本選びのすゝめ【新潮社編】【TheBookNook #21】
文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹
みなさんは図書館や書店で、自身が惹かれている本の共通点を考えてみたことはありますか……? 好きな作家が陳列されている本棚、ポップが目を引くランキング上位の話題の本、表紙のインパクトに一目惚れしたり、どこか今の自分とリンクしているタイトルに心ときめいたりなど。
そんな“無意識な本との出会い”のきっかけには、気がついていないだけで同じ“出版社”を選んでいるということもあるのかもしれません。
誰もが一度は名前を聞いたことがある大手出版社から、独自のカラーを打ち出した偏った出版物が魅力の出版社など、出版社の数だけ扱う本の色があります。そう、この本好きだけど見慣れない出版社だな……と思ったら、それは新たな出逢いのチャンスかもしれません。
写真はイメージです。
実際に私は昨年、お気に入りの出版社さんを見つけてから芋づる式に好みの本に出会えました。ぜひ、今回はその出版社さんを……と言いたいところですが、少しマニアックなので、それはまた今度。今回は多くの方が耳にしたことがあるであろう親しみのある出版社「新潮社」さんの本をご紹介させていただきます。
“緻密な人物描写や人々の心に訴えかける作風の多い印象が強い”新潮社さん。