言霊で願いがかなうかも? 新年にオトナ書き初めのススメ

年があらたまるのを機に目標を立てたり、抱負をかかげたりする方は多いのではないでしょうか。その決意や抱負を、「書き初め」という形であらわしてみてはいかがでしょう。

目次

・「書き初め」の由来とは?
・美しい書き初めに近づく、3つのポイント
・自分と向き合う「ことばえらび」

言霊で願いがかなうかも? 新年にオトナ書き初めのススメ

© Viacheslav Iakobchuk - Fotolia.com


大人になったいまだからこそおすすめしたい「書き初め」の魅力をお伝えします。

■「書き初め」の由来とは?

そもそも、なぜお正月に書き初めをするのでしょう。娘が通う書道教室の先生に、その由来と書き初めをするときのポイントを教えていただきました。

「書き初めは、新年にはじめて毛筆で文字を書く行事です。1月2日に、恵方(歳神様がおわす方角。その年によって方角は異なり、2017年は北北西とされている)に向かって座し、詩歌やおめでたい意味の文句を書くのが昔からの習わしです。


書き初めは、1月15日の小正月に行われる「左義長(さぎちょう・一般的にはどんど焼き、とんど焼きなどの呼び方で知られ、神社などで開催される行事)」で、お正月飾りなどと一緒に焚(た)き上げるのがよいとされています。書き初めを炊き上げたとき、紙片が高く上ると字が上達する、とのジンクスもあります」

とはいえ、これらは必ず守るべきルールというわけでもありませんので、7日までに書き初めをし、目につくところに数日飾ったのちは、お正月飾りと一緒に15日頃を目安に片づけるようにするとよいでしょう。

大切なのは、書き初めに向かうときのこころの持ち方です。
言霊(ことだま)というように、ことばには魂が宿るといわれています。かなえたいこと、達成したいことをしっかりイメージしたうえで半紙に向かい、気持ちを込めて筆を運びましょう。

美しい書き初めに近づく、3つのポイント

筆を持つのが久しぶりの方も多いかもしれません。せっかくならできるだけ見栄えのよい作品に仕上げたいときは、次の3点を意識すると、よりバランスのとれた美しい書に近づけます。

●姿勢と腕の動きを意識する
日常で使う鉛筆やペンは、指と手首を動かして書くのに対し、筆は腕や体を使います。
姿勢をただして腕を動かすようにしながら、のびのびと大きく書くよう意識するとよいでしょう。

●字の大きさ、バランスを考える
書き初めは全体のバランスが出来栄えを左右します。字の中心をそろえる、ひらがなや画数の少ない漢字は小さめに書くようにすると、全体のバランスがとれやすくなります。

●墨の量は「筆の弾力」を目安に
書は、墨のかすれ具合なども美しさのひとつではあります。でも、新年の決意を込めた書き初めなら、太目の筆づかいのほうが好ましいでしょう。筆に含ませる墨は少なすぎず多すぎず、筆の弾力を感じられるくらいを意識してみましょう。毛筆らしい、のびやかな線が書けます。

■自分と向き合う「ことばえらび」

ここからは私自身の経験をお伝えしていきます。


子どもが小学校にあがって以来、私も毎年書き初めを行っています。最初は子どもの冬休みの宿題につきあって私も書く程度でしたが、そのうち「せっかくなら新年の抱負を書こう」と思いはじめました。とはいえ、いざ筆と半紙を前にすると、ぱっと思いつくことばが見当たりませんでした。

そこで、新年のマイ儀式として行っているのがこちらです。

●どんな年にしたいかを書き出す
筆を持つ前に、その年をどんなふうに過ごしたいか、何をかなえたいかを、思いつくままに手帳へ書き出します。

このとき、「仕事の幅を広げる」「子どもの勉強を丁寧にみる」「国内を旅行する」「ストレッチを習慣にする」…といった具合に、年単位の目標から日々の小さな決意まで、できるだけ具体的に書き出したほうが、より意識づけが深まるように思います。

●2~4字に要約する
ひととおり書き出したら優先順位をつけて、強くかなえたい項目をしぼりこみ、2~4字に要約します。
一例として、私の場合、「さまざまなことに好奇心を持つ」をテーマとした年は、「感興」。
子どもの受験が控えていた年はストレートに「結実」。もっと外側に意識を向けようと考えた年は「ひらく」を、その年のことばにえらびました。

「ノートに書き出して自分の意識を見える化し、適切なことばへ要約する」
この2ステップが、自分でも気づかなかった望みや理想を再発見する、よい機会になっている気がしています。

また、筆を運んでいるあいだは、自然と雑念が消えて書に集中できます。日々を忙しく過ごすワーママならなおさら、思考をリセットできる貴重な時間になるのではないでしょうか。

家族それぞれが新年の目標や抱負を書き初めし、写真などに残しておいて年末に振り返ったり、毎年の書き初めを見比べて成長をたしかめ合ったりするのもよいかもしれません。

自分自身と向き合うきっかけにもなる書き初めで心機一転、新年をすがすがしくスタートさせてみてはいかがでしょう。
皆さんにとって、2017年がすてきな1年になりますよう!

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