのだ。常に恋できる自分でいる、ということは私の人生のテーマでもある。