2015年1月28日 07:00|ウーマンエキサイト

相続税の基本を学ぶ(5) 節税対策の注意点・その2


■不動産経営による節税アパートやマンションなど賃貸経営による節税対策は、相続財産額の大きな富裕層向けの対策といえるでしょう。賃貸物件にすることで、借地権や借家権が発生し、所有者が自由に土地と建物を処分しにくくなる分、相続税評価額が下がることを利用した節税方法です。

相続税増税を前に、あちこちで似たようなマンションが増えていくのを目にしますが、営業マンの話を鵜呑みにして安易に手を出すと、節税額以上の財産を失うことになってしまうかもしれません。

同じようなアパートを近くに建てられてしまうと、どうしても新築や駅近物件が有利になってしまい空室リスクが上がってしまいますし、現在のような低金利がずっと続く保証などないからです。営業マンが最初に見せる資料は、あくまでも現在の金利や空室率を条件にした見通しにすぎません。

30年一括借り上げサービス(サブリース)についても、30年間の家賃を保証してもらえるサービスではありません。30年間借りてもらえるだけの契約です。家賃保証はされません。


アパート経営による相続税対策は、親子で新規事業を立ち上げるという意識と覚悟が必要になります。分厚い契約書にもすべて目を通し、20年先までの長期的なプランを立ててみましょう。家賃収入・空室率・金利・リフォーム費用の楽観的な数値から悲観的数値まで、いくつものパターンのキャッシュフロー表を作成し、納得のいく結果にならないのであれば、ほかの節税対策を検討すべきです。

不動産による節税対策は、空室リスク、金利変動リスク、入居者トラブルリスク、法的リスク、流動性リスクなど、数々のリスクをうまくコントロールできれば、相続税だけでなく所得税など税金の優遇制度も多く、収益まで手に入れることのできる、ほどほどのリスクとリターンのある投資方法ともいえます。

リスクを下げる最良の方法は、人任せにせず、自分でしっかり考えることです。相続税に強い税理士やファイナンシャルプランナーなど、第三者の専門家に相談しながら、綿密な相続税対策プランを練りましょう。

※この記事は2015年1月時点の法令に基づいて書いています。




【連載:相続税の基本を学ぶ】

(1)相続税の対象となる財産とは
(2)相続税の計算方法
(3)相続税対策で人気の「教育資金等一括贈与」とは
(4)節税対策の注意点・その1

新着くらしまとめ
もっと見る

ウーマンエキサイトで人気のコミックが動画でも!

チャンネル登録よろしくお願いします!

記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.