フェンディ一族が始めた社会貢献「カルミナ・カンプス」【INTERVIEW】
そこで彼らの状況を少しでも支援したいと思い、帽子を使った「カメルーンバッグ」を製作したのです。それをドーバー ストリート マーケット ロンドンが販売してくれたのが、ブランドの始まりです。
――なるほど。現在はどう発展しましたか。
ファッションと社会貢献活動を結びつけた新しい形の起業であり、いらなくなったモノに再び新しいカタチを与えるデザイン活動と思っています。今は廃材やデッドストック、生産から外れてしまった最終処分品、品質チェックから落ちてしまった製品などを再利用し、バッグやアクセサリー、家具まで製作しています。高い技術を誇るイタリアの職人が生産するラインと、アフリカの素材を使い、アフリカで生産するラインがあります。この活動によって、世界を変えられるとまでは思っていませんが、少なくとも世界で起こっている様々な問題について語る手段にはなります。
――カルミナ・カンプスとフェンディ時代で、デザインの違いはありますか。
以前はデザインが最初にあり、それに合わせて素材を選んでいましたが、今はあるものを利用するので、素材を見て発想するようになりました。私が好きなのは工場に行って、工場廃棄物から素材探しをすることです。