制度があっても風土がない? 働くママが会社の支援制度を利用しにくい訳
せっかくの制度が不満や不公平感のモトに
支援制度の導入が、逆に職場に不満や不公平感を生んでしまうこともあります。同調査でも、育児休業・時短勤務・在宅勤務といった制度に対して、いろんな声がありました。
■働くママの声
・所属部署によって、制度の活用しやすさに大きな差がある(30代女性 会社員)
・時短勤務や在宅勤務で楽をしていると思われ、特に同性の同僚からの視線が厳しい(30代女性 会社員)
■制度利用者の周囲の人の声
・育児休業 を取得した人の周囲で業務負担が増えている(40代男性 会社員)
・「社内の育児制度を活用するなら、退職して育児に専念すべき」という雰囲気がある(50代女性 会社員)
■男性社員の声
・男性社員が制度を利用することに対して、職場で消極的な雰囲気がある(50代男性 会社員)
・必要以上に女性が優遇されていて、資質や能力に関係なく管理職に登用されていると感じる(50代男性 会社員)
こうした声から見えてくるのは、社内の制度を整えるだけではなく、社員の理解を深め、制度を利用しやすい環境を整えることも必要であるということです。
ダイバーシティ推進の要は管理職!
それではダイバーシティ推進には何が必要なのでしょうか? 同調査で「ダイバーシティ推進のために重要なこと」の第1位に挙げられたのは「管理職の理解・努力」(55.3%)でした。
調査を実施したP&Gでは、1990年代から経営戦略の一環として「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)」を推進しています。多様な社員の違いを認めて尊重し、さらにビジネスなどに活用すれば、さまざまなアイデアが生まれ、消費者の多様なニーズに応えられ、結果的に企業の競争力アップにもつながるとの考えからです。ここでのポイントは、“女性”や特定の人だけを尊重するのではなく、“すべての社員”の個性を尊重していることにあります。
2012年には、多様な社員の多様な働き方を実現するために、フレックスタイムや時短勤務、在宅勤務などの制度を組み合わせ社員一人ひとりに合った働き方を可能にする「フレックス・アット・ワーク」を導入。組織内風土を醸成するために管理職が率先して活用することで、多くの社員が利用しやすい環境を整えました。
みなさんの職場の状況はいかがでしょうか? ダイバーシティ推進や女性活躍推進のための制度を整えるだけでなく、職場の風土づくりのための取り組みなどもあわせて行うことで、女性だけでなく、さまざまな状況にある社員が働きやすい職場になるのではないでしょうか。
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