■人生の節目を和服で迎える、美しい日本の伝統文化
お宮参りや七五三、成人式、結婚式など、日本人なら誰もが経験する大切なライフイベントでは、今でも通過儀礼として和服を着用して人生の節目を祝う文化があります。
私も3歳の七五三のときには、仕立てた赤いお着物をいっちょまえに着せられていました。まだ草履がうまく履けなくて、撮影のギリギリまで長靴を履いていたほほえましい写真がアルバムに残っています。
私の祖母はよそ行きの格好をするときは、よく和服を着ていました。凛として、品格を感じさせる佇まいは、幼心にも私が日本人として和服にへの憧れを持つきっかけになりました。
祖母もまた、日頃から和服を着ていた明治生まれの祖母(私の曽祖母)の姿をみて育ったので、和服が当たり前の環境にあったのです。私自身もお着物が好きで、パーティーや芸術鑑賞のときには和装することもしばしば。今では年に1度、お着物で祖母と歌舞伎を鑑賞しに行くのが楽しみになっています。
「着物は3代で着られる」というほどに、着物は親から子へ代々受け継がれていくものでした。親子はさほど背丈が変わらないので、子どもに合わせて裄丈や着丈を調整すれば着ることができたのですね。