断捨離はもう古い!? 「ミニマリスト」が提唱する、持たない暮らしとは
普通の「片付け」と何が違うのか
私たちライフオーガナイザーも、ミニマリスト同様「片付けの先にあるもの」を大事にしています。
ライフオーガナイザーにとっての片付けとは、物をいかにきれいにしまうとか、収納グッズを組み合わせるということに留まりません。
「この部屋で、どんなことがしたいですか?」とか「どんな風に過ごせたら心地いいですか?」といった質問をしながら、お客様にとって大事なことは何か、その価値観を探り、寄り添いながら片付けをします。
「片付け」の考え方は、ライフオーガナイズや整理収納アドバイザー、断捨離、ときめきの片付け術などたくさんあります。
それらを学んだ方たちと話していて感じるのは、やはり「片付けのその先=目的」があるということ。片付けは、その目的に行き着くための方法にすぎないのです。
その「目的」が明確になり、不必要なものを捨て、必要なものだけを持っている、精神的にも物質的にも豊かな状態、それがミニマリストだといえます。
話だけ聞くと「なんて羨ましい!」と思ってしまいますが、それは「自分にとって人生で大事なこと」「優先したいこと」を理解し、その実現のために物を減らしたり、働き方を考えたり、人間関係を見直し、1つずつ実行していった結果。
溢れんばかりのものに埋もれていては、本当に大事なものを見つけにくいですからね。
アメリカでは、リーマンショックなどの金融危機が重なったこともあり、「もっと多く」「より多く」の大量消費文化の中に、「Less is more」=物が少なくても豊かな生活は可能だという考え方が、一気に受け入れられたのかもしれません。
私たち日本人には「装飾を排除した美」や「わび・さび」という文化が根付いているので、ミニマリストの考え方は、比較的受け入れやすいのではないでしょうか。
「捨てる」だけでなく、豊かな暮らし実現のために、まず「物を厳選する」ことから始めてみてはいかがでしょう?
(池田絵里)