夫の転勤リスク「ついて行く? それとも単身赴任?」メリット・デメリット



■夫が単身赴任する「メリット・デメリット」

夫の転勤リスク「ついて行く? それとも単身赴任?」メリット・デメリット

©taka- stock.adobe.com


では夫1人で単身赴任し、夫以外の家族は今まで通りの生活をすることを選んだ場合、どんなメリット・デメリットが考えられるのでしょうか。

大きなメリットは「妻自身が仕事を続けられること」と「子どもが転園・転校しなくてすむこと」ではないでしょうか。

妻は今まで通りキャリアを築き続けることができますし、子どもに環境の変化を強制せずにすむので「新しい園や学校でやっていけるかな」「友だちができるかな」というような心配や悩みが生まれることもありません。

また、妻にとって一番大きなメリットといえるのが「夫の世話がなくなる」こと。夫が家にいないということは、単純に大人1人分の食事の用意、洗濯などの家事がなくなるだけではありません。

例えば、夫の帰りが遅くなったら夜食やお風呂の準備をして待ったり、スーツやシャツをクリーニングに出したり、出張の時は荷作りしたりと、通常の家事のほかに夫の世話は意外とあります。それがなくなればずいぶんと楽になる、と感じる人は多いのではないでしょうか。

反対に、夫が単身赴任するデメリットとしてあげられるのは「夫の健康や生活の管理ができない」こと。


食生活や運動習慣などを把握してコントロールできないため、「揚げ物やお肉ばかり食べていないかな」「汚部屋になっているかも」「ちゃんと洗濯しているのかな」と心配になってしまうでしょう。

また、夫が不在であることに妻が慣れすぎ、たまに夫が帰って来たときのお世話を面倒に感じてしまうというデメリットも。夫が家にいないことが日常になってしまい、夫への関心、愛情が薄れてしまうことは夫婦関係に大きなダメージを与えます。コミュニケーションをとることの大切さを忘れないようにしてほしいですね。

■夫の転勤=ワンオペ育児となる「リスク」

夫の転勤について行く、あるいはついて行かない。そのどちらを選んでも共通しているのは「ワンオペ育児になるリスクがある」ということです。

転勤について行ったら、夫は仕事、周囲は知らない人ばかり。一方、ついて行かないとしても、一番子どものことを相談したりお世話をお願いできる夫は遠方で頼れない…。


自分ひとりしかいない状況とは、どんな状況なのか。少し想像しておくだけで、いざとなったとき、パニックに陥ることなく落ち着いた対処が可能になるでしょう。

しかし、「これからは自分がしっかりしないと!」と気負いすぎるのは禁物です。ひとりで育児をすることになっても母親役、父親役、どちらもこなそうとがんばらなくて良いんです。できることには限界があると、最初から良い意味で開き直りましょう。

困ったときは「さあ、どうしようか?」「この方法でやってみようかな?」と、スルリとすりぬけていくような感覚で向き合えると気持ちも楽になると思います。

「去る者日々に疎し」。この言葉は「親しかった人も遠く離れてしまうと、次第に親しみが薄れる」という意味です。
もし、転勤について行かないと決めたなら、離ればなれになっても夫婦関係に亀裂が生じないよう、上記の言葉をぜひ思い浮かべてみてください。

例え夫であっても、今ここにいないというだけで、次第に存在感が薄まってしまう。夫の単身赴任はある意味、夫婦の絆が試されているときといえるかもしれません。

夫の単身赴任後は、今以上に直接コミュニケーションをとり、夫不在が当たり前にならないようにする「努力」が欠かせません。夫婦でいることの意味を見失わないように、そして子育ては「なるようになる」と気負いすぎない。こうした心構えが大切でしょう。


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