モードにも“デジタル”、“エコ”、“女性活躍”のキーワード【2017年春夏コレクション考察--横井由利】
コレクションは、天然素材、ローエッジのヘムは手作りの風合い、リラックスしたシルエットとどれもオーガニックなムードを醸し出している。先シーズンまでの都会で暮らす女性のイメージから、自然と触れ合うライフスタイルの女性が描かれていた。効率を重視するあまりにファスト化するファッションの流れに、スローな感覚を呼び戻そうとするかのようだ。モード界の中心にいる若手デザイナーの提案であることに意味があるような気がすらしてならない。女性活躍の時代はこんなところにも■ディオール(DIOR)1910年代ファッションデザイナーという職業を得た、ジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)、マドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)、そうしてココ・シャネル(Coco Chanel)は、女性の社会進出の先駆けとなった。第2次世界大戦が終結すると、今度は男性デザイナーの時代が始まり、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)がオートクチュールをおおいに賑あわせた。リアルクローズの90年代には、再びミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)、ステラ マッカートニー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)