「会社に行きたくない」一度でもそう思ったことがある人に読んでほしい本
そう思う反面、寝る前にほぼ毎日頭に浮かぶ「でも、明日も会社いかなくちゃな」という、半強制的なあの思い。そして、タイトルに添えられた帯の“共感しすぎて胸が痛い”というアオリ文も気になった。
本は、とあるOA機器販売会社の職場での人間関係を群像劇として描いている。同じ会社で働く6人の物語が、それぞれの視点で語られていく。
20代後半で役職に就くも、自分に自信が持てず周囲の意見に振り回されてしまうアラサー幹部補佐。出世競争に敗れ、部下からも家庭でも雑な扱いを受けるアラフィフ課長。職場で苦手だった先輩が”ママさん”となり、その働き方にモヤモヤしてしまう経理部員。会社で働いたことがある人なら誰にとっても身近で、そしてリアルな登場人物たち。
どの主人公の話を見ていても「うんうん、そういう人、会社にいるよね」と思わず共感してしまう。
そして、そこで起こる出来事もまた、会社で働く私たちにとってはごく身近で、自分や周囲が一度は悩んだことがあるようなことばかり。早めに出世したものの、部下との上手い距離感が分からないとか、上司や先輩がちょっと無能に思えて、イライラしちゃったりとか。
エピソードがあまりにリアルなので、友人から体験談を聞いているような気持ちになる。