フェンディ一族が始めた社会貢献「カルミナ・カンプス」【INTERVIEW】
もともと幼少期は自然が大好きな父のもと、田舎で自然に触れ合う生活をしていたのです。その後、フェンディ一族の母と共に暮らすようになって、ファッションの世界に入り、バッグやアクセサリーをデザインしていました。けれどもグローバリゼーションの流れの中で、2000年にフェンディがLVMHグループに売却され、ファッションのあまりの時間の流れの速さについていけないと感じるようになりました。一生懸命デザインしても、シーズンが終わればすぐ古くなることに疲れ果ててしまったのです。
それで、ファッションと違う時間が流れる農業に関心を持ちました。季節ごとの時間を受け入れ、昔のように自然の流れの中で生活したいと思ったのです。会社を辞めると、ローマ郊外のオーガニック農場の経営を始めました。農業にかかわる内に、エコロジカルな支援や社会貢献をしていきたいと思い始め、ローマの大学が企画した養蜂コースに私の農場を提供したのです。
この時知り合ったカメルーンの女性と親交が深まり、カメルーンへ赴くことになりました。現地では家の中で養蜂をしていて、人々は外で生活をしていました。そんな生活の中でも、女性達がカメルーンの毛糸で編んだ伝統的な帽子をプレゼントしてくれました。