連載記事:子どもが変わる、夫婦も変わる会話術
夫との会話でイライラしない、すぐ実践できる「言い換え・言い足しテクニック」【子どもが変わる、夫婦も変わる会話術 第3回】
■イラッとくる物言いから脱却! スムーズな言い足し術・言い換え術
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――相手を認める、相手の立場に立って物事を考えてみるということは、なんとなく自分を抑えるようで「損してる?」と思ってしまうのですが……。
天野さん:とんでもない。相手を認められる力がつくと、夫や子どもにいい影響を与えるだけでなく、自分のコミュニケーション力を格段に上げることができるんです。自分にもいい効果があるんですよ!
まずは、修行と思って、日々「相手の立場に立つ」ことを意識してみましょう。すると、今までの夫に対する言葉かけも自然と変わってくるでしょう。たとえば…
夫「買い物してきたよ」
妻「ああ、そこに置いておいて」→
「重かったでしょ、ありがとうね」
妻「脱いだら洗濯機にいれておいてよ」→
「脱いだものを洗濯機に入れておいてくれたら、明日着ていくのに間に合うよ!」
夫「ああ、疲れた」
妻「私だって今日一日、会議続きでへとへとだよ!」→
「今日は一日、蒸し暑かったしね。私も会議続きで疲れちゃったの。ご飯はデリバリーにしてもいい?」
夫「ああ、大変だったね。そうしよう」
上記のように自然と変わってくるわけです。
――ほんのひと言、相手のことを考えた言葉を加えるだけで、グンとやわらかくなりますね。いつもなら「その言い方はなんだよ!」「だって…!」と堂々巡りになっていたかもしれません。
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天野さん:そうなんです。私がこの本でお伝えしたかったことに「夫婦の会話の大切さ」ともうひとつ、「お互いを認めること」があるのです。すべてを含めて相手を認めることができれば、会話は必ず変わってくるんです。
「早く起きてよ!」といった指示や「いい加減ゲームやめて!」という禁止のことばも、「昨夜は遅かったから眠いよね。でも、もう起きる時間だよ」「明日は早いんでしょ? もうゲームはやめたら?」と、一方通行からコミュニケーションに変わります。
子どもは、パパとママの会話を聞くことで、コミュニケーションの方法を知らない間に学んでいきます。「こういう言い方をするとけんかにならないんだな」「この言い方は相手を不機嫌にさせるんだな」と、ことばの選択や会話の流れを考えられるようになるんですね。
――夫婦が互いを認めて、話し合ったりゆずり合う会話は、学びが大きいのですね。
天野さん:また、これからの時代は、多様性が求められます。日常、何気ない話題から、環境問題やLGBTといった議論をするようなことまで、夫婦の間でも価値観に違いを感じることはあるものです。
でも、この会話が子どもに影響を与えていくんですね。さまざまな考え方があって、それを尊重して受け止めることができることは、これからの時代にとても大切な力となるでしょう。
子ども自身の価値基準を広げ「こんな意見もあれば、こういうこともある」と、多様なものの見方ができるようになりますよ。
夫婦の会話は、子どもをどんどん育てます!
参考図書:
『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)
天野ひかり 著/汐見稔幸 監修
夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
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