死を前に私ならどうするか考えさせられる――『蝶の眠り』中山美穂×キム・ジェウク インタビュー
すごい女優さんなのに、ナチュラルでいられましたし、現場を和やかにしてくれる素敵な方。いい仕事をご一緒できたなぁと思っています」(ジェウクさん)
■ふたりのナチュラルな空気感、雰囲気に心が温かくなる
そんなジェウクさんはジェウン監督のファンだともいいます。憧れの監督と全員が日本人のスタッフと役者、台詞もすべて日本語、という設定のもとで、日本で撮影をする経験は「やらない理由がなかった」と、当時の気持ちを振り返ります。
韓国・ソウル出身のジェウクさんは、父の仕事の都合で幼少期を日本で過ごした時期もあり、日本語が堪能。韓国人留学生を演じる上で、流暢な日本語は封印することも予想されましたが、監督と話した上で「自然体でいこう」となったのだとか。ジェウクさんが演じる素直で優しいチャネの言葉にも注目です。
自然体といえば、自由な雰囲気も本作の特徴かもしれません。涼子の自宅は、建築家の阿部勤さんの邸宅。
緑が見える部屋にある大きな窓から、心地よい風が入ってくるのを、作品を通して感じるくらい素敵な舞台です。そこで限られた時間を共有するふたりの空気感は、見ているこちらの心までも温かくしてくれます。
「あのおうちがあって、あの空気があって、そのなかで生まれる感情や思いを活かして、組み立てていった感覚があります」