ため、それ自体を転覆しようというのがKuTooひいては、声を上げるということだ。また、最近、接客業における服装規定の自由化が相次いで耳目を集めてもいる。アクション。
中がスニーカーみたいにクッション性高い革靴や、ストレッチ性に富んだテクスチャーのパンプスや、夏でもすごく軽いジャケットをつくる。そこまでして、よりスマートな適応と再生産に勤しまなくていいのに。そこまでしてハイヒール、パンプス、スーツで儲けようとしなくても、そこまでしてお互いに強い合わなくても...。一人ひとりがやめればいいのに(その“一人ひとり”の和がみんななんだから)。「スーツは考えなくていいから楽」という心持ちで率先してユニフォームを着続けるより、着やすいスーツを大真面目に試行錯誤するより、やることがあるだろう。
ルールの中での抵抗をしても、それはひっきょう小器用な適応だ。一方、ルールの転覆こそが表現だ。前者はモダンな態度であり、全くモードではない。
たとえば、「どんな服着るの?」「メンズレディース問わず好きなのを着ます」「たしかに、今の時代ならいいもんね。ジャケットとかシャツならボタンが逆になるからあれだけど、そうじゃなければ全然いいと思うよ」。