「正論に頼らず、嫌われる勇気をもつ」仕事と育児を両立するために心がけたいこと
■どんな相手にも“好感を持たれる努力”をする
子どもを持つ、持たないについては個人の考え方やご事情もありますが、もし出産しても仕事を続けたい! と思われるのであれば、私がおすすめすることはひとつ。
まず出産前から「とにかく、どんなに苦手な相手がいても、職場では好感を持たれる努力をしておく」こと。
もちろん、「この人がいなければ困る! 出産しても戻ってきてほしい」と周囲に言わせるくらい、現在の仕事のスキルを上げることも大事だとは思います。
しかし、今までいろいろな職場の、さまざまな立場の方のご相談を伺ってみますと、本人の仕事スキルよりも「この人のサポートならしてあげよう」と思ってもらえる人間関係を、周囲と築けていた方のほうが、スムーズに復職できているように感じます。
たとえば自分の机をふくついでに、周りの机もふいてあげる、コーヒーを買いに行くついでに周りの人にも「買ってきましょうか」と声をかける…など。
ほんとにちいさな、ささいなことでいいので「いい人だな」と思われる気配り=「いい人貯金」を続けておきましょう。これをコツコツとためておき、あなたの応援者を増やしておくのです。
■正論に頼らず、嫌われる勇気をもつ
出産後復職したあとは、「正論に頼らない」で、「貢献する姿勢と嫌われる勇気を持つ」ことを心に留めておくことをおすすめします。
子どもを産むことは、将来の日本のためにプラスになることは確かです。
出産しても仕事を続けることができるのは、労働者としての権利です。
それは正論なのですが、周囲が非協力的な視線を向け始めるのは「子どもがいるから●●なのは当然」という雰囲気が強くなってきたときだと思います。
たとえば「17時から●●の勉強会がありますが出欠は?」と聞かれたとき「すみません、子どもがいるので欠席します(夕方からなんて出られるワケないでしょ)」と答えても自然でしょう。
しかし、こういったやりとりが日常積もり積もると「あ、また子どもね…」というようなミゾができがちです。
行動の結果は同じでも「すみません、17:30には会社を出なくてはならないのですが、30分の出席でも大丈夫でしょうか?」と答えたほうが「子どもがいることを振りかざしている」という感じが薄くなります。
「子どもがいるのは事実だから仕方ないのに、なぜそんなに気を使わなくてはならないの!」というお気持ちも十分理解できます。
しかし、人間関係においては、正論が最適解ではありません。
オフィスでは極力「子どもが…」というフレーズを控えたほうが余計な摩擦を避けられ、育児に対する理解も得やすくなると私は思います。