連載記事:親子で参加する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
2020年オリンピックは「ボランティア派? それとも観戦派? 」【親子で参加する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 第3回】
■東京2020大会「ボランティア、本当のところは?」大会運営にインタビュー
会場内で活動するボランティアスタッフ(リオ・デ・ジャネイロ大会) ⒸTokyo 2020
ボランティアで参加し、運営サイドから東京2020大会を楽しめるのは、自国開催であればこそ。でも、子育て中のママでも、問題なく参加できるものでしょうか? 東京2020大会組織委員会、総務局ボランティア推進部の傳夏樹さんにうかがいました。
――スケジュールを見ると、子育て中のママにはハードルが高いでしょうか?
傳夏樹さん(以下、傳さん):オリエンテーションはオリンピック・パラリンピックの雰囲気を楽しんでもらい、チームワークを高めていただくのが目的です。2年間かけてひとつのチームになりたいので、あまり難しく考える必要はないです。共通研修も同様、参加スケジュールは時間と曜日を自由に選べるようにしていく予定です。会場は東京以外にも、北海道から福岡まで10都市あるので、東京以外に在住のママさんも参加しやすいようにしていきたいです。
以上を基本としていますが、活動期間が10日間というのは、初めての活動なので慣れるまでに時間がかかるということも考えています。過去大会でも10日間以上となっているようですね。
また、厚生労働省では「社会貢献活動休暇」と呼ばれるボランティア休暇の導入を企業に推進しています。導入している企業はまだまだ一部ですが、今後増えることを期待しています。
――大会期間中の宿泊は自己負担ですか?
傳さん:宿泊費は自己負担ですが、パートナー企業にご協力いただき、宿泊先の情報提供をしていければと思っています。ボランティアの希望を出す際、お住いのエリア近くを選んでいただければ、自己負担の軽減になります。
――オリジナルデザインのユニフォームは決定していますか?
傳さん:パートナー企業のasicsに提供いただく予定です。デザインの発表は過去大会では大会の1年前くらいだったようです。ユニフォーム一式は大会終了後に記念として持ち帰ることもできますよ。アイテムによっては複数枚用意する予定です。
世界各国から参加するボランティアスタッフ(リオ・デ・ジャネイロ大会)ⒸTokyo2020
――大会ボランティアならではの「参加して良かった」ポイントは?
傳さん:過去の大会ボランティア経験者の声を聞くと、一番大きいのは“出会い”だそうです。いろいろな国の人と出会って、友だちになった。また、外国からの要人をサポートする役割(アテンド)についていたスタッフは、その要人たちと親しくなったとも聞きました。
仕事を持っているママさんでしたら、アテンド活動などがやりがいもあって楽しいかもしれませんね。お子さんにとっても、ママがこんなに広く、大勢の人がいる会場で活動しているなんてすごい! と心に強く残ると良いなと思います。
――活動分野を決める基準を教えてください。
傳さん:活動分野は9つあり、そのなかから3つ選択できますが、必ずしも希望通りにはなりませんのでご了承ください。決定基準は、応募者が希望する活動分野と役割、活動したい会場(競技会場は東京都以外に千葉県、埼玉県、神奈川県、北海道、宮城県、福島県、茨城県、静岡県)、オリンピック・パラリンピックのどちらか、または両大会に参加したいか、何日間活動できるかなどを運営側のニーズとマッチングさせていきます。
――子どもが参加できることはありますか?
傳さん:中高生が参加できるような、例えばサッカーやテニスのボールパーソン、バスケットボールのモップ掛け、または入場待ちの観客向けに楽器演奏などができたらと。
小学生以下のお子さんは、会場で観戦していただけたらいいなと思います。開催地・東京都の各学校では、障害者スポーツ大会の観戦、地域の留学生・海外の学校との国際交流などのオリンピック・パラリンピック教育も始まっているようですが、まだまだ検討中です。
大会ボランティアは性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、さまざまな人を必要としています。迷われたらまず応募してみてください。
そこで「やっぱり違うな」「参加は難しいかな」と思った場合は、大会ボランティアの登録を取り消すこともできるので、まずはオリエンテーションの参加をおすすめしています。
大会ボランティアは、オリンピック・パラリンピックの運営に直接携われるため、大会の熱気を肌で感じられる体験ができますが、ちょっとハードルが高い…と感じる方には、事前キャンプ地や都市ボランティアもあります。詳細は、各自治体に確認していただくことになりますが、これらに参加してみるという選択肢もあります。