連載記事:女性のがんとお金の話
ママががんになってしまった…治療は? 子どもへの告知は?【女性のがんとお金の話 第2回】
© yamasan- stock.adobe.com
「
『もしかして、自分もがんになるかも…』と思った人勝ちですよね」というのは、がんサバイバーであり、ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さん。
※「がんサバイバー」とは、がんと診断された人、治療中の人、またその家族も含めたがんを体験した人を指します。
情報は、力です。いざというときに慌てないよう、あらかじめ知っておいた方が良い情報はあります。今回は、黒田さんが「がん患者の世界」に足を踏み入れた頃のお話しから伺いましょう。
この記事は、
「妊娠中に、がんが見つかったら!?「がんは情報戦」に役立つ4つの知識」の続きです。
■「がん」告知ってどんな感じ?<黒田さんの場合>
© jedi-master- stock.adobe.com
黒田さんが乳がんの告知を受けたのは、富山にある女性医療専門のクリニックでした。医師から「検査の結果が出ました。簡単に言えば、乳がんですね」と事実を淡々と告げられたそう。
「告知を受けたとき、困難な局面のときこそ笑えという教訓を思い出し、主治医が話している間も、なんとか笑顔を浮かべようとしていました」(黒田さん)
そんな黒田さんの態度が不審に見えたのか、主治医からは、「大丈夫ですか? ちゃんと、わかってます? あなたの状況は、『早くがんが見つかってよかったね』というレベルじゃないんですから、しっかり治療に専念してくださいよ!」と、念押しされたとか。
黒田さんはもそうだったように、ほとんどの人は、
がん告知を受けるとパニック状態に入り、頭が真っ白になるといいます。
「がんと告知されてパニックになるのは、精神的な初期反応としてはあたり前だということを、ぜひ、最初に覚えておいて下さい」(黒田さん)
■がんの治療法判断は、慌てず、あせらず
© maroke stock.adobe.com
黒田さんは、さらに教えてくれました。
「がん種類や進行度にもよりますが、通常、たとえ数日や数週間、治療を行うのが遅れても、急に容体が悪くなったり、
がんが進行したりするものではありません」(黒田さん)
なるほど! こういった知識が頭の片隅にあるだけで、ショックの受け止め方が違ってくるかもしれませんね。
「患者さんの多くは、『がんは進行する病気」という認識があるため、がんと告知されると、一日も早く治療を始めなければと追い込まれた気持ちになります。
一部のがんを除き、多くの場合、がんは何年もの時間を経て大きくなっているといえます。ですから、早期発見、早期治療といっても慌てず、治療方法を十分に理解し、自分で納得して治療を受けることが大切です。」
出典:静岡がんセンター
「がんに限らず重大な決断を迫られたときは、安易に即決しないことは大切です。『結果はわかりました。今後の治療法については、落ち着いて家族とも相談したいので、また後日相談に伺います』などと、
冷静に判断するための時間を持つことをお勧めします」(黒田さん)
不安な人は、精密検査の結果を聞く際(つまり、がん告知を受けるとき)に、家族や親しい人と一緒に話を聞く、あるいは情報を得るのも良いかもしれませんね。