連載記事:あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人
察しない夫「生かすも殺すも“伝え方”次第」【あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人 第1回】
■察しない夫「わかっているはず」は禁物!
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――ストレートでフラット、そして明るくポジティブな会話が、円滑なコミュニケーションには大切なのですね。でも、肝心の夫に、今さらそんな話し方ができるかどうか心配です…。
五百田さん:大丈夫です。どのご家庭も、同じような悩みを抱えていらっしゃいますから! まず言えるのが、世の夫は奥さんの心情を察しない、ということです。残酷な言い方ですが、これが事実です。
夫婦はもっとも近い関係なので、つい阿吽(あうん)の呼吸で会話をしがちですが、相手には通じていないことが多いのですね。例えば、「今日よろしくね」と奥さんがお願いしたとしても、夫にはほとんど意味が通じていません。
ここはもっと具体性を持たせて、かつストレートに「今日、◯◯時に子どものお迎えよろしくね」と言うのが正解です。
大事な相手だからこそ、コミュニケーションをサボってはいけないのです。初めての仕事の取引先と同じように、状況や要望をきちんと説明する。しかも毎回。それが大事です。
■妻が社長、夫はアルバイト!?「言いすぎず、やり過ぎず」
――相手はわかってくれているだろうと、つい会話に手を抜いてしまいますが、家族だからこそ真剣に話す必要があるのですね。
五百田さん:その通り。特に夫には120%の気持ちで話すようにしましょう。長年一緒にいると会話が乏しくなる夫婦もいますが、ここも120%の会話を意識すればいいのです。
「今日は何時に帰宅?」「雨が上がったね」、どんな些細(ささい)な内容でもいいんです。とにかく声をかけ合ううちに、新婚当初のような会話のたえない夫婦に戻れるはずですよ。
また、子育て中のママから、「夫が家事や育児に消極的」なんて嘆きの声を聞きますが、これも当然のこと。なぜならやりたくないから(笑)。なかには家事も育児も進んでこなすイクメンの方々もいらっしゃいますが、基本、夫というものは家では働きたくない生き物です。
だから、夫が家でゴロゴロしていたとしても、いちいちイラっとしないように。ここは冷静に、「◯◯やってくれる?」とストレートに、笑顔でお願いするのが賢い会話の仕方です。
家の中では、妻が社長、夫はアルバイトぐらいの気持ちでいれば、相手に高いパフォーマンスを求めることもなくなりますよ。
――仕事の取引先のようにフラットに付き合う。そうすれば余計な感情も生まれず、結果として夫と衝突することもなくなり、夫婦仲も良好な関係が保てそうですね!
五百田:特に女性は感情的になりがちですが、常に冷静さをキープして。たとえ夫が仕事で疲れて帰ってきても、過度なやさしさは必要ないと思います。
おだてたり、持ち上げたりすると夫は家庭で手を抜くようになるので、結果として奥さんにタスクが増えて疲れるだけ。仕事も育児もしているのに、これ以上負担をかかえないためにも、夫にはフラットな対応がベストではないでしょうか。
「◯◯までに◯◯してほしい」などとストレートに伝えれば、夫もひとりの大人として、甘えることなく奥さんの要望に応えてくれるはずです。
夫は唯一無二の存在だからこそ、真剣に、丁寧に対応することが大切だと思います。
仕事や育児で日々追われていると、夫との会話をおろそかにしがちですが、そんな時は深呼吸。
いったん冷静になって伝えたいことをストレートに言えば、相手も不快に思うことなくすんなり受け止めてくれることでしょう。
一番近い存在だからこそ、全身全霊で会話につとめる。ぜひ今晩、ご主人と今日あったできごとで盛り上がってみませんか?
参考図書:
『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ベストセラー著者であり、話し方のプロフェッショナルである五百田氏渾身の話し方の決定版。話し方のちょっとした違いで、「損する人」にも「得する人」にもなる。よかれと思ってやっていたこと、ダメだなと思いつつ言ってしまっていること、その「損する話し方」を「得する話し方に」変えるだけで、こじれていた人間関係が改善したり、あたらしい出会いが広がる!? 本書では、各項目で「損」「得」2つの話し方を紹介。
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