新しいものを作ろうとしないクリエイティブの考え方--「THE」水野学、中川淳、鈴木啓太、米津雄介 2/2【INTERVIEW】
屋久杉をはじめ、日本古来の素材や技法を活かした環境で「THE」を展開されていかがでしたか米津:初めて、開店時に「THE」の商品が並んでいる様を見て、杉本さんの手掛けられた美術館的な内装に置いても、「THE」のアイテムが見劣りしてなかったことが嬉しかったですね。自分たちのやってきたことに間違いはなかったと感じました。――アート作品は、シーズンで作られたものとは違って、半永久的にいいと思われたものが収蔵されていきます。水野さんが話されていた「定番とは長い流行」という話にも通ずるところがありますね。鈴木:杉本さんのアートは新しいものを作ろうとするよりも、今まで誰もが知っていたものを見えるようにするきっかけを提示してくれているように感じています。海をモノクロ写真に収めた「海景」もそうです。いままで知っていたけど、改めて見ることがなかった素材や技法に気づかせてくれるのが杉本さんのアートであり、今回のお店の特徴なのかもしれません。「THE」も新しいものを作ろうとしていない点で通ずるところがあると思いました。
クリエイティブの考え方として、通ずる部分があるのではないかと思います。――杉本さんも「古くから良いとされているものは、一番新しいもの」