「会社に行きたくない」一度でもそう思ったことがある人に読んでほしい本
そしてたしかに、自分と環境が近い登場人物の話を読んでいる時は、思わず胸が痛くなった。どんな人でも、6人の主人公のうち、誰かには共感してしまうのではないかと思う。
■「少しだけ」変わっていく登場人物に勇気づけられる
だけど、ただ共感を誘ってくるだけではない。どのエピソードでも、会社や家庭の中でもがき苦しみ、それでも前を向いて歩こうとする登場人物たち。会社という特殊な人間関係の中で、後輩や上司に「なんと伝えるべきか」悩んだり、モヤモヤする職場環境をどうやったら打破できるか考えたり……決して超絶ポジティブな登場人物たちではないけれど、それぞれが「自分の答え」を探し出し、成長していく。
読後、まず頭に浮かんだのは「答えの出し方って、それぞれでいいんだな」ということ。働いていれば何かしら嫌なことはあるし、仕事そのものは上手くいっていても、プライベートで割を食うこともある。つらいなら、仕事を辞めたっていい。
だけど、辞めて気分が晴れるかどうかはその人次第。その人が出した「答え」次第なのだ。
普段は色々な思いを抱きながら、陰鬱と働いていたりいなかったり……な登場人物たち。だけど、作中にはそれぞれの「変わるきっかけ」