■「仰観宇宙之大府察品類之盛」
(仰ぎて宇宙の極まりなきを観て、府しては満類の数多きを察する)
上を向いては宇宙の広大さを観て、下を向いては万物の豊かさを察する。「観察」するということです。この文は王羲之の蘭亭序のあまりにも有名な一節です。
■王羲之「蘭亭序」
王羲之の書をことごとく収集していた唐の太宗皇帝は、「蘭亭序」だけは入手することができませんでした。
そこで智永の弟子の弁才が所有していると聞いた太宗皇帝は、臣下に命じて弁才に近づき、蘭亭序を盗み出させました。
こうして太宗皇帝は蘭亭序を手に入れましたが、あまりにも素晴らしい書に惚れ込み、遺言で自分の墓の昭陵に副葬させてしまい、王羲之の最高傑作の蘭亭序はこの世から姿を消すことになったのでした。このようなエピソードがまた蘭亭序の価値をさらに高め、後世に言い伝えられています。
■「観」と書いてみよう
前回の王羲之の「集字聖教序」と同じです。
空間の造形美を考え、構成することが大事です。
臨書とは
お手本を見て書くこと。映すことを何回も重ね、練習を蓄積させていくことが大事。
追い求めては答えが逃げていき、くじけそうでもまた追い求め、何回も練習すること。