散りばめられた数多の伏線回収! タイトルに隠された真の意味【君が心をくれたから#最終回】
■太陽にとって残酷すぎる、雨の最後のうそ
「プロポーズの時の花火の勝負のお願いを使ってもいい?」
そう言って告げられた雨からのお願いは、太陽にとっては残酷なものでした。
「もう会いにこないで、二度と思い出さないでほしい。これで私たちの恋はおしまい。さようなら、太陽くん」
雨と太陽それぞれが描く「幸せな未来の形」が違っているため、相手を思って考えた一方の決断が、もう一方にとって残酷なものになるもどかしさ。
太陽は、いつか五感を取り戻す未来への希望を抱きながら雨と一緒に生きたかった。雨は、自分のことは忘れて太陽には自由に生きて、幸せになってほしかった。
どうして「好き」だけじゃ幸せになれないのか。
そうして、その言葉を最後に雨は聴覚を失います。
約束の16時はまだきていないのに。
「太陽の最後の言葉を聞いたら、身を引こうと考えているのに辛くなってしまう」雨はそう考えて、聴覚を失う時間を一時間早く太陽に伝えていたのです。たくさん伝えたいことがあった太陽は、最後の言葉も伝えられず、別れを告げられ、突然のことに戸惑いと悲しみと混乱、絶望、全ての感情でぐっちゃぐちゃになりながら叫び泣き崩れます。