差別化が生んだ市場のドーナツ化。その穴を消費者に食べてもらいたい--「THE」水野学、中川淳、鈴木啓太、米津雄介1/2【INTERVIEW】
を作っていくことにすごく意味があると感じたんです。というのは、デザイナーがどれだけ素晴らしいものを作っても、その製品の魅力や背景の物語を、ちゃんとお客さんに届けないと続いていかないんです。そのためにするべきことの一番は、直接コミュニケーションをすることだと思います。だから、「THE」を始める時にも「まず、お店を持ちましょう」という話をしました。まだブランドを始めたばかりで、アイテムも2つか3つしかなかったのに、東京駅横にある商業施設「KITTE」にお店を作ることを提案しました。
鈴木:早い段階でお店を持ったのは正解だったと思っています。自分達やスタッフがお客さまと直接コミュニケーションをする。これしかないっていうくらい、大切なことだと思います。
お店は、人を介してお客さまにメッセージを伝えていく場ですね。
■立つ歯ブラシが生まれた理由
――これぞTHEというアイテムを作るときに気を付けていることはありますか
鈴木:「THE TOOTH BRUSH by MISOKA」の例が分かり易いかもしれないですね。まず「歯ブラシとは何か」という問いからスタートします。歯ブラシの機能として、歯を磨くことという以外にも、乾かすという機能も求められている。