フランスの子育ては「バカンス疲れ」してしまう?


ホテルに泊まるわけじゃない

「バカンス」という言葉から、どこかリゾート地のホテルなどに滞在するイメージを持つ人も多いと思いでしょう。しかしフランス人のバカンスは、ホテルなどに泊まる滞在ばかりではありません。例えば「地方に住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんの家にパリから泊まりで行く」というのも立派なバカンスです。

子どもの友達も一緒に連れて行き、数人の家庭でバカンスごとの担当を回す、といったこともあります。例えば「夏休みは、私たちが借りたロッジに一緒に連れて行くから、次のバカンスはお願い」といった感じに。輪番にすれば、バカンスごとに子どものためにどこかへ出かけなくても済みますし、親も自分の時間を作れます。また、子供だけサマースクールなどに参加させることもあります。

加えてバカンスは、「旅先で何かをする」というより「そこでゆっくり過ごす」ことが主な目的です。
そのため、滞在中に色々なアクティビティをぎっしり詰め込んで、そのための出費が大幅にかさむ、という滞在スタイルではありません。

職場で休みはどうやって取るのか

フランスでは年間5週間の有給休暇の取得が法律で定められています。フランス人はそれら権利を存分に使います。同じ期間に一斉に休んでは、当然仕事に支障が出るため、子どもがいる人は学校の休みに合わせて、一方で子どもがいない人はそこを外して取るなど、お互い調整しながら順番に休暇期間を回すことが多いです。

日本では、周囲に配慮して休みを取りづらいという職場も多いです。しかし休暇は法律で定められ、就労前に労使間で合意しサインした契約書に記された項目の1つですから、フランス人にとってはそれを使わないことの方が不思議がられます。

こうやってフランス人は子どものために休暇を取りつつ、(日本人の感覚からすれば、すぐやって来るそれらバカンスとともに)1年が過ぎていきます。

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