2015年7月19日 20:00
バージョンアップできる日本のOSと進化を止めているデザイン。グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】4/4
以前にはなかったデジタルに関わることで取られる時間が一人の時間を取っている。それによってできないことが増えている。社会のデジタル化が人の生活にプラスかマイナスのヴァリューは、まだ結果が出ていないと思います。本を読むには勉強のためとか、リラックスするためとか理由があるのだけれど、今はどんどん情報が入ってきて。その入ってくる情報を飲み込んで、咀嚼して消化する時間がない、ひとつのニュースを読んだら、次のニュースがもう届いているという状況。みんな情報を消化できず、現実がバーチャルの世界にシフトして、リアルワールドは止まっているように見えます。
――現実の世界は止まってしまっている?
バーチャルはすごく変化しているように感じるけれど、実は何も変化していない。フェイスブックで友達がいっぱいいるように感じるけれど、実はそんなに友達はいない。
友達を作るのには一緒に遊びに行ったり、すごく努力がいるけれど、バーチャルな世界はコンビニエントなだけで実態がない。何を食べたのか?何を見たのか?何か知らないけど、なんか食べましたって感じです。以前は必要だった生活における努力をすべて失ってしまっています。それはすごく怖いことだと思います。