連載記事:はじめてのPTA

PTA改革がぶち当たる「非加入家庭の子どもはどう扱うの?」問題【はじめてのPTA 第3回】


■PTAは「会員限定サービス」をする団体ではない

卒業証書

(c) studiopure - Fotolia.com


PTAはこれまで長いこと、全員加入を前提に運営してきてしまったため、PTAを「会員家庭向けのサービスを行う団体」だと誤解している人が少なくないのです。そのため、非加入家庭のお子さんに対して、会員家庭と同様の祝い品を渡そうとすると、「会費を払っていないおうちにあげるのは、ズルイ」などという声が、他の会員からあがる場合があるのです。

そこでやむなく、子どもたち全員に配るものについては、非加入家庭からも実費を徴収しているPTAが多いのですが、これも“本当に正しいやり方”とはいえないでしょう。

いま、大阪のある学校では、保護者会(PTA)をやめたご家庭のお子さんが卒業式のコサージュをもらえず、しかも保護者が実費負担を申し出たのに、その申し出も断られたことから、裁判が起きています。PTAはそもそも、子どもたちのために存在するはずなのに、逆にこんなことで子どもに辛い思いをさせてしまっているというのは、とても残念なことではないでしょうか。

いま一度確認したいのは、PTAというのはあくまで学校に在籍する子どもたち全員のための活動をする団体であり、かつ、保護者は活動したい人が活動し、加入したい人が加入する団体である、ということです。

これらのことを大前提に、これまでのPTAの運営方法や活動内容、組織のあり方全体を、見直していく必要があるのではないかな、と思います。


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『PTAがやっぱりコワい人のための本』
(太郎次郎社エディタス/¥1,620)

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