空気が乾燥する冬は、火災が多くなる季節。その原因としては「たき火」「タバコ」「放火」「コンロ」などが多いようですが、中には家庭内の意外なことが原因で出火するケースも。そこで今回は、うっかり見落としがちな「わが家の火の用心」のチェックポイントを紹介します。基本のポイントに加えて、しっかりと見直しておきましょう。
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■家の中にある「意外な火元」
一般家庭で起こる火災の中には、家の中の意外なものが火元となっているケースがあります。
・ホコリが付着した電源プラグ・コンセント
・結露が発生しやすい窓などの近くに設置された家電・コード類
・天ぷらの揚げカス
・白熱電球
・束ねた電気ケーブル
・ネズミなどの動物
空気が乾燥している冬は、住宅の木材も乾燥して水分が少なくなっているため、湿度の高い季節とくらべると火がつきやすい状態です。「火を扱う場所じゃないから」と安心することなかれ。念には念を入れて、チェックしておきましょう。
■ホコリが付着した電源プラグ・コンセント
まず注意したいのが、電源プラグ・コンセントに付着するホコリ。たまったホコリが湿気を吸うと、プラグの両極間で火花の放電が繰り返し起こり、発熱・発火へと発展する危険があります。
これは「トラッキング現象」と呼ばれるもので、留守宅から急に出火するケースもあるようです。
冷蔵庫・洗濯機などは電源プラグを差し込んだまま使い続けることが多いと思います。ホコリがたまらないようにときどきプラグを抜いて、乾いた布で拭き掃除をしておきましょう。
■結露が発生しやすい窓などの近くに設置された家電・コード類
結露で発生した水が家電の電源プラグ・コードなどに付着してショートさせ、火災に発展するケースがあります。冬は窓が結露しがちなため、危険性のある場所に家電製品・コード類を置かないことが大切です。
また、洗面所・キッチンなどの湿気が多く、水を使う場所も要注意。こちらも、水滴が電源プラグにつかないようにする、電源プラグを差し込んだまま放置しないなど、普段から「火の用心」を心がけましょう。
■天ぷらの揚げカス
天ぷらを揚げているときは、誰もが注意を怠らないと思います。しかし実は、「揚げカス」にも注意が必要です。
天ぷらの揚げカスをまとめて放置しておくと、時間がたってから高温になり、発火することがあるそうです。揚げカスを1ヵ所にまとめて放置しない、しっかり冷めているかを確認してからキッチンを離れるなど、「時間がたってから発火する」可能性を頭に入れた行動を心がけましょう。
また、油を吸ったキッチンペーパーも同様の可能性があるとのこと。揚げものをしたあとは、使った油の処理だけではなく、揚げカス・油を吸った紙にも気を配りましょう。
■白熱電球
蛍光灯・LEDにくらべて熱を持ちやすい白熱電球も注意が必要です。もちろん「蛍光灯・LEDなら絶対に安心」というわけではありませんが、特に白熱電球は高温になりやすいことを覚えておきましょう。
60ワット程度の白熱電球でも、カーテン・服などの布類が長時間接触すると発火することがあります。また、電球に付着したホコリが発火する可能性もあるようです。
近年はLEDを使用した照明が増えてきましたが、シャンデリア・ダウンライト・スポットライトなどに白熱電球を使用している家庭もまだまだあると思います。白熱電球の周囲に燃えやすいものがないか、あらためて確認しておきましょう。
■束ねたケーブル
タコ足配線でコンセントの定格容量を超えると、発火の危険性が高まるということはよく知られています。しかし、配線関係で危険なのはタコ足配線だけではありません。
実は、電気のケーブル類を束ねて使用していると、ケーブルの自然放熱が妨げられ、発火する可能性があります。これは、束ねてテープなどでまとめている場合だけではなく、一ヵ所にたくさんのケーブルが密集して束ねたような状態になっている場合も同様です。ケーブルの自然放熱を妨げないよう、ゆとりをもった配線を心がけましょう。
■ネズミなどの動物
ネズミなどの動物が電気コード・ガスコンロのゴム管などをかじってしまい、それが原因で出火するケースがあります。また、動物の糞や死がいなどで分電盤がショートしてしまうことも。
家に動物が入りこんでいないかを定期的にチェックする、動物が入りこめるような場所を塞いでおく、エサになるような食べ物を放置しないなど、対策を講じておきましょう。
どこからともなく聞こえてくる「火の~用心」の声を他人ごとだと思わずに、自宅の見落としがちなポイントをチェックしてみましょう。どれだけ念入りにしても、やりすぎるということはありません。
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