パリの新たな美術館「ブルス ドゥ コメルス」って知ってる? 安藤忠雄による内装にも注目【From cities 世界の都市に憧れて vol.11】
同施設は、ケリング(KERING)の創業者である、フランソワ ピノーによる現代美術館で、彼が1960年以降、長きに渡り収集した約3,500点(その額なんと、総額12.5億ユーロ……! )のプライベートコレクションから選りすぐりの作品が展示されている。
一歩足を踏み入れたら始まる、アートな空間体験。
安藤忠雄によって、新たな息吹がもたらされた18世紀の建築
収蔵作品はもちろん、建物自体にも注目が集まっている。本美術館の開館に伴い、建築家の安藤忠雄によって改装工事が行われたこの建物。元々は、18世紀に穀物の取引所として使用されていた場所で、近年も美術館計画の前までは、ファッション関係の展示会やイベント会場などとして度々使用されていた。
改装にあたり、安藤は、元の18世紀の円形の建物をきっちりと残し、その内側にコンクリートの新たなスペースを創り出した。その造形に採用されている円形には“未来”、円には“希望”の意味が込められているのだそう。
美術館として生まれ変わったこの建物には、10ヶ所の展示室の他、地下にオーディトリアム(講堂)、最上階には、ミッシェル&セバスチャン ブラスの「ラ アール オ グラン(※)」